転職ドラフトはファーストコンタクトで年収付きの指名が届き、その指名を元にユーザーが面談に進むかを決定する仕組みです。そのため、「指名時の提示年収が高くないと承諾されないのでは?」と心配する企業の声もよく聞かれます。
そこで今回、通常の転職ドラフト開催回の平均提示年収と、指名承諾や採用との関係を調査してみました。
平均提示年収は開催回ごとに各ユーザーの提示年収を平均したもので、その時点での各ユーザーの市場価値と考えられます。
市場価値を知ったユーザーは、その後どう行動するのか?
提示年収が市場価値よりも低いとき、本当に承諾されないのか?
提示年収が指名承諾や採用とどう関係しているか、実際のデータを元にみていきましょう。
指名承諾提示年収と平均提示年収との差分ごとの指名承諾件数
まずは、該当の承諾指名件数が全体指名承諾数に占める比率をみてみましょう。
たとえば、指名承諾した提示年収がその人の平均提示年収と同一の指名は全指名のうち10.1%、0〜25万円高い指名は全指名のうち21.2%であることを表しています。
およそ3/4が平均プラスマイナス50万円に集中しており、ほぼ市場価値と同額で指名承諾されていることがわかります。
全体を見ると、平均提示年収よりも高い提示年収の指名が多く承諾されていますが、平均提示年収より高くないと指名承諾されないわけではないようです。
しかし、平均提示年収より著しく低い場合は、承諾されるケースは少なくなります。
指名承諾提示年収と平均提示年収との差分ごとの指名承諾率
続いて、指名承諾率についてもみていきましょう。
提示年収が平均より高くなるほど、指名承諾率が高くなる傾向があることがわかります。
予想通りといえばその通りですが、指名承諾のされやすさは提示年収だけで決まってしまうのでしょうか?
指名内容に対する評価項目ごとの指名承諾率
転職ドラフトでは、ユーザーが指名内容についてどう感じたかをアンケート調査しています。
以下のグラフは、その回答別の指名承諾率を示しています。
データからもわかるように、指名内容が好印象だと承諾率がとても高く、逆に印象が悪いと指名承諾率も低下しています。
特に「この会社の魅力が伝わってきた」、「高く評価されていると感じた」、「簡潔かつ明確で要点がわかりやすかった」の3つは指名承諾率に影響しています。これらは、提示年収に換算すると60〜70万円程度の年収アップと同程度の指名承諾率です。
指名承諾率と指名内容の関連性はとても強く、指名時の提示年収が平均より低くても、好印象の指名内容であれば、提示年収の低さを逆転できることがわかります。
提示年収が低くても承諾されている指名は、こういった印象要因が大きく関わっているのでしょう。
そのため、承諾率を上げるためには、レジュメをよく読んでユーザーに合わせた適切な指名をするのが大事だと言えます。
また、指名内容ほどではないものの、指名が早いと承諾されやすいこともわかっています。
提示年収だけで指名承諾されるかが決まってしまうほど、単純な話ではないようです。
指名承諾提示年収と平均提示年収との差分ごとの採用率
最後に、採用率への影響についても調べてみました。
指名承諾提示年収と平均提示年収の差が0のときの採用率を基準として、基準との差分を示しています。 例えば、指名承諾提示年収との差が0のときの採用率が10%、0〜25万円のときの採用率が15%ならば0〜25万円のところは5%となっています。
差分金額が大きくなるほどデータが少なく誤差が大きいため、採用率を見ると100万円〜200万円では高く-200万円〜-100万円で低くなっていますが、-100万円〜100万円の間では採用率に大きな違いはありません。提示年収が平均より高いか低いかは採用率にあまり関係ないことがわかります。
企業は自社基準に見合った年収を提示し、ユーザーは満足のいく金額のときに承諾しています。 つまり、指名承諾の時点で双方が年収金額に同意しているので、提示年収が採用率に影響しにくくなっていると考えられます。
「転職ドラフトの年収が高いのは見せかけで採用されるときの年収は低いのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、実際には市場評価とほぼ同じです。 採用では、指名時の提示年収は有利にも不利にもならないでしょう。
まとめ
今回は提示年収が各ユーザーの平均より高いあるいは低いときに指名承諾率や採用率がどうなるかを調べました。
結果として以下のようなことがわかりました。
- 提示年収を高くするほど承諾率は高くなる
- 指名内容の評価が高いと承諾率は大幅に高くなる
- 指名承諾後の採用率には提示年収はほとんど影響しない
ユーザーは指名内容から、レジュメをしっかり読んで自分のことを理解してもらえているか、その会社で自分が活躍できそうか、魅力的な会社か、などを考えて指名承諾しています。 そのため、提示年収よりも指名内容の評価のほうが承諾率に影響する傾向にあります。指名承諾率を向上させるためには、レジュメをよく読んで適切な内容の指名をすることが大事だと言えます。
転職ドラフトは年収を先に提示するのが特長のサービスなので、年収で採否が決まってしまうイメージをもたれがちですが、実際には異なることをご理解いただけたらうれしいです。
より詳細な分析内容は下記記事をご覧ください。
https://made.livesense.co.jp/entry/2024/11/18/083000