以前【検証】転職ドラフトを使うとエンジニアの年収はどのくらい上がるのか?というレポートをしましたが、全体的にどのような結果がでているか気になりますよね。
そこで、今回は直近2019年から2021年までの転職ドラフトの各種データから、スキル別指名率と指名年収やエンジニア採用担当者が見ているポイントについてまとめてみます。
一つの傾向として、キャリア選択の参考になれば嬉しいです。
【目次】
2021年、スキル別指名率と指名年収を公開
保有スキルトレンド
希望年収と指名率に関係はあるか
企業の採用担当者はどこを見ているのか
どういうエンジニアになりたいか
まとめ
最後に
2021年、スキル別指名率と指名年収を公開
転職ドラフトは、レジュメを登録すると企業から年収付きで指名が届く、エンジニア向けの転職サービスです。
直近2019年から2021年までの転職ドラフトにおける指名年収の分布の内訳を見てみると、約8割の方が指名年収500万円から800万円の間でオファーを受けていることがわかります。
ここでさらに気になるのは、実際のところどういったスキルを持ったユーザーがいて、どれくらいの年収で指名されているのかです。
企業目線で考えても、自社で使われているスキルを習得している人を欲しいと思うのは自然ですので、指名に影響が出てきそうです。
それでは実際に見てみましょう。
2019年7月から2021年6月の期間を対象として、企業から指名をもらったユーザーのスキル別指名率と指名年収(縦軸:指名率、横軸:平均指名年収、複数選択あり、総合計2808名)を表しています。
参考として、2016年から2019年6月を対象としたデータも確認してみます。
上記データを見比べてみると、2019年以降、Railsへの提示年収が高まってきていることがみてとれます。その他、AWS等クラウドサービスへの提示年収が高くなっており、ニーズの高まりがうかがえます。
また2019年以降、フロントエンドよりのスキルでNode.jsやVuexを求める企業が登場し、指名されている人が増えています。一方で、参加企業の変化により、2016年から2019年対比で直近C#,C++へのニーズが弱まってきていることがわかります。
保有スキルトレンド
続けて、指名を受けたユーザーの保有スキルの推移も見てみましょう。指名を受けているユーザーの保有スキルはどのように移り変わっているのでしょうか。
今回はちょっと期間を広げて、2016年から2020年までをまとめて見ていきます。
縦軸は転職ドラフトで指名を受けたユーザー割合、横軸は年になります。
確認してみると、2018年からTypeScript、Dockerや、機械学習のニーズ向上によりPythonを保有するユーザーが増加していることがわかります。また、オンプレからクラウドに移行する企業が増えているため、AWSも企業の採用ニーズに伴って増えていることがわかります。
希望年収と指名率に関係はあるか
ここで見方をちょっと変えて、希望年収の記載についても見てみましょう。
転職ドラフトでは希望年収を書かずに、指名を受けることも可能です。
以前、提示年収非公開回を開催した結果についてレポートしましたが、希望年収の記載の有無で指名率に変化はあるのでしょうか。
記入の有無 | 該当数 | 指名数 | 指名率 |
---|---|---|---|
記入なし | 1,165 | 912 | 78.28% |
記入あり | 1,649 | 1,350 | 81.87% |
データを確認すると、指名率には大きな差はないことがわかります。
これであれば、希望年収はあまり思いつかないが自分の実力はどう評価されるのか気軽に確認してみたいという方も安心できます。
続けて気になるのが、希望年収を書いた場合の指名年収との差です。
やはり高めに書きすぎると希望年収より下がってしまうのか、むしろ書かないほうがいいのではないかなど脳内で心理戦が生じる瞬間でもあります。
では実際のところどうなのでしょうか。
希望年収との差 | 指名数 | 割合 |
---|---|---|
希望年収より高い | 997 | 56% |
希望年収より低い | 772 | 44% |
こうしてみると、全体として指名年収は希望年収近辺が一番多く、均等に分散していることがみてとれます。もちろん、実力ベースでの指名年収の提示なので、高く希望しすぎると下がってしまうこともありますが、ぜひご自身で体験してみてください。
転職ドラフトでは、現年収を企業に伝えなくていいので、実力に見合った正当な評価を受けやすいという特徴があります。
実際どれくらい年収がアップするのかについて気になる方は、こちらの記事もご覧になってみてください。こちらでは、60%以上の内定者は100万円以上、約20%の内定者は200万円以上の年収アップに成功したことについてまとめています。
【検証】ドラフトを使うとITエンジニアの年収はどのくらい上がるのか?
転職ドラフトを実際に活用した体験談も、併せて参考にしていただければと思います。新卒1年目でも転職ドラフトをうまく活用している事例もあるので、ご自身のキャリア選択の中でご利用いただければ嬉しいです。
転職ドラフト体験談〜よくある疑問を解決しよう〜【2021年版】
続いて、企業の採用担当者の検索動向についても探ってみたいと思います。
企業の採用担当者はどこを見ているのか
企業が検索している主なキーワードをピックアップしてみました。なお、割合に関しては他のキーワードも含めた値になります。
キーワード | 検索数 | 割合 |
---|---|---|
転職意欲 | 9,838 | 11.62% |
技術タグ | 9,106 | 10.75% |
希望職種 | 7,464 | 8.81% |
フリーワード | 7,159 | 8.45% |
希望勤務地 | 6,401 | 7.56% |
ここから、とくに転職意欲とスキルに注目していることがわかります。
これは、コロナ下で転職意欲が高く、スキルを有するエンジニアを優先して求めていると考えられます。
そのほか、希望職種を検索しています。ここには採用時のポジションのミスマッチを防ぎたいという思いがみてとれます。
続いて、企業あたりのレジュメ閲覧数(重複は1カウント)も見てみましょう。
こうしてみると、2021年からレジュメの閲覧数が増えていることがわかります。
増加している要因として、ユーザーと企業の利用数が増えていたり、マッチングエンジンの実装影響などもありますが、コロナ下でのDX化などからエンジニア採用意欲が高まっていることも推察できます。
とくにレジュメはキーワードだけではわからない部分を確認できる場でもあるので、一件一件確認して、自社にマッチしたエンジニアを採用したいという企業が増えているとも言えます。
続いて、レジュメの内容について指名数とどのように関係があるか確認してみようと思います。
どういうエンジニアになりたいか
「野望」欄はプロフィールのすぐ下に表示され、ユーザーページのファーストビューに入ってくる内容です。参加者の個性が非常に強く出るところですが、こちらの記載内容と指名には関係があるのでしょうか。
今回は野望の頻出語と指名数の関係を調べてみました。
確認してみると、とくに「年収を上げたい」よりも、「どういったエンジニアになりたいか、サービスを作ることに興味がある、開発系の指向性」が指名されやすい傾向にあるようです。
ぜひ野望を記載する際は、自身の思い描くエンジニア像やどういった開発を行っていきたいか具体的に自分の言葉で記載していきましょう。
そのほかレジュメをこれからはじめて書く方や、ブラッシュアップしたいという方は以下の記事を参考にしてみてください。
また、一度レビューを受けて審査を通過した方でも、再レビューで指名率を上げることができます。こちらについては以下をご覧ください。
審査を通過した方でもフィードバックを受けられる、再レビュー機能をリリースしました
まとめ
今回の調査を簡単にまとめると
- AWSなどのクラウドサービスへのニーズ増加傾向
- TypeScript、Dockerや、機械学習のニーズ向上によりPythonを保有するユーザーが増加
- 希望年収を記載時の指名年収は、全体として希望年収近辺が一番多い
という結果でした。
加えて、企業の動向としては
- 転職意欲とスキルに着目して検索する企業の増加
- レジュメの閲覧数が増加
- どういったエンジニアになりたいかなどのエンジニア像のマッチングに注目
という結果でした。
とくにコロナ下で転職意欲が高く、スキルを持ち合わせているだけでなく、自社にマッチしたエンジニアを採用したいという企業が増加していると考えられます。
最後に
いかがだったでしょうか。
納得の行く部分や意外な部分もあったのではないでしょうか。
転職ドラフトへの参加は、経験年数などの制限がない代わりに、一定以上のスキルや経験をお持ちの方に限らせていただいています。
審査の通過は厳しいところがありますが、何度もブラッシュアップしたレジュメは、通過率を上げるだけでなく、そのほかの自己PRの際にも活用できます。
今回はあくまでデータのまとめでしたが、自分だったらどのように評価が得られるのか、他のユーザーはどのくらいの指名を受けているか、転職ドラフトに参加してご自身の目で確認してみませんか。