2016/06/27

トレタ増井氏×桂対談 - エンジニアが年収700万円台の壁を越えるためには何が必要?(前編)

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※写真左から株式会社リブセンス 取締役 桂大介、株式会社トレタ CTO 増井雄一郎

第2回転職ドラフトに株式会社トレタさんが参加します!飲食店向けの予約/顧客台帳サービスを作っているトレタさんと言えば、@masuidriveこと増井雄一郎さんがCTOを務めている会社。エンジニアの年収やそれを上げる方法などざっくばらんにお話を伺います!

エンジニアリングだけでは年収700万円台が壁

桂: こんにちは。今日はいろいろお伺いさせてください。

増井: よろしくお願いします!

桂: 転職ドラフトでは、企業がユーザーを年収付きでドラフト指名します。そこでまずお伺いしたいのですが、増井さんは、高い評価を受けるITエンジニアってどんな人だと思いますか?

増井: 自分でいろいろ作った経験がある人は強いですよね。人数の少ないチームになればなるほど、自分のパートだけじゃなく、いろんなパートを担当することになる。実際、他のパートの作業をしなくても、経験があれば相手の気持ちになれるのは大きいですよね。

桂: そういう経験は特に、小さなスタートアップだと大きく評価されますよね。

増井: 会社のゴールはコードを書いてもらうことじゃなく、プロダクトを作ってお客様に使ってもらうことなんですよね。技術はそのための要素に過ぎないと僕は思うんです。どんな小さなスタートアップも基本的には、会社が大きくなることを望むじゃないですか。小さいチームで自分でいろいろやってきた人は、ものを作り切る力がある。コード以外にもインフラのスキルがありますとか、そのプラットフォームもイチから立ち上げましたとか。僕もそういうのは評価できます。

桂: 普通にエンジニアとして仕事をしていると、年収600〜700万円で壁があると思うんですが、いかがですか?

増井: そうですね。できることがエンジニアリングだけ、という状態だと、今の日本では700万円台っていうのがピークだろうなと思いますね。トレタではそういう壁はないんですが、必ずしもマネジメントができないといけないという話ではないんですが、800万円台にいくには、単純にコードを書けるスキル以外に何を持っているかが重要になると思います。

桂: 具体的には?

増井: 外部との折衝ができる、英語がきちんとできる、プレイングマネージャーとしてやれる、とか。オープンソースの有名なコミッターで、その人がいることで会社のブランディングのプラスになるという加点もあるかなと思いますね。

桂: エンジニアとして仕事をして順当にいくとプレイングマネージャーになりますよね。でも次にどう広げていくかが難しい。

増井: 何か複数、技術を持っているといいと思います。iOSとサーバーサイド両方書ける人は、特に小さい会社で評価されやすいですし。

桂: 複数の専門性を持つってことですね。

増井: あと、企画もちゃんとできるというのもいいですね。ただアイデアを出すのではなく、事業的なことを考慮できるという意味で。事業を含めて考えられるとなると、当てはまる人は少ないですよね。

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増井さんの強みは、コーディング能力ではなく、経営に対するスキルが高いこと

桂: 増井さんは、ご自身のどこが評価されていると考えていらっしゃるんですか?

増井: 僕は会社をやっていたことがあるので、会社の立ち上げからエンジニアリングまで、最終的には一人でできるんですよ。そこが大きく評価されています。トレタは今、海外展開を考えています。海外立ち上げのために、僕一人で向こうの会社と交渉して、設計して、コーディングの直前までもっていける。単純にコーディングのスキルだけで見ると、上は限りなくいるじゃないですか。僕はそこじゃなくて、経営判断もできる、というような経営方面に対するエンジニア以外のスキルが大きく評価されていると思いますね。

桂: なるほど。さらに能力を伸ばすために、目標を立てていらっしゃるんですか?

増井: 僕の個人的な目標は、「今僕が持っているものを全てなくしても、明日から普通に暮らせること」です。今日トレタが潰れ、帰ってみたら僕の家が火事になっていて、預金も全部なくなっていた、ということになっても、普通に暮らせる状態ですね。今の僕だったら、他の会社にもいけるだろうし、家もまぁ誰か友達が泊めてくれ、PCも貸してくれるだろうと思います。でも、国内だったらこれができるけれど、明日日本が沈没した場合に、同じようにどこでも暮らせるかといったら、まだちょっと足りないなと思っているんです。海外で目標達成するには何が必要かな、と考えてずっと行動しているんですよ。

桂: それはフリーランスの時に培ったメンタリティですか?

増井: というか、そこまでやると自由になれるんですよ。

桂: なるほど。制約が減るんですね。

増井: そうです。もっと細かく言うと、年に一回、具体的な個人目標を立てるんです。ここ数年は年に一個必ず個人プロダクトを出し、年に一回英語で何か発表する、とか。仕事とは別に時間をとって、自分の時間としてやっていますね。もちろん会社の業務に関する勉強は別途やっています。

桂: 個人目標と会社の目標はつながっているんですか?

増井: 僕は別に考えています。会社は会社、自分のやりたいことは自分のやりたいこと。ただやっている技術は同じなので、最終的にやっていることの8割は共有化されますけどね。

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レジュメ上で自分を上手く表現出来るスキルがあるか

桂: なるほど。増井さんはエンジニアが転職で年収を上げるには何が必要だと思いますか?

増井: 実力を測る方法って難しいじゃないですか。僕らはレジュメも見るし、テストもしますが、それでその人の実力が測れ、ちゃんと年収に反映出来るかっていうと、そうとは限らない。採用する側が実力をどう見ぬくかも大事ですが、転職する側は自分の価値をどう表現するかがすごく大事だと思うんです。レジュメ上で、経歴や数字、その他の要素でどう自分を上手く表現するのか、をよく考える必要がある。

桂: 増井さんはトレタに応募してきた人をどうやって見ているんですか?

増井: トレタでは採用選考時、はじめに、GitHubのアカウントをくださいってお願いするんですね。でも上手く表現できていない人が多いなと感じます。「仕事の関係で外部にコードを出せない」という人は仕方ない面もありますが、それでも見せ方をもっと考えるべき。何も書いてないアカウントが送られてくる場合も、その時点でダメだなと思うんですよ。書いていないことがダメではなく、そのまま何も言わずに出す時点でおかしいと。そういうやり取りも含めて、自分をどう見せるかって大事だなと思います。

桂: それってどう培うものなんですか?

増井: 僕が会社と個人の活動を両方やっているのは、第三者からの評価をずっと気にしているからなんです。会社の評価は、もちろん仕事なのできちんとしなきゃいけないんですけど、一生同じ会社で働き続けるは限らないですし(笑)。常に、自分の上司だけじゃなく外部から見た、自分の評価はどうなのかっていう意識があるかないかで違いが出ると思うんですよね。

桂: 社内の評価制度を作る側の人間としては、社内評価と外部評価をある程度合わせようとしますが、逆にそこは違うものだって、割り切っているということですね。

増井: 社内に「3年以内に起業したい」という人がいてもいいと思うんですよね。会社に長く残ってもらうことが、その人にとっていいことだとは限らないので。

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外部から見てわかりやすい評価を積み上げる

桂: 20代のエンジニアに、これはやっておけばいいよということはありますか?やはり外部への情報発信ですか?

増井: 僕はmixiが流行っていた時、mixiにいろいろ書いていたんですけど、あえて書くのをやめたんです。見つからないところに書いてももったいないなと思って。今はQiitaやstackoverflowなど、外に向かって簡単に書けるところがあるので、非常に良いと思いますね。僕が以前Appceleratorに入った時も、僕のリファレンスが取れない代わりに、GitHubのスターの数を見てもらえたんですよね。その会社にいる全メンバーよりも僕のほうがスターの数が多かった。社長を含めても、フォロワーと数が僕のほうが多かったんです。

桂: すごいですね(笑)

増井: その時僕、Node.jsにContributeしてAUTHORSに入っていたりとか、オープンソースでいくつか作ったりとか、管理も多くて。僕が外部できちんと評価されていることが、会社でもすごく高く評価されたっていう経験があるんですね。なので第三者から見てわかりやすい評価を常に絞りだすようにしています。例えば、2014年は英語でオープンソースにContributeしてAUTHORSに名前を入れてもらう、っていう目標を立てたりとか。必ず今の自分にプラスして何かを必要とする目標を毎年立てるんです。

桂: それはいいですね。みんな明日から実践できる。

増井: Node.jsの時は、まだで始めたばかりで荒いところが多く気になった所を直すPull Requestを送って採用されました。同時期にTitanium MobileにもContributeしていて、そのきっかけでTitanium Mobileを作っているAppceleratorに入りました。

桂: めちゃくちゃいいですね(笑)

増井: すごいはじめの方で、やったこともちっちゃいことなので、冒険としてはごくわずか。僕が書いたところは残っていないんですけど、それでも価値は大きい。

桂: そういうところで名前が売れれば売れるほど外部からの評価はあがっていきますよね。一方で、所属している会社の社内評価はあくまで仕事の成果で決まると思います。ギャップが大きくなってはいきませんか?

増井: 私は社外の評価がすぐ社内評価や給与に反映されなくてもいいと思っています。長いエンジニア人生の中で評価されるタイミングあればいいなと。社外活動はその個人への評価であり、仕事の評価に直結しているとは限りません。でもやはり外部の活動や評価はその人、個人のためになると思っています。だから勉強会での発表は推奨していますね。

桂: 会社としてそういうスタンスを打ち出して、事業本域に各人の100%を求めるわけではないってことですね。それもやっぱり外を意識しようという精神ですね。

増井: そうですね、やっぱり個人として楽しくないと長く働けないし、自分がその仕事にコミットするためには、それ以外の部分が充実していないと仕事がどんどんつまらなくなってしまうと思うんですよね。

桂: 仕事に主体的に取り組むために、ある程度の自由を確保してるんですね。

増井: そうですね、仕事以外に自分を評価できる何か他のものをもっている方がいいんじゃないかなって思いますね。

後編につづく

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