
レジュメ作成は、いざ書き始めると意外なほど筆が進まないものです。
転職ドラフトに所属するテックリードの水谷も、転職ドラフトでレジュメ作成をする際に苦戦したため、その経験をnoteで記事にしました。
転職ドラフト運営が、自社サービスでレジュメを書いてみた
レジュメ作成に苦戦するなかで彼が試みたのは、AIに「書かせる」ことではなく、AIを「分析ツール」として使い、高評価レジュメに共通するパターンを客観的に導き出すことでした。そして、徹底分析した結果、明確な6つの型や、評価される強みの共通点が見えてきました。
この記事では、調査で判明した客観的なデータと、水谷が実際にどの型を選びレジュメを完成させたか、実例をまじえて紹介します。
レジュメ作成に悩むエンジニアのみなさんの、最初の一歩を踏み出すヒントになればうれしいです。
今回、水谷は転職ドラフトで公開されているレジュメの中から、年収1000万円以上の指名をうけていて、なおかつ指名数が多いものをピックアップし、AIを活用して以下の観点で分析を行いました。
その結果、いくつかの明確なパターンが見えてきました。
「3〜5年後の目標」という項目は、多くのエンジニアが筆を止めてしまう難所です。水谷がAIを用いて高評価レジュメを分析したところ、高評価レジュメのビジョンは大きく6つのパターンに分類できることがわかりました。
| タイプ | 解説・例 |
|---|---|
| 数値目標型 | 具体的な数値で目標を示す 例:1000万ユーザーが使うサービスを開発する 特徴:具体的な数値で目標を示す。達成への道筋をイメージさせる。 向いている人:事業成長にコミットしたい人、明確なゴールを持っている人 |
| 社会貢献型 | 社会や他者への影響を重視する 例:技術で社会課題を解決したい 特徴:社会や他者への影響を重視。視座の高さをアピールできる。 向いている人:教育・育成に興味がある人、社会的意義を重視する人 |
| 組織構築型 | チームや組織への貢献を示す 例:魅力的な開発組織を作りたい 特徴:組織やチームへのコミットメントを示す。マネジメント志向が伝わる。 向いている人:EMやテックリードを目指す人、組織課題に関心がある人 |
| 技術探求型 | 深い専門性へのこだわりを示す 例:特定分野のスペシャリストになりたい 特徴:深い技術力へのこだわりを示す。専門性の高さをアピール。 向いている人:スペシャリスト志向の人、特定技術に情熱を持つ人 |
| 成長発展型 | 継続的な学習意欲をアピールする 例:フルスタックエンジニアとして成長したい 特徴:継続的な成長意欲を示す。適応力の高さをアピール。 向いている人:幅広いスキルを身につけたい人、学習意欲が高い人 |
| 課題解決型 | 実務上の課題解決に価値を置く 例:技術で事業課題を解決するエンジニアでありたい 特徴:実務に根ざした姿勢を示す。即戦力としての価値をアピール。 向いている人:実践重視の人、現場改善に強みがある人 |
正解は一つではありませんし、型を一つに絞る必要もありません。大切なのは、自分の価値観に合った型を選ぶことです。
次に、高評価レジュメの中でどのような「強み」がアピールされているかを分析しました。
その結果、エンジニアにとって不可欠なスキルとして、以下の3つが上位を占めることが分かりました。
「新しい技術をキャッチアップするのが得意」
「未経験領域でも短期間で習得できる」
技術変化の激しい業界において、未経験領域でも短期間で習得し、キャッチアップできる力は最大の武器となります。
「複雑な課題を分解して解決できる」
「ボトルネックを特定し、改善を実行できる」
単に実装できるだけでなく、ボトルネックを特定し、解決へと導くプロセスが評価の対象です。
「最後までやり切る姿勢」
「障害対応も率先して対応する」
障害対応への率先した取り組みや、最後までやり遂げる姿勢など、チームで働く上での人間力も重視されています。
技術力という土台の上に、これらの人間力やポータブルスキルが掛け合わさることで、市場価値は飛躍的に高まるといえます。
高評価レジュメに共通していたのは、主観的な説明に留まらない「数値による裏付け」です。
具体的には、以下のようなパターンで実績が可視化されていました。
| パターン | 具体例 |
|---|---|
| 改善倍率 | 処理速度を10倍に改善、コストを1/100に削減 |
| パーセンテージ | KPIを3%向上、エラー率を50%削減 |
| 絶対数 | 2年間で20名採用、月間1000万PV達成 |
| 期間短縮 | リリースサイクルを「月1回 → 週1回」に短縮 |
水谷も自身のレジュメを埋める際、すべての業務を数値化することに苦戦したといいます。
【水谷の選択】「数値化しにくい業務」の伝え方
特にコードレビューやチームの調整役といった業務は、パーセンテージで表しにくいものです。そこで私は、『数値化が難しい実績については、以前のプロセスとの比較や、周囲への影響を言語化する』という手法を取り入れました。例えば、AI導入プロジェクトでも、単に『導入した』とするのではなく、導入前後の開発フローの変化を具体的に書き出すことで、読み手がイメージできる具体性を持たせるよう工夫しました。
このように、正解は一つではありません。大切なのは、自分の価値観に合った型を選び、自身の言葉で語ることです。
分析の結果、高評価を得ているレジュメには、採用担当者の疑問を先回りして解消する「情報の具体性」があることがわかりました。今回は、すぐに実践できる5つのポイントに落とし込んで解説していきます。
抽象的な表現を避け、客観的な事実として数字を盛り込みましょう。
【記載例】
❌️「チームで開発しました」
🟢「5名チームのテックリードとして開発をリード」
「リードした」という言葉も、対象が2名なのか10名なのかで難易度の捉え方が変わります。数字を入れるだけで、あなたの経験のスケールが正しく伝わります。
「長期間」「最近」といった主観的な言葉ではなく、年月で正確に記載します。
【記載例】
❌️「長期間担当しました」
🟢「2022年4月〜2024年3月(2年間)」
エンジニアの技術習得において「期間」は習熟度を測る重要な指標です。いつ、どの技術に、どの程度の密度で触れていたのかを明確にしましょう。
カテゴリー名でまとめず、具体的なミドルウェアやライブラリまで記載するのがコツです。
【記載例】
❌️「バックエンドを担当」
🟢「Ruby on Rails / MySQL / Redis / AWS(ECS, RDS)」
採用担当者は特定の技術スタックで候補者を検索することが多いため、詳細に書くほどスカウトの目に留まる確率は格段に上がります。
「何をしたか」で終わらず、「その結果どうなったか」をセットで書くのが鉄則です。
【記載例】
❌️「パフォーマンスを改善」
🟢「レスポンスタイムを500msから50msに改善(10倍高速化)」
変化の幅(ギャップ)を明示することで、あなたの技術がどれほどの価値を生み出したのかが、専門外の担当者にも一目で伝わります。
プロジェクト全体の話ではなく、「あなた自身が何をしたか」にフォーカスしましょう。
【記載例】
❌️「開発に参加」
🟢「設計からリリースまで一貫して担当。コードレビューも実施」
企業が知りたいのは「プロジェクトの成功」以上に「あなたの貢献範囲」です。責任の境界線を明確にすることで、入社後の活躍イメージが湧きやすくなります。
水谷はこの5つのコツを意識して執筆した結果、レジュメの完成までに合計3時間を要しました。
【水谷の選択】運営エンジニアでも完成まで「3時間」
運営としてノウハウを知っている私でさえ、ゼロから事実を掘り起こし、数値を精査して言語化する作業にはこれだけの時間がかかりました 。
しかし、一度この『5つのコツ』に沿って型を作ってしまえば、自分の経験のスケールが正しく伝わるという確信が持てました。一人で抱え込まず、AIなどのサポートツールを活用して叩き台を作ることも、効率化の重要なポイントだと感じました。
客観的な数値と固有名詞を積み上げ、自身の役割を明確に定義することが、読み手にとっての「活躍イメージ」に直結します。
分析結果を理解したあと、スムーズにアウトプットへ繋げるための4つのステップを整理しました。
まずは形式を気にせず、これまでのプロジェクトで「特に力を入れたこと」「苦労して乗り越えたこと」「自分なりに出せた成果」をすべて書き出してみましょう。まずは手元に「自分の材料」を揃えることがスタートです。
書き出したエピソードを眺めながら、前述した「キャリアビジョンの6パターン」のどれに近いか、あるいはどれを目指したいかを照らし合わせます。「自分は技術を極めたいと思っていたけれど、実はチームの課題解決に一番達成感を感じていた」といった、意外な自己発見に繋がることもあります。
選んだ型を軸にして、実際に「3年後の目標」を書いてみましょう。しっくりこなければ、別のパターンを試したり、複数を組み合わせてみてもOKです。
「自分では当たり前だと思っていたことが、他人から見れば強みだった」ということは珍しくありません。知人に相談したり、AIを活用したりして、論理的な矛盾がないか、より魅力的に伝わる表現はないかを確認し、完成度を高めていきましょう。
転職ドラフトでは転職を前提としていない方でもご利用いただける「キャリアの壁打ち」というサービスを提供しています。面談後には、あなたに合わせたキャリア戦略の要点をまとめたオリジナルの「キャリアシート」をお渡ししているので、いつでも見返せるツールとしてご活用ください。
転職ドラフトのキャリアの壁打ち|エンジニアキャリアの「生存戦略」が描ける。
水谷も当初は「自分には明確なビジョンがない」と思い込んでいましたが、Step 1と2を通じることで、意外な自己発見があったといいます。
【水谷の選択】棚卸しで見えてきた「意外な自分」
当初は「スペシャリスト」を目指すべきかと思っていましたが、過去の経験を棚卸ししてみると、実はチームの課題解決に一番の達成感を感じていたことに気づきました。
材料を書き出し、既存の型に当てはめてみることで、自分の本当の強みを客観視することができました。
まずは形式に捉われず過去を可視化することが、自分らしいキャリアビジョンを描くための最も確実な近道です。
高評価を得ているエンジニアのレジュメを分析して見えてきたのは、魔法のような特別なテクニックではなく、再現可能なパターンでした。
ただし、このパターンをなぞるだけでは不十分で、もっとも大切なのは、自分の経験を自分の言葉で語れるようになることです。
まずは「型」を知り、自分流にアレンジしていく。そのプロセス自体が、キャリアを見つめ直す良い機会になるはずです。
ぜひ、今日からレジュメの見直しに取り組んでみてください。
さっそく、転職ドラフトのレジュメを編集する▼
転職ドラフトスカウト