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なぜDMMはオタク心をくすぐれるのか―DMM.com Groupに迫る!(後編)

2016-07-22 10:20

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(写真左:池上氏 写真右:武藤氏)

オタク心をくすぐる大ヒットゲームを次々に生み出しているDMM GAMES。DMM GAMESは今や同社の大きな柱の一つとなっている。その裏側にはどのようなエンジニアリングの取り組みがあるのか。前編「新規事業を連発するDMM.com Groupを支えるエンジニアに迫る!」に続き、後編ではDMM.comラボ ゲーム開発本部の武藤亮太氏、ゲームプラットフォーム開発本部の池上智氏に話を聞いた。

株式会社DMM.comラボ
ゲーム開発本部 第二システム部 サブマネージャー
武藤 亮太(むとうりょうた)
2011年 新卒でDMM.comラボに入社。
ライブチャット、ゲームプラットフォームチームを経て、
ゲーム開発本部の立ち上げに参画。
複数のゲームのリードエンジニアを経験した後、現在は全体のマネジメントに従事

株式会社DMM.comラボ
ゲーム事業プラットフォーム開発本部PFシステム部 チーフ
池上 智(いけがみさとし)
SIer、フリーランス、飲食店関連Webサービス会社にてキャリアを積む。
全文検索エンジンの構築運用やサービスのサーバサイドの開発などを手がけ2015年にDMM.comラボに入社。
ゲーム事業のプラットフォームシステム部でPMO業務に従事している。

自ら手を挙げれば、新卒1年目でも中途1年目でも任せる

Q: DMM GAMESのゲームはオタク心をがっちりつかんだ作品が多いですよね。それがどうやって生まれているのか、ゲーム開発とプラットフォーム開発の両面から聞かせてください。まず、お2人のご経歴は?

武藤: 新卒で入社し、現在6年目です。入社して最初はライブチャットを扱うチームに配属されました。ですが、ゲーム事業部が立ち上がるタイミングで手を挙げたら、新卒1年目にもかかわらずやらせてくれるということで、そちらに移りました。その後、一時期プラットフォーム開発に回りましたが、再びゲームの内製チームに戻って現在に至ります。

池上: 私は飲食店関連サービスの開発会社に7年半在籍した後、1年前にDMMに転職しました。現在はゲームプラットフォームの開発に携わっています。この会社に入った動機は、ビジネス的に尖っていそうだったこと、いいアイデアに対して、スピーディーに、しっかり投資してくれそうな点が魅力的だったからです。

Q: 新卒でも中途でも比較的キャリアの浅いうちから重要なポジションを任されているんですね。

武藤: そうだと思います。私自身、新卒1年目からチャンスをもらえたし、池上にしても、入社1年でとても重要なポジションを任されています。年齢やキャリアにかかわらず、できる人を評価して引き上げてくれるので、チャンスがすごく多い会社だと思いますね。

極端にいえば、役員も見かけたらその場で捕まえて話すことができるほど距離が近いですし、会社側もそうやって自分からアクションを起こせる人を求めている気がします。良いゲームがたくさん生まれたり、立ち上げから数年で内製チームをここまで組織化できたのも、ボトムアップの提案が活発だったから、というのが大きいと思います。

池上: プラットフォーム側も同じですね。実際に行われたシステムの改善はだいたい、現場エンジニアのボトムアップの提案から始まったものです。もちろん、中にいるエンジニアは技術的に尖った人から、どちらかと言うと業務改善への関心が強い人までさまざまですが、自律的に考えて行動ができるという点はみんなに共通していると思います。

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DMM GAMESのPCブラウザゲームは強い。だからスマホの世界でも一発が狙える

Q: DMM GAMESのゲーム開発は、他社と比べてどんなところが特徴的ですか?

武藤: おそらく日本で一番PCブラウザに強いところだと思いますね。強い理由は、ビッグタイトルの固定ユーザーがいるのが大きいからです。この点は他社にない強みとして重視しています。

ただ、一方で時代の流れは確実にネイティヴアプリへと移っていますから、そちらも無視するわけにはいかない。両方を獲りに行く必要があると思っています。

Q: そのためにどんな工夫をしていますか?

武藤: UnityとCocosという2つの環境でそれぞれWeb GLとネイティヴの開発をする、ワンソースマルチユースに挑戦しています。これは日本ではおそらく、他社がほぼやっていないことではないでしょうか。前例がないわけですから、大変なことももちろん多いです。ただ、エンジニアには新しい技術を触るのが好きという人が多いので、そういう人には魅力的に映るのではないかと思います。

Q: 確かにそうした挑戦に魅力を感じる人は多そうですね。技術選定はどのような基準で行っているんですか?

武藤: 「PCとネイティヴを両方やる」という方針に適っていればよく、それを実現できる方法という観点でみると自然とUnity、Cocosになると思います。一つの環境に限定しないのはリスク管理の観点からです。

ゲーム開発はプラットフォーム開発と違い、新たなタイトルを立ち上げる際に毎回、技術転換を検討するタイミングが訪れます。基本的にはチーム内で話し合って決めますが、ただ単にトレンドだからという理由で選定するのはもちろんNG。その技術を使うメリットをちゃんと示す必要があります。これからの時代、エンジニアにもビジネス的な観点が求められると思っているので、技術選定においても、ビジネスとしてどうか、安定性はどうかといった視点は必要でしょう。

Q: ブラウザとネイティヴ、両方やっていくことのメリットは?

武藤: スマホゲームは1本当てるだけでも大変な世界です。また、日々ものすごい数のゲームが生まれているので、普通にやっているのでは埋もれてしまいます。その点、PCブラウザである程度の売り上げを確保しつつ、スマホで当てるために挑戦を続けるというのは、体力が続く賢いやり方だと思っています。

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DMMなら、他社なら一蹴される馬鹿なアイデアでも耳を傾けてくれる

Q: オタクの心を捉えるアイデアはどのように生まれるのでしょうか?

武藤: R18のサービスをやっていることもあり、他の会社より表現の幅に自由があることは一つの強みだと思います。弊社にもレギュレーションはもちろんありますが、出したアイデアが頭から否定されることはありませんね。どんなに馬鹿げたアイデアでも、まずは話を聞いてくれる会社。だからこそ意見を出しやすいというのはあると思います。

Q: エンジニアがアイデアを出すこともあるんですか?

武藤: そうですね。内製チームにもゲームのアイデアプレゼン大会があって、エンジニアがプレゼン資料を作って、プレゼンをします。カジュアルなゲームからいわゆるバカゲーと呼ばれるものまで、提案は多岐にわたるのですが、そういう中から例えば「エロい野球はどうか?」といった他社だったら一蹴されそうなアイデアも出てくるから面白いですよ(笑)。

Q: 制限がないからこそ、いいブレストができるという側面はありそうですね。

武藤: ただし、言いっぱなしはダメです。「言うからには、エンジニアらしいアプローチをしてくれ」と日ごろから要求しています。というのも、一般的にエンジニアには、頭でっかちに「こうしたい」という理想だけを言う人が少なくない。エンジニアなんだから、データを取るなりそれを分析するなどして、根拠を示したり、どう実現するかまで考えて提案することが必要。また、そういう人がちゃんと評価されるよう、組織的にも今まさに変わろうとしているところです。

ビジネス展開の速さに負けない、絶え間ない技術更新

Q: そうしたゲーム開発を支える立場にあるプラットフォーム側では、どんな技術的チャレンジをしていますか?

池上: 基本はLAMP環境ですが、高トラフィック、大容量、高負荷との戦いの中で、適宜変えてきた歴史があります。もう少し具体的に言うなら、RDBではなかなかまかないきれないところはNoSQL系を主にキャッシュで使ったり、スキーマレスが必要なところはMongoDBを入れたりといった感じです。集計も大量なのでRDBではどうしても追いつかない分、Hadoopを入れたりしています。

Q: 池上さんご自身はどんなところにやりがいを感じていますか?

池上: DMMは入社前にイメージしていた通り、非常にビジネス展開の速い会社です。全体でみれば、自分の知らないところでいきなり事業が立ち上がっていたりもします(笑)。

僕たちエンジニアも、こうしたスピード感を日々感じながら仕事をしています。次から次へと生じるビジネス的な課題を解決するためには、スピード感を持って技術更新していく必要がある。こうした環境は、エンジニアとして非常にやりがいがあると感じています。

Q: DMMはゲーム以外のサービスにもまたがる全体のプラットフォームを開発する部署もありますよね?ゲームプラットフォームならではの魅力は何ですか?

池上: 作っているもののバリエーションがかなり豊富というのが、一つ挙げられるかと思います。プラットフォーム開発部内だけで10個のチームがあり、一番大きいのはDMM GAMESのサイトですが、その裏側でスタッフやSAP様が利用する管理画面、エンドユーザの行動解析データの集計系、リテンションやA/Bテスト等のマーケティング施策、アプリ向けのSDK、AndroidやPC用ゲームのプラットフォームとなるネイティブアプリケーション、さらには英語圏や中国語圏向けのプラットフォームの開発も行っています。

抱えているサービスが多岐にわたっていることは面白さの一つであり、DMMらしさをすごく味わえるとも言えます。そしてその分、幅広いバックグラウンドの人が活躍できる余地があります。前職でWebサービスをやっていた人だけでなく、SIerにいた人もかなりの数いるんですよ。

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ワークライフバランスが整っているから、継続的に良いゲームが作れる

Q: 働きやすさはどうでしょうか?

池上: ゲーム会社によってはトップダウンが強く、現場の裁量が小さい会社も少なくないと聞きますが、弊社は現場に対する上からのプレッシャーはあまり強くありません。だからこそ、これまで他社でがむしゃらに働いて技術力を伸ばしてきた人が、のびのびと実力を発揮できる傾向があるようです。もちろん、最初にも触れたように自律的に動ける人というのがあくまで前提ですが。

武藤: その点はゲーム開発側も同じですね。エンジニアは一般的に転職の多い職種だと思いますが、弊社は他社と比べて離職率が低いです。ワークライフバランスも取れており、働きやすい会社だと言えると思います。ただ、ここで強調しておきたいのは、そうした働きやすさを追求するのも、ひとえに継続的に良いゲームを作るためだということですね。

Q: なるほど。では最後に、今力を入れていること、今後取り組んでいこうとしていることを教えてください。

池上: プラットフォーム側は、単にビジネス的な要求に応えるだけでなく、質も量もスピードも、もっと向上させたいと考えています。そのために、これまでは比較的モノリシックだったシステムを、将来的にマイクロサービス化する方向で刷新するプロジェクトを進めているところです。

一方で、リーダーシップ教育や情報発信、業務改善などの面でも組織はちょうど過渡期にあり、そうした組織改革についてもチーム横断的に取り組んでいるところです。「こんな組織にしたい」という考えを持っている人からすれば、ジョインするのに非常に面白い時期なのではないかと思います。

武藤: ゲーム開発側も、開発力向上と人間力向上の両面から組織の整備に取り組んでいるところです。大手コンシューマー企業と比べると、技術的な蓄積がまだまだ少ないと感じているので、基盤チームを作ってナレッジを積み重ねるとともに、作り方の標準化を進めて効率を追求していきたい。そうすることで、本当に勝負すべき「面白さ」の部分により注力できるようになるのが理想です。

そして同時に、いいゲーム作りのためには人間力の向上も不可欠です。というのも、ゲームの開発に携わるエンジニアは強いこだわりを持っている人が多いので、チーム内でのぶつかり合いが多いです。リーダー育成のための教育にも、組織をあげて取り組んでいます。

組織にどれだけナレッジが溜まっても、それを実行する人がいなくては何も生み出せない。人を重視しながら技術も効率も追求していくというのが、DMMの姿勢と言えると思います。

Q: 本日はありがとうございました!

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文:鈴木 陸夫

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