2025-07-22 18:00
「自分のスキルや経験は、今の市場でどれくらい評価されるんだろう?」
「もし転職するとしたら、年収は上がるのかな?」
ITエンジニアとしてはたらく多くの方が、一度はこんな疑問を抱いたことがあるのではないでしょうか。
この記事では、そんな疑問を持つすべてのITエンジニアの皆さんに向けて、転職ドラフトスカウトが独自に調査した最新データ(※)を公開します!
転職ドラフトスカウト経由で転職した方々のリアルな年収変化を、市場の動向や第三者機関の調査結果を交えながら、多角的に分析していきます。
なお、転職ドラフトスカウト経由の転職者にフォーカスを当てているため、「【2025年版】激動のITエンジニア転職市場を徹底分析!市場価値を高めるキャリアを描くには」とは数値やその捉え方が異なる点にご注意ください。
※本記事の集計データについて
前提として、2024年1月〜2024年8月の提示年収を対象とした過去調査「転職ドラフトの提示年収伸び率推定 - 提示年収はインフレに勝てているのか -」でも、転職ドラフトで転職したユーザーのほとんどの年代で年収が上がっていることがわかっていました。
今回は、期間を2017年1月から2024年12月まで広げて、年代と年収の上がり幅を調査してみました。その結果が以下の表です。
2024年に転職ドラフトスカウト経由で転職した方のうち、実に92.8%の方の年収がアップし、年収が上がった方の平均アップ額は160万円という結果になりました。
この高い年収アップ率は、国内における深刻なIT人材不足と、それに伴う人材獲得競争の激化を反映していると考えられます。経済産業省の調査では、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されており、企業は優秀なエンジニアを確保するため、競争力のある報酬を提示せざるを得ない状況です。
特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する企業にとって、即戦力となるITエンジニアの価値は非常に高く、その期待が内定年収に表れていると言えるでしょう。
(出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査(概要)」)
年代別の平均年収アップ額(※年収が上がった方のみ)では、2024年は20代が166万円ともっとも高い伸びを示しました。
2020年〜2022年は30代よりも平均年収アップ額が低い状況でしたが、2023年以降30代を上回っている背景として、企業のDX化促進等のIT需要に対するIT人材不足により、最新技術への適応力が高い若手層のポテンシャルを企業が高く評価していることが示唆されます。また、現年収の低さ等の要因から、他の年代と比較して相対的に年収が上がりやすい可能性があります。
情報処理推進機構(IPA)の調査でも企業のIT人材に対する不足感は依然として高く、特に新しい技術領域では若手への期待が年収に反映されやすい状況です。
一方で40代のアップ額が相対的に低い水準に見えますが、これは豊富な経験を持つ層が年収以外の要素(役職、裁量権、働きやすさなど)を重視したキャリアを選択するケースも含まれるためと考えられます。
前記した提示年収の伸び率推定でも、30代前半までは年収の伸び率が高まる一方で、その後の年代では年収の伸び率は下降傾向にあるとわかっており、同様の傾向といえそうです。
(出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX白書2023」)
2024年の転職実績では、「機械学習エンジニア」が平均185万円増と、他の職種を大きく引き離してトップとなりました。
1位の「機械学習エンジニア」の突出した年収アップ額は、生成AIの急速な普及を背景に、AI関連の高度専門人材に対する獲得競争が極めて激化していることを表しています。
「【2023年版】転職ドラフトスカウトで転職したITエンジニアの年収はどのくらい上がるのか?」という過去記事では、もっとも年収アップ額中央値の高い職種は「ネットワーク(156万円)」、次点で「バックエンド」「インフラ」「データ分析」「フロントエンド」「QA」(どれも140万円)であり、機械学習エンジニアの年収アップ額は7位(131万円)でしたが、多くの企業がAIを事業戦略の中核に据える中で、その開発を担う機械学習エンジニアの価値が急騰していると言えるでしょう。
2位以下にはバックエンド、インフラ、フロントエンドといったWeb開発の基盤を支える職種が僅差でランクインしており、安定したサービス提供に不可欠なエンジニアへの高い需要も継続していることがうかがえます。
保有する技術スキル別では、Webサービスで豊富な採用実績を持つ「Ruby」が平均165万円増で1位となりました。
1位の「Ruby」は、Ruby on Railsフレームワークを中心に、多くの成功したWebサービスで採用実績があります。その保守・拡張を担える経験豊富なエンジニアの価値が再評価されていると考えられます。
一方で、Rubyと3位の「Kotlin」は平均と中央値の差が大きいことから、同言語での開発スキル以外の要素で年収に差が出ていると言えるのではないでしょうか。
また、「C++」が2位となりました。「【2025年版】激動のITエンジニア転職市場を徹底分析!市場価値を高めるキャリアを描くには」の「プログラミング言語経験ごとの平均提示年収」という過去記事の見解と同様、習得難易度の高い言語であることが、高い年収アップ額の背景として考えられます。
4位の「Python」や5位の「BigQuery」は、AI開発やデータ分析基盤の中核をなす技術であり、データ駆動型ビジネスの重要性が増す中で、これらのスキルを持つ人材の市場価値が高まっていることを示しています。
今回の調査から、ITエンジニアの転職市場が活況であること、また、特にAI関連の専門性や、企業の事業基盤を支えるための技術力を持つエンジニアが企業から高く評価されていることが明らかになりました。
転職ドラフトスカウトは、企業がレジュメ(経験やスキル)を見て、年収付きで指名を送るサービスです。選考に参加する前に、企業からの客観的な評価や提示年収を知ることができます。
「今の経験の市場価値を知りたい」という方がいましたら、まずはレジュメを登録して、市場価値を確かめてみてくださいね。
また、もし市場価値を高めるためのキャリアロードマップを相談したいという方は、ぜひ転職ドラフトエージェントの「転ドラの壁打ち」をご利用ください!