転職ドラフトのレジュメには、通常の職務経歴書にはない「野望」を記載する項目があります。
急に「野望」と言われても……。
企業が注目する部分と表記もあるので、なんとなく身構えてしまう人もいるのではないでしょうか?
野望欄はレジュメの一番上にあり、実際、「何を書けばいいのか悩む」という声も聞かれます。
この記事では、なぜ企業が野望欄に注目するのか、そして書き方に悩んだときに試してほしい考え方のコツなどを紹介します。
企業が野望欄に注目する理由
野望欄は企業側の表示画面でも比較的上部に表示される、注目度の高い項目です。
なぜ企業から「野望欄に注目している」という声が上がるのか、その理由は大きく分けて2点あります。
将来に向けた希望がわかる項目である
指名時に年収提示をする上で欠かせない過去の経験や積み上げてきたスキルは、転職ドラフトのレジュメのメイン情報であり、記載量も多くなる傾向があります。
しかし、転職後は未来の話です。
企業側としては、指名するエンジニアが「この先の意向や希望」としてどのようなことを考えているのかも知っておきたいもの。
野望欄は、エンジニアの未来についての考えを知ることができる数少ない項目だからこそ、企業側も注目しているのです。
目標に向かう姿勢や何を大切にしているかなど、人柄の理解がしやすい
採用担当者は転職ドラフトユーザーの濃いレジュメを見ながら、技術やスキルを評価していきます。
ただし、一緒に働く上で大切なのは技術力だけではありません。開発組織のカルチャーや採用したい人物像とマッチしているかも重要なポイントの一つです。
企業にもそれぞれの社風や採用したい人物像があるように、エンジニアもそれぞれやりたいことや目指す姿、価値観をもっています。
それらのマインド面や人柄を理解したいという思いから、野望欄に注目する企業が多いのです。
野望欄を書く際には、ここで紹介したような「レジュメを読む側の視点」を意識してみてください。
野望が書きやすくなる3つのコツ
野望欄では、将来の目標や野望、そして将来の考えを持つにいたる背景や理由を書くことができます。
書き方について簡単な説明はあるものの、そもそも野望自体が浮かばないという人もいるのではないでしょうか?そんな方は、これから紹介する方法の中から、「この考え方なら書けそう」というものを試してみてください。
コツその1: 次の会社でどのような活躍をしたいか想像してみる
「せっかく一緒に働くのであれば、自社で野望を叶えてほしい」
指名の際にそう考えている企業も多いので、その視点にフォーカスして野望を考えてみてはいかがでしょうか?
採用したい人物像と野望がマッチしていた場合には、プラスの印象に働くことがあります。一方で、その野望を自社で叶えるのが難しいと感じたとしても、企業が指名を控えることはありません。
「3年後、SREチームを支える人材として働いていたい。」
「仕事を通して自分のマネジメントスキルを成長させ、5年後はEMとして活躍していたい」
など、新たな仕事に向けた期待や希望を書いてみてください。
コツその2: 自分の志向性に注目してみる
いったん未来のことは忘れて、自分の志向性に合わせて野望を考えてみるのも一つの手です。
「自分の好きなこと」や「やる気が出る瞬間」をイメージして、シンプルに考えてみましょう。
■志向性の例
・ものづくりが好き
・いいプロダクトを作りたい
・人の役に立つことが幸せ
・難しい問題を前にするとワクワクする
・チームで何かを成し遂げると次へのやる気がでる
働く上でのモチベーションは、自分の成長の素とも言えます。
実現可能かどうかは一旦おいておいて、「成長の素を刺激していくことで、3〜5年後に自分にどんな変化が起きていてほしいか」を想像してみてください。
企業側からは「もっとエンジニアの志向性を知りたい」などの声も聞かれるため、マッチングの材料も増えます。
コツその3: 憧れのエンジニアや尊敬する先輩・上司から目指したい姿を想像してみる
なりたいエンジニア像から、野望を考えてみるのもおすすめです。
目指したい人物が、自分と同じくらいの経験値のときにどんなことをしていたのか、それから3年〜5年後にどのようなキャリアを歩んでいたのか。もし可能であれば、対象となる人に直接話を聞いてみてください。よりイメージが湧きやすくなるはずです。
直接話を聞くのが難しい場合は、憧れる人や同じような経歴の人のインタビューを読むだけでも参考になるでしょう。
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キャリアを積んできた先輩方がどうやって今の立場にたどり着いたのかを知ることは、野望だけでなく今後のキャリアプランを考えるきっかけにもなるはずです。
野望の内容で悩んでいる方は、ここで紹介した3つの考え方をぜひ試してみてください。
野望欄の記入時に意識したいポイント
野望にはどんな内容を書くかも重要ですが、ちょっとした記入の工夫が指名に影響してくることもあります。たとえば以下のようなポイントです。
- 未経験の職種・役職などレジュメにかけないキーワードは野望欄を活用する
- 過去と未来の繋がりを意識する
ここからは、それぞれを詳しく見ていきましょう。
未経験の職種・役職などレジュメにかけないキーワードは野望欄を活用する
「まだ経験は少ないが将来的には開発をリードできるエンジニアになりたい」
「EMを目指している」
などの希望がある場合は、ぜひ野望として書いてみてください。
レジュメ内の情報の多くは過去の実績ですが、企業側の採用要件には
「将来的にはリードエンジニアとして活躍してくれる人」
「EM候補として入社できる人」
など、将来的な期待が見られることは少なくありません。
これまでの経験としてレジュメにかけないキーワードは、野望欄に目標そのものとして、もしくは定めた目標の背景として書くことで、結果として希望とマッチする企業に出会いやすくなります。
3〜5年後の目標に加えて、野望の最後に「さらに先の将来にはエンジニア組織全体を引っ張っていく存在になりたい」と書いてもOKです。
企業に伝えたい自分の希望は、遠慮せず書いてみてください。
過去と未来の繋がりを意識する
野望欄は「会社での実現に限らず、個人的なものでもかまいません」と説明があるように、仕事に限った内容である必要はありません。プライベートな野望からその人らしさが伝わることもあるでしょう。
ただし、書く際には「これまでやってきたこと(過去)と野望(未来)の繋がり」を意識していただきたいです。
例えば、これまでとは大きく異なるキャリアを目指したい場合や、「将来は田舎に帰って農業をして暮らしたい」などプライベートな内容を書きたい場合に、純粋に願望だけを書いてしまうと、「なぜそう思ったのだろう?」と採用担当者も困惑してしまいます。
野望はあくまで今の延長線上にあるもの。これまでの仕事内容とは一見遠く見えても、あなたがその野望を抱くようになったきっかけは過去のどこかに必ずあるはずです。
また、現在から野望に行き着くまでに自分がどんなステップを踏むかを、多かれ少なかれイメージしている人は多いのではないでしょうか?
野望欄を書く際には、このようにキャリアと野望をつなぐストーリーを意識して内容を考えてみてください。
そうすることで、あなたの野望がより伝わりやすく、説得力のあるものになるはずです。
野望を書く目的は「より良い出会いのため」
野望欄はあくまでもレジュメの一部であり、企業とエンジニアの最適なマッチングを叶えるためのものです。
野望という言葉に少し身構えてしまうかもしれませんが、他のエンジニアの野望も参考にしつつ、この記事で紹介した考え方を参考にして、あまり気負わず書いてみてください。(転職ドラフトユーザーの野望はどなたでも閲覧できます。https://job-draft.jp/users)
ITエンジニアなので技術力が基本ではあるものの、一緒に働く仲間として人柄の部分やその人の志向性も知っておきたいポイントです。
野望欄は人柄や志向性を端的に伝えられる項目なので、積極的に活用して出会いの幅を広げていただけると嬉しいです。