せっかく転職をするなら年収を上げたいと思っている人も多いはず。
実際に転職ドラフトで転職した人の中でも、92%(2021年7月〜2022年6月)のITエンジニアが年収アップを叶えています。
しかし、登録ユーザーが見ることができる提示年収は、あくまでレジュメやアウトプットからの推測。実際に転職を決めた人が、どのくらいの金額と変化幅だったのか気になりますよね。
そこで、転職を決めた人の属性や傾向、そして年収の変化幅について、2021年〜2022年のデータを中心に調査してみました。※転職前の年収は、転職ドラフト参加時には非開示ですが、転職成功を報告いただいた際に自己申告いただいています。
どのくらい年収アップしているのか?
まずは年収アップした92%のITエンジニアが、どのくらいの年収アップを叶えたのかを50万円単位で調べてみました。
年収アップ額 | 割合 |
---|---|
50万円未満 | 9.5% |
50万円〜100万円未満 | 14.6% |
100万円〜150万円未満 | 22.9% |
150万円〜200万円未満 | 19.8% |
200万円〜250万円未満 | 13.8% |
250万円〜300万円未満 | 9.5% |
300万円以上 | 9.9% |
※データ出典:2021年7月〜2022年6月の期間において、転職ドラフトを通じて内定を承諾した人
メインとなるのは年収アップ額100万円〜200万円の層ですが、なんと300万円以上年収アップしている人が約10%もいることがわかりました!
300万円以上年収アップしている人の比率は、2021年6月以前よりも約2倍に増加しており、転職前に800万円以上もらっている人も複数いました。
年収アップしている人の傾向
1回の転職で300万円年収アップというのは、なかなか夢がありますよね。
一体どんな人が年収300万円アップを叶えているのでしょうか?
今回は年収の大幅アップが叶ったみなさんのレジュメをチェックしてみました。(転職ドラフトに登録すると、転職ドラフト参加ユーザーが公開しているレジュメを見ることができます。ぜひ登録して指名の多いITエンジニアのレジュメをチェックしてみてください!)
ITエンジニアとして取り組まれた実績や目的を果たすためのスキルをしっかり持っているだけでなく、マークダウンを活用したり、プロジェクトの全体像から成果まで体系的に伝えるなど、非エンジニアの人事担当者や管理職の人にも実力が伝わりやすい書き方の人が多い印象を受けました。
また、レジュメの文字数は平均6000字を超えており、アウトプット欄でも44%の方がURL以外の情報(特にアピールしたいアウトプットなど)を記載しているなど、お手本にしたいレジュメばかりです。
職種でみると、やはりエンジニアリングマネージャーやプロダクトマネージャーなど、マネジメント系の経験がある人が多くみられました。また、データ分析も少し多めという結果に。
年代別アップ額の中央値
年代別に違いがあるのか、自分の世代がどのくらい年収アップしているのかも気になりますよね?
ということで、次は年代別年収アップ額の中央値と経年推移を見ていきましょう。
年代 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
---|---|---|---|---|---|---|
20代 | 136万円 | 151万円 | 154万円 | 130万円 | 139万円 | 148万円 |
30代 | 137万円 | 152万円 | 95万円 | 93万円 | 129万円 | 120万円 |
40代 | 34万円 | 120万円 | 80万円 | 86万円 | 85万円 | 204万円 |
※データ出典:2017年1月〜2022年9月の期間において、転職ドラフトを通じて内定を承諾した人
20代の年収アップ額は他の世代に比べて高めで、30代や40代はすでに転職を経験していたり、現職でも評価され転職前の年収が高くなっていたりするため、年収アップ額は少し低めです。
40代は他の世代より参加ユーザーが少ないため年によってばらつきがありますが、今回の調査対象とは別に直近の開催回の傾向を見てみると、40代の人の指名や内定が増えつつあります。2017年は700万円代だった平均提示年収も、2022年には900万円を超えました。
こちらはマネジメント経験の有無だけでなく、スペシャリストとしてのキャリアパスも実力として給与に反映されやすくなってきていることも、一因にあると見ています。
以下の評価制度の記事で紹介した3社でも、スペシャリストとしてのキャリアを評価する制度が運用されています。もし転職を考えている場合は会社選びの基準の一つにしてみてもいいかもしれません。
エンジニアの評価制度はどうあるべきか? -事例紹介編-
もちろん、スペシャリストとしての技術+αを持つ人は、年齢問わず相変わらず需要は高いままです。
主なスキル・言語別の年収アップ額の中央値
続いて主なスキルや言語別のアップ額についても見ていきます。
今回のデータで年収アップ額の中央値が高かったのはSwiftとKotlinですが、この2つは転職前年収の中央値が2020年7月〜2021年6月から大幅に下がったことが要因の一つです。
一方、転職前年収も高く、年収アップ額も高かったのが、KubernetesとBigQueryでした。
BigQueryのスキルを持つ人は、データサイエンティストとしての活躍やデータ基盤構築などを期待されている傾向があります。
Kubernetesは大規模システムの運用管理の工数削減に役立つことから、サーバーサイドやインフラで採用される際の+αの付加価値として評価される傾向があるようです。
大量データの管理や分析に使われるスキルの需要の高まりが見てとれます。
職種・役割別の年収アップ額中央値
最後に職種・役割別でも見ていきましょう。
まず今回のデータ全体にいえることですが、2020年7月〜2021年6月のデータと比べると、年収アップ額の中央値は高くなっています。もちろん、職種・役割別でも例外ではありません。
※その他には、コーポレートIT/情シスやゲームプログラマなどが含まれます
年収アップ額の中央値が一番高かったのは機械学習エンジニアでした。
エンジニアからも企業からも注目度が高く、ポジションも増えてきている職種のため、転職前の年収が他職種に比べて低い傾向があり、年収アップ額が高くなっています。
一方、プロダクトマネージャーやエンジニアリングマネージャー、SRE、データ分析などは年収アップ額がそこまで高くありませんが、転職前の年収は他の職種・役割と比べて高めです。
こちらはすでに需要が高く、多くの企業が評価し給与を上げている職種・役割であることがわかります。
まとめ
ここ数年のITエンジニア採用界隈は売り手市場といわれ続けていることもあり、今回の調査では、転職前の年収からして前回の調査より高まっていました。
これまでシステム開発を外部に委託・発注していた大手企業も、DX化に伴ってシステム内製を進めるためにITエンジニア採用に一層力を入れ始めています。
さらに、需要の高いスキルや実力がある人は、現職でもしっかり評価され転職をしなくても年収があがる土壌が整いつつあるようです。優秀な人材が待遇面で離れてしまうことに危機感をもつ企業も少なくないのでしょう。
転職ドラフトでの指名年収も年々高まっており、採用競争の激しさがうかがえます。
そのような環境の中で、着実にスキル・キャリアアップを目指すことができるよう、転職ドラフトでは、ITエンジニアに特化したレジュメの無料フィードバックや公開競争入札制、現年収の非提示といったサービスや仕組みを用意しています。
「市場価値を知りたい」という人も参加可能なので、まずはお気軽に登録&ご参加ください!