「転職ドラフトエージェント」は、ITエンジニアに特化した転職エージェントサービス。職種特化型ならではの専門性と現年収非公開で選考を受けられることが特徴です。
2022年にサービスを開始し、企業から年収付きの指名が届く「転職ドラフトスカウト」で培ったノウハウを活かして、エンジニアのキャリア選択のサポートを行っています。
今回は、とくに若手求職者の支援に豊富な経験を持つアドバイザーが登場。実務経験が浅くても、企業側に思いが届きやすいアピールの仕方、キャリアプランを立てる際の導き方など、若手のサポートに欠かせないポイントを語ります。
株式会社リブセンス
転職ドラフト事業部 Tech Agentグループ キャリアアドバイザー
卜部(うらべ) 昌紀
眼鏡の販売職、ネットワークエンジニアを経て、2017年から人材業界へ。主にITエンジニア職を対象にキャリアアドバイザーとして経験を積むかたわら、求人サイトや人材紹介事業の立ち上げなど、事業開発も手がける。2024年12月、リブセンスに入社。
ーーITエンジニアのキャリア支援を長年続けていますね。
卜部:キャリアアドバイザー歴は8年で、天職だと思っています。お人柄もご経歴もさまざまな求職者の皆さんとのコミュニケーションを重ね、各自の強みを見出していくプロセスが好きなんです。私は子どものころから、人の思いには敏感なタイプなんですね。そんな感性を活かせる仕事に出会えたと感じています。
アドバイザー職にたどり着くまでは、回り道もしました。アメリカの大学を卒業した後、まず「英語を活かした仕事がしたい」と思い、海外進出を進めていた会社の販売職に就きました。その後、販売職の反動だったのか、「手に職を付けたい」と考え、短期間ですがネットワークエンジニアとして働いた経験もあります。
ーーエンジニア時代の経験は、いまの仕事に役立っていますか?
卜部:変化の速い業界ですから、当時の知識が役立つ場面はほぼないですね、残念ながら……。ただ、自分の適性ややりたいことが見えないまま、キャリアを模索した経験は、とくに若手の求職者の皆さんと接する際に、プラスになっていると感じます。
私は、エンジニア職には合わなかったんです。当時、キャリアアドバイザーから「コミュニケーション能力はエンジニア職でも活かせますよ」とすすめられたのですが、エンジニアにとってのコミュニケーション能力は、あくまでサブ的な要素ですよね。結局、再度、方向転換することになりました。
とくに社会人経験の浅い時期は、自分が何が好きで、どんな仕事に向いているのか、はっきりつかめないことも多いですよね。それで私はいま、アドバイザーとして求職者の皆さんのお話を伺う際、少し引いた視点を保つよう心がけています。たとえば、「私はコミュニケーションが苦手で……」とおっしゃる方のお話がとても分かりやすく、「苦手じゃないのでは?」と感じるようなこともよくあるんです。
ーー人から見ればむしろ強みなのに、本人は苦手意識を持ってしまっている?
卜部:コミュニケーションが得意というと、うまい言い回しで即座に切り返せるとか、初対面ですぐ場を盛り上げられるといったタイプを思い浮かべる人も多いようですが、理路整然と話ができることだって大事ですよね。「結論から話され、筋も通っていて、伝わりやすいと思いますよ」とお話しして納得され、顧客折衝が必要なポジションを視野に入れたキャリアプランを立てられた方もいます。
ーー自分の強みをよく知ることで、キャリアプランも変わってくるのですね。
卜部:逆に本当はあまり好きではないのに、「この方が受けがよさそうだから」と、本音と違う発言をされる方もいます。将来に関して、「『マネージャーを目指したい』と言わないと、成長意欲が低く見られるんじゃないか」とか。よくよく聞いてみると、「実は、むしろ技術面でメンバーをサポートしていく方が好き」という答えが返ってきたりします。
私は面談中、何か引っかかる点があったときは流さずに、「いま○○とおっしゃいましたが、□□というほうが近いような気もします。いかがですか?」などと投げかけてみます。そこから会話のキャッチボールをするなかで、「気づかなかったけれど、確かにそうとらえたほうがしっくり来るな」と感じていただけるような発見があればいいなと。企業に対して、自分を単に「よく見せる」のではなく、より深い思いを伝えるお手伝いすることで、価値のある転職をサポートしたいと思っています。
ーー卜部さんはとくに若手の求職者様を数多く支援してきたそうですね。
卜部:前職で「社会のエンジニア不足の解消に貢献する事業を」という方針のもと、エンジニア未経験もしくは経験年数の浅い方を対象にした人材紹介を手がけていました。一定の経験値のある方と異なり、分かりやすい武器がないだけに、それぞれの方のポテンシャルをどうアピールできるか、戦略的に取り組んできました。
これまで支援した方のなかには、資格取得に向けた勉強から始めたり、自己学習を進めながら、徐々に活動を本格化させたりと、長期戦で結果につなげた事例もあります。エンジニア経験半年だった方に対して、「いまの職場でまだ頑張れるなら、もう少し経験を積んでからの方が選択肢は広がりますよ」とお伝えしたこともありました。少ない選択肢から次の職場を決め、また相性がよくないようなことがあれば、後々のキャリアにも影響してしまいますよね。
ーーその方は、その後どうなったのですか?
卜部:いったん現職に残る選択をされた後、しばらくして私の方が転職してしまったのですが……実は私がリブセンスに来てから、最初に入社までご支援したのがその方なんです。私の名前を覚えていてくださり、いまはリブセンスにいることを探し当てて連絡をくださって。
転職活動を再開した時点でも、まだ経験年数は1年半ほどだったので、まずはキャリアプランをしっかり立てることに力を入れました。そもそも技術志向なのか、マネジメント志向なのか。技術志向のなかでも純粋にテクニカルに尖っていくのか、ビジネスサイドの経験も積みたいのか。関わる工程に関しても、コーディングをメインにし続けたいのか、要件定義など少し上流寄りに行きたいのか。一つひとつ問いかけながら、希望を整理していきました。
面接後には、実際の質問と回答をご本人から聞き、「次回はこんな表現の方が説得力が出るのでは」などとチューニングしたりもしましたね。
彼はいま、転職先で新たな言語にチャレンジし、希望どおりにコーディングを軸足を置きつつ、上流工程に関わる機会も増えているようです。先日メールを頂き、充実している様子が伝わってきて、私もうれしかったですね。
ーー若手の求職者の方は、転職活動の経験値も少ないだけに、相性のいいアドバイザーに出会えるかどうかは大切ですね。
卜部:慣れない転職活動にストレスを感じる場面も多いでしょうし、とくにコミュニケーションに苦手意識のある方は不安も大きいと思います。ただ、私はいつもお話ししているのですが、転職活動って企業から「評価される」機会というより、お互いの「すり合わせ」の場なんですよ。書類選考や面接のたびに合否が出るとはいえ、内定後に承諾するかどうかを決めるのは求職者ですよね。企業側が先に判断するというだけで、関係性は対等なんです。
面接でどんな話し方をすればよいのか、細かく心配される方もいますが、これも「入社後は先輩や上長になる方ですから、そんなに警戒しなくていいですよ」と。若手の方は、つい「対戦」するような気持ちになってしまいがちなんですね。
ーー話が苦手な方は、初対面の相手というだけで緊張してしまうかと……。
卜部:緊張するのは自然なことですから、それで印象が悪くなることはないかと思います。それよりもったいないのは、面接での失敗体験が積み重なり、コミュニケーション自体に後ろ向きになってしまうことですね。
なかには、アドバイザーとの初回面談の時点から、本音を見せない方もいます。「こんなことを言うと、評価が下がるのでは」という心配で頭がいっぱいになってしまうのでしょうね。でも、どんな人にも苦手なこともあれば得意なこともあり、企業側の評価の軸も一つではありません。合否にしても相性の問題で、絶対評価ではないんです。
アドバイザーとしての私の役割は、その方のキャラクターや経験値に合った武器を見極め、効果的な繰り出し方を考えること。そのためには、まずはご本人から本音で話していただくことが大前提です。だから、転職理由や志望に関して不自然さを感じたとき、私はあえて「それって本当ですか?」と切り込むこともあります。
ーー言われた方はビクッとするでしょうね(笑)
卜部:でも、ご本人が自分に向き合わない限り、いい転職にはならないですからね。「私はあなたに最適な武器を見つけたいんです。企業側の担当者にしても、入社後にお互い不幸になる選択をしてほしくないと思っているんです。そのための質問なんですよ」と。
そこから本音が出るようになり、選考もスムーズになった方もいます。「こう答えなければ」と硬くなっていた時期と比べると、どんどん明るくなり、自信を付けられ、無事内定も出て。希望どおりの業務内容、かつ待遇面でも希望以上の形での転職が決まりました。
きっと心のなかで、転職活動そのものに対する壁ができてしまっていたのでしょうね。勇気を出して立ち向かっていただけて、本当によかったです。
ーー最後に、理想のキャリアを模索中のITエンジニアの皆さんに向けて、メッセージをお願いします。
卜部:人材紹介と聞くと、転職を無理やりすすめられるイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。私自身、自分がアドバイザーになる前はそんな印象を持っていたので、不安な気持ちもよく分かるのですが……。
私は自分が人材紹介を利用した際、結果的に転職先に合わなかった経験があるだけに、「この方のキャリアにとって、本当にプラスになる選択とは」と考え抜くことを自分に課してきました。転職ドラフトエージェントには、私と同じ思いを持つアドバイザーがそろっています。どんなキャリアを築きたいのか、そのためにはどんなタイミングでどう動くべきなのか。今の環境でできることは何か。ご一緒に戦略を考えられる場です。
私にとってキャリアアドバイザーは、毎回異なるニーズに向き合うからこそ新鮮な学びがあり、人が人を支援する奥深さも感じられる仕事です。ここまで読んで、転職ドラフトエージェントに興味をお持ちくださった方、ご相談のみでも大歓迎です! お気軽にご連絡ください。
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