「Claude Codeを使っています」では評価されない。AI時代に差がつく!"評価される表現"へ変える言語化の技術

2026-09-14 14:00

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2026年8月31日、転職ドラフトはオンラインイベント「AI活用実績は転職・社内評価でどう伝える? 〜転職ドラフトのデータで学ぶ言語化の技術〜」を開催しました。

AIを使いこなすエンジニアが重宝される一方で、「Claude Codeを使っています」とアピールするだけでは、評価を伸ばしきれないのが現状です。

この記事では、直近半年間でAI時代の転職活動を経験したWebエンジニアの河村直樹(Wonder)さんをゲストに招き、転職ドラフトのキャリアアドバイザー・ト部昌紀が実際のレジュメデータをもとに「評価される言語化」のポイントを解説したイベントのダイジェストをお届けします。

イベント概要・アーカイブ動画はこちら▼
https://job-draft.jp/events/ai-resume-2026

登壇者情報
株式会社アイスタイル 河村 直樹(Wonder)氏
2020年に製造業からエンジニアへ転職。 3年半ほどSESで働いた後に、転職事業のスタートアップにて2人目エンジニアとして2年半勤務。 半年の無職期間を挟み、現在はフロントエンドをメインとしたWebエンジニアとして活躍中。

転職ドラフト キャリアアドバイザー 卜部 昌紀
販売員→ITエンジニア→現ITエンジニア専門キャリアアドバイザー。IT系を中心に3つの人材事業の立ち上げに参画し、2024年から転職ドラフトのキャリアアドバイザーへ。 一人ひとりのエンジニアの特性を活かしたキャリア戦略の立案や面接対策が持ち味。

イベントの全体像に関するまとめ

イベント全体を通して何度も語られたのは、評価軸が「アウトプット」から「アウトカム」へ移行しているという事実です。

AIを使えばコードやドキュメントを容易に生成できる今、「何を作ったか」は差別化の要因になりにくくなっています。代わりに問われているのは、「それによって何がどう変わったか」というインパクトであり、その変化を的確に伝える唯一の手段が「言語化」です。

これは3つのセッションすべてに共通する重要なメッセージでした。

とくに興味深かったのは、河村氏の実体験と転職ドラフトのデータが、まったく別のアプローチでありながら同じ結論にたどり着いていたことです。「課題→ 取り組み → 成果」という思考のプロセスを、主観に頼らず客観的な事実として書き切れるかどうかが、評価の分かれ道になっていることが浮き彫りになりました。

株式会社アイスタイル 河村直樹「体験談から伝える!AIによって変わってしまった転職事情」

転職の現場で、実際に起きていたこと

河村さんはまず、自身が今年3月から5月にかけて行った転職活動のなかで直面した「AI関連の事象」について、選考内容の変化と市場の厳しさの両面から振り返りました。
選考では、AIの使い方そのものが問われるようになっていました。 「どんなツールを使っていますか」「プライベートでも使っていますか」「AIを使うとき何を気をつけていますか」といった、1〜2年前には聞かれなかった質問が、どの企業の面接でも定番化していたと語ります。

さらに、技術試験ではプロンプトそのものが評価されるケースも出てきました。提出したコードだけでなく、投げたプロンプトも後から見られていたといいます。

「『どういう意図でこういうプロンプトを投げたんですか』だったり、『ここの書き方、いいですね』というコード以外の評価があったのが、ちょっと新鮮でした」(河村さん)

同時に、選考プロセスにおける新たな難しさも生じていました。一次面接がAIインタビュアーとの1対1で行われたケースでは、感情や相槌、表情の変化がないためテンポが掴みづらく、やりにくさを感じたそうです。加えて、ジュニア・ミドル層向けの求人が減少し、選考の途中で採用要件が変わって募集終了になってしまうなど、市場全体の厳しさも増していました。

変わったこと:アウトプットからアウトカムへ

こうした実体験から導き出された結論が、「アウトプットからアウトカムへ」です。

過去のようにコードを書いているだけで評価された時代は終わり、いまやコードも技術記事もAIですぐ生成できてしまう。だからこそ何を作ったかではなく、それでどうなったかが評価される、と河村さんは語ります。

変わらなかったこと:そしてAIは追い風でもある

一方で、「変わらなかったこと」についても多くの時間が割かれました。それは、「〇〇がやりたい」という単純なアピールは昔から評価されにくいという事実です。

以前は「Goがやりたい」「TypeScriptがやりたい」だったものが、今は「AI開発がやりたい」に変わっただけであり、見栄えの良い技術ワードを並べて短期間の開発を繰り返すいわゆる「履歴書駆動開発」は、AI登場以前から高く評価されてきませんでした。職務経歴書をベースにした深掘り質問や、定量・定性の評価軸自体は今も変わっていません。

そのうえで、河村氏はAIの影響をポジティブに捉え直しています。

「むしろ、AIのおかげで評価を得やすくなったなというポジションでいます」(河村さん)

「AI推進」という大義名分があるため、手を挙げれば旗振り役としてリーダーシップを取れる。全社導入ならスケールメリットのあるコスト削減ができ、改善効果という成果も上げやすい

つまり、定性面と定量面の両方で同時に成果をアピールしやすい環境が整っているのです。

言語化の3つのチェックポイント

ここで、河村氏が実践した言語化のコツが紹介されました。

①「なぜ」を深掘る。
転職理由が曖昧だと面接を通過しにくく、仮に採用されたとしても短期離職につながるリスクがあります。書類作成時にも「なぜこの成果が出せたのか」を深掘りし、「どのように計測して課題を発見し、どう改善して、どんな成果が出たのか」がはっきりと伝わる文章に落とし込んだそうです。

②主語を省略せず、断定する。
「あれ」「それ」といった曖昧な表現を多用すると、主語がぼやけがちになりがちです。

「『AIを使った開発プロジェクトがしたいです』——何のAIを使って、どんな開発をして、最終的に何をやりたいんですか、というところがこの文章だと見えない」(河村さん)

また、すでに断定されている情報を「〜と思います」と曖昧に伝えてしまうのも、伝わってほしい情報が違う形で伝わる原因になります。

③主観的な文章から、客観的な文章へ。
主観は感想、客観は事実。
例に挙げられたのは「この部屋は寒いです」と「この部屋は20℃です」の対比です。「寒い」は感じ方が人によって変わりますが、「20℃」なら誰でも同じ事実を確認できる。その共通の判断基準が評価につながります。
さらに河村さんは、言語化は自己理解を深めたり相手に正確に伝えたりするだけでなく、AIへのプロンプト指示にもそのまま転用できる重要なスキルであると補足しました。

コミュニティに転職活動をオープンにする

河村さんの転職活動でユニークだったのが、コミュニティに転職活動をオープンにしていたことです。週1回Discordで応募状況を画面共有しながら相談し、第三者視点のフィードバックを受け続けました。

これにより、「自分の中では前提となっている情報が抜け落ちており、簡潔に説明しすぎていた」といった、本番の面接なら見送りになってしまうようなミスを事前に潰すことができたそうです。

結果は応募48社・書類落ち24社・最終5社・内定1社。
言語化を意識する前は書類選考でかなり落ちており、「苦しかった」と振り返りました。

転職ドラフトキャリアアドバイザー 卜部昌紀「転職ドラフトのデータで紐解く、AI時代における思考プロセスの重要性」

続いて、ト部が転職ドラフトスカウトのデータをもとに、「言語化」と「評価」の相関関係について分析結果を共有しました。

記載量が、2倍以上の指名数の差につながっていた

分析対象は1プロジェクトあたりの平均記載文字数。平均以上をグループA、平均未満をグループBに分けて比較しました。

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記載量が多いグループAは約2倍の指名を獲得。一方グループBは中央値0件、つまり指名が1件も届いていない方も一定数いました。
ここで注目すべきは、両グループ間で現年収・希望年収(現年収の中央値はともに600万円程度)にほとんど差がなかったことです。このデータから、純粋なスキルの差ではなく、「言語化して適切にアピールできているかどうか」が指名獲得数に直結している可能性が高いとト部は分析しました。

差分は「何をしたか」+「どう解決したか」

レジュメ審査を担当する視点からト部が指摘した最大の差分は、「この実装をやりました」の前後に課題・工夫した点・成果の3点が書かれているかどうかでした。

「実装自体はAIで代替できつつある時代だからこそ、課題に対してどのようにアプローチし、どう解決に導いたのかが明確に伝わると、企業側も評価しやすい」(卜部)

またキーワード分析においても、グループAのレジュメには「改善」「コスト」「工数」といった言葉が多く含まれる傾向が見られました。実装業務そのものに終始せず、課題の定量的インパクトやチーム全体への貢献といった、より高い視座を持っていることが読み取れます。
最後に、評価されるレジュメの条件として、卜部は次の5つのポイントを挙げました。

  1. 記載内容が充実している(文字数が多い)
  2. 「何をしたか」+「どう解決したか」まで書かれている
  3. グループ・チーム単位以上の視座がある
  4. マークダウンや箇条書きで見やすくまとまっている
  5. 「課題」「取り組み」「成果」に筋が通っている

これら5つのポイントは、次のセッションでも活用されますので、ぜひ覚えておいてください。

※上記のデータは特定抽出基準による傾向であり、個別転職内定や提示年収・指名獲得数を保証するもでありません。また、プロジェクト文字数やキーワード指名数と相関を示したものであり、直接的な因果関係を示すものではありません。
1.対象データ
● 抽出元:「転職ドラフトスカウト」データベース
● 対象者:「東京勤務」を希望しているユーザー
※補⾜:地域差による年収のブレを軽減し、分析精度を⾼めるために東京希望に限定‧平準化しています。
2.対象期間
● 経歴データ:2023年1⽉1⽇以降の職務経歴を対象
● 抽出基準⽇:2026年8⽉26⽇時点の最新数値

【Before➔After】Wonder氏の職務経歴書を『評価される表現』に変える!

3つ目のセッションでは、河村さんが実際に使った職務経歴書を題材に、卜部がレジュメ審査担当者の視点でブラッシュアップを実演しました。

Before:すでに良かった2点

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修正前の時点でも優れていた点として、まず「他部署(営業やCS、事務部門)との連携」が明記されていたことが挙げられました。自身のタスクを淡々とこなしただけでなく、会社や事業部にどのような影響を与えたかが書かれていると、評価は大きく上がります。
そして、もうひとつは「1人あたり月20〜30時間の削減」という定量的な成果が記載されており、プロジェクトのインパクトが一目で伝わる点でした。

After:加えるべきは「思考プロセス」

①開発体制・使用技術の記載を揃える。
今回は河村さんの職務経歴書の中から1つのプロジェクトをピックアップしてブラッシュアップを行いました。実は、他のプロジェクトには、開発体制や使用技術の記載が明確にあったのですが、こちらのプロジェクトではそれらの記載が不十分でした。
経歴書全体で記載形式を統一し、チーム規模が正しく伝わるようにすることで、個人の成果もより際立ちます。

②プロジェクトの起点となった「課題」を書く。
成果から逆算すれば、事務作業の工数が重くなっていたという起点があったはずです。
そんな卜部の指摘に、河村さんは「やり取りしている中で『この人、同じことをやってる回数が多いな』と見つけて、そこから始まっていた。それは記載してなかった」と振り返りました。

③取り組み・工夫した点、試行錯誤を書く。
河村さんの場合は技術選定が該当し、決めるための情報を揃えるのに時間をかけたといいます。

「選択肢がいくつかあって、その判断基準もあったと思うんですよね。メリット・デメリットがあった上で、今回はこれを重視してこっちにしました。そういう思考プロセスを書いていただいてもよいかと」(卜部)

このように、プロジェクトの起点(課題)とそこに至るまでの思考プロセスを加えることで、「月20〜30時間の削減」という数字の説得力がさらに増す。
これが、このセッションの最大のハイライトでした。

ただし、すべてのプロジェクトを同じ熱量で書くと長くなりすぎるため、直近の経歴や特にアピールしたい実績は濃く書き、3年以上前のものや材料が弱いものは簡潔にまとめるといった「濃淡」をつけることも大切だと補足しました。

ブラッシュアップがもたらす効果

職務経歴書のブラッシュアップは、やっておいて損ということはまずありません。

まず「自分の経験をしっかり伝えよう」という意欲そのものが好印象につながります。そして何より、情報不足によるもったいないお見送りを防ぐことができます。
「書類お見送りの理由として、たまに見るのが『〇〇のご経験の有無が確認できなかったため』というもの。もしその経験をしていたのであれば、書いときゃ良かったという話になってしまうので、書いて損はないかなと思います」(卜部)
業務でやった内容自体は同じでも、それを言語化するかどうかで選考結果は大きく変わる。これは、河村さんの実体験からも強く裏付けられています。
動画では、河村さんレジュメのAfterもご覧いただけます。ぜひチェックしてみてください。

アーカイブ動画はこちら▼
https://job-draft.jp/events/ai-resume-2026

質問パートについて

Q. 「AI推進」は抽象度が高いと思います。実際どういった成果・行動が評価されやすいでしょうか?
この質問に対して、河村さんは前職での事例を挙げました。

Claude Codeの社内導入時に、上司へ「これができます」「今までこれくらいかかっていた工数がこれだけ短縮できます」と提案して導入。その後レビュー時間が伸びたためCodeRabbitも同様の形で導入したそうです。

「自分がやっていますという定性面での行動と、導入した結果こういう効果がありました、成果が上がりましたというのを、言えるかどうか、書けるかどうかだと思いますね」(河村さん)

しかし、すべての提案が通ったわけではありません。却下された経験もあったといいます。

背景には、自分の説明で伝わりきっていない部分や、コスト面など自分に見えていない情報がありました。だから「なぜできないんですか」と深掘って材料を集め、別の方法に落とし込む。AI導入はあくまで手段であり、工数削減という主目的を見失わなければ成果は上げられる、というのが河村さんの考えでした。

Q. リファラルでの転職は検討しなかったのでしょうか?
「自分からお願いしますと言っていなかった」ため積極的には検討しなかったものの、実際には1〜2社お声がけがあったそうです。興味深いのは、コミュニティで考えや動き方をオープンにしていたからこそ「この人には合わないから勧めない」という判断が事前になされていた点でした。

Q. 入社後のギャップを避けるためにどのような対策をしていますか?
技術スタックに惹かれて話を聞いたら「そこは外注していて日本の拠点ではやっていない」と言われた。そんな経験を河村さんは話してくれました。

対策としては、面接やカジュアル面談で気になることを聞き切ること、そして「給与面」「オフィスの雰囲気」「譲れない条件」を自分の中で言語化しておくことだといいます。

「何を重視して、何のために転職活動をするのかを考えておくと、ギャップは少ないかなと思います」(河村さん)

河村さんの話を受けて、卜部も「建前で転職活動をするよりも、自身の志向性を言語化してぴったり合う企業を1社見つけるほうが、中長期的なキャリア形成には絶対にプラスになるはず」と話しました。

まとめ

河村さんが語った「主観ではなく客観で書く」という原則、データが示した「何をしたか+どう解決したか」という傾向、Before→Afterで浮かび上がった「思考プロセスを書き切る」というポイント。これらはすべて同じ一点に収束します。

AIには代替できない「あなたの思考プロセス」を、客観的な事実として書き切ること。

実装そのものはAIができてしまう。だからこそ、そこにたどり着くまでに何を課題と捉え、どんな選択肢を比較し、なぜその判断を下したのか。そこにこそ、評価を伸ばす余地が残されています。

そして河村さんが最後に強調していたのが、第三者からレビューをもらうことでした。
まずは自分のレジュメの1プロジェクトだけでも、「課題 → 取り組み → 成果」の形に書き直してみてはいかがでしょうか。

▶ アーカイブ動画を公開中です
このイベントの様子は、アーカイブ公開しています。当日投影された資料や、職務経歴書のBefore→Afterの実物は、ぜひ動画でご確認ください。
▶️ https://job-draft.jp/events/ai-resume-2026

● イベントページ:https://tenshoku-draft.connpass.com/event/403587/
● 転職ドラフト:https://job-draft.jp/

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