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えふしん×桂対談―エンジニアの年収を上げるのは「期待」と「結果」―BASE×リブセンスCTO対談(後編)

2016-03-11 12:06

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前編はこちら

――4月の第一回転職ドラフト参加企業のBASE株式会社 取締役CTOの藤川(えふしん)氏と、リブセンス取締役の桂が後半では、「どんなエンジニアなら高い年収を提示したいか」、「日本のエンジニア転職市場の課題」などについて語り合った。高い年収を得るエンジニアに必要な条件とは。

転職ドラフトは、普通なら見つからない人と出会える可能性があると思っている

桂: 転職ドラフトのサービスを聞いて、正直どう思いましたか?面接前に年収提示をすることや、指名結果がユーザーや他社に見えるなどの特徴は、企業は嫌がるかもしれないと思ったんですが。

えふしん: 面白いな、と思いました。転職ドラフトなら、ほかの採用メディアなどでは見つからない人と出会えるかもしれないと期待しています。今、実績がある「いい経験をしてきた人」を採ろうとしているんですよ。彼らを採用するには、どうやって彼らに評価されるかが一番大事で、お金はあくまで、他社と並ぶためのテクニック要素が強いと思っています。彼らはそもそも引く手あまたの人たちだから、年収提示というのはエントリー料みたいな感じじゃないでしょうか。

えふしん: また、出会いの機会が増えるのはすごく嬉しいですね。今は紹介会社に紹介いただいた方とお会いすることがほとんどで、接点に限りがあります。やはり転職や引き抜きって本気で声を掛けないと進まないじゃないですか。本気で声を掛けるには本気で相手のことを知る必要があるので、紹介会社からご紹介していただく以外に開拓するのは難しい。僕も性格的にそんなに得意じゃなかったりしますし(笑)だから、紹介会社以外でも相手のことを知って声をかけられる接点が増えるのは嬉しいです。

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内部基準を飛び越える力量の人なら、通常の提示年収ラインを超えてもいい

桂: 今回他社よりも高い条件で評価したい人を挙げるなら、どんな人ですか?転職ドラフトでよい結果を生み出すケースは、「ほとんどの会社からの評価は同じだが、自分とすごくマッチする会社には高く評価され、いい会社が見つかる」という場合ではないかと僕は思っているんです。

えふしん: 多分うちならEC系の人は他社よりも高い評価をつけやすいと思いますね。あとは、指名する相手は結構各社かぶるんじゃないかと。うちが欲しい人は他も欲しいというように。その中で「他社は気付いていないけれど、この人いいね」という人をどれだけ見つけられるかがポイントだなと感じています。

これまでの実績の影響もあり、提示金額は内部基準に則したものになるとは思います。しかし、それを飛び越える力量の人であれば、僕らの通常の提示年収ラインを超えてもいいかなと思っています。もちろん超える分、選んだ側も選ばれた側も失敗はできないので、結構敷居が高いかもしれませんが。

転職ドラフトで、社内基準が不当に低い会社が明らかになるといい

桂: BASEさんは起業当初と事業規模が大きくなってきた今を比べると、年収水準は上がっていると思うんですが、どうコントロールしてきましたか?

えふしん: 初期は、起業直後で出資を受けていたこともあり、今の水準ではありませんでした。その後、社員規則など会社の基盤を整備するタイミングで、徐々に調整を入れていきました。中途の人は30代が多く、年収水準が比較的高いので、彼らとうまく折り合うように整備していますね。またリーダーや、責任ある立場になれる人であれば、その分も調整してきましたね。

桂: ユーザー側から見た時、今回の転職ドラフトで提示された金額が、今の年収を上回るケースは多々あると思います。もし自社のエンジニアから「転職ドラフトで今より高い提示年収が出た」って言われたらどうしますか?交渉の余地はありますか?(笑)

えふしん: どうでしょうね(笑)出てきたら考えるかな?うちはうち、よそはよそって言っちゃうかもしれないけど(笑)

桂: ほとんどの会社はあてはまらないとは思いますが、もし不当に年収が低い会社があった場合、転職ドラフトによって社内基準がおかしいことに気づく、という状態になればいいなと僕は期待しているんです。

えふしん: そうですよね。流動性が生まれれば、現実的にそれが一番圧力となるわけじゃないですか。それは良いと思います。

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年収を上げるのは、今の会社での「期待」と「結果」の積み重ね

桂: 30歳位がやはり一つの区切りになると思うんですが、一通り仕事ができるようになると、専門性や得意領域がないと、それ以上は年収が上がりにくくなると思います。そういった人に向けて年収を上げるためのアドバイスはありますか?

えふしん: 難しい話ですよね。基本的には「期待」と「結果」の積み重ねがその人の年収をつくると思うので、それを今いる会社でやるべきだと思うんですよ。業界全体で上がっていくから、どこかで非連続的に上がる人も例外でいるとは思いますが。

今うちの会社は給与改定のタイミングが半年毎にあるんですが、「実績」や「期待」で評価している部分が大きいです。「この人だったらこういうことをやってくれるだろう」という「期待」。半期後に「期待」に対してどのくらい成果を上げられたかを確認して、その達成具合に合わせて昇給させています。ただ、リーダーだったら先に「期待」して、うまくいったらドーンと上げる場合もありますし、人によって変えている部分もあります。

桂: 「期待」と「結果」の積み重ね、いい言葉ですね。特に「期待」が持てるかは重要だと思います。

えふしん: 僕は最初にいた制作会社からの評価が高くて年収が高かったのですが、次の会社に転職する時にすごく年収が下がりました。なぜ前の会社は評価が高かったかというと、人が少なかったため、その分今後の期待を込めて上がっていたのだと思います。けれど、「期待」は水物。そこでの評価でしかない。
ただ、転職先にもある程度の「期待」は持ってもらえたので、ギリギリまで高い年収を出してくれたんです。この場合でも、絶対的な金額は下がるかもしれないけど、「期待」はしてくれているというのは分かります。「期待」されることが昇給に繋がるので、今の会社でも「期待」され、その「期待」に応え続けているなら給与水準が上がっているべきだと思います。

良い転職のコツは、金額の絶対に依存せず、企業とじっくり話す

えふしん: 僕は、「期待」さえあれば転職で年収が下がっても全然気にしません。というか、金額の絶対値に依存するとあまりいい転職ができないなって思いますね。自分は今まで転職で失敗していない、本当にラッキーだなと思います。

桂: それがいい転職かどうかを判断するヒントってありますか?

えふしん: その質問は難しいですね。基本的には面接や、一緒に食事をして判断するしかないと思います。例えば、試用期間に退職される人もいるじゃないですか。入社以前に「自分がどれくらいその会社に順応できるか」「順応はできても無理していてツライということはないか」は分かりにくいので。
人材紹介経由でお会いする際に、お互いツライなと思うのは、他社との兼ね合いで急かされるため、限られた時間で判断しなきゃいけなくなることですね。本当は、ここで一回ご飯に行ったりもう少し深く話したりできたらいいのかなって思うんですけどね。

桂: 確かにお互い焦りますよね、転職者側も企業側も焦ってしまったり。
先ほど面接プロセスでおっしゃられた、最初の印象で感じていた違和感やモヤモヤが、じっくり話している内にひっくり返ったり評価が変わったりすることはありますか?

えふしん: 話してみて、思っていたより良かったケースはありますね。表現力がない人や、職務経歴書が分かりにくい人だと、期待水準を上げられないので。今僕らが求めている経験ラインとは合わないから今回は採用できないけれど、僕らがもっと違う軸で評価したら、この人を採れるんじゃないか、とかはよく思ったりしますね。

桂: 時間は確かにかけたいですよね。特に複数の内定が出て悩んでいる人こそ時間をかけて欲しい。それぞれの会社でコミュニケーションの時間って違いますか。

えふしん: 結構、時間のリミットを作る会社もあるんですよね(笑)うちは、それに合わせてフォローアップ面接をしたりしています。転職者の方に納得してもらえることが大事かなと思っています。

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就職活動のミスマッチで人生をロスする人が多い。情報の非対称性が無くなってほしい

桂: 日本のエンジニアの転職環境や評価、年収について「ここがおかしい、こうなってほしい」と思っていることがあればぜひお願いします。

えふしん: 転職については、今、SIer問題が結構大きくなっていると思っています。中堅の理系の大学を出た人たちは、いわゆるSIer系に就職する確率が高いと思います。そんな彼らが数年後に、「就職活動ミスしたな」という感じでWeb系に転職してきている気がします。そこで自分で頑張る力があれば転職できるんですが、そうじゃない人たちは経験的にアウトという状況になっていて、もったいない。そういう会社に限って、歴史が長い会社が多くて、このミスマッチ感がなんとも言えなくて。

桂: それはおっしゃる通りですね。弊社にも何人かいるんですよ。未経験者枠に対して、実際には本当の未経験者ではなく、彼らのような方が受けに来るんです。そして、皆すごく優秀ですよね。なぜ新卒でWeb系に来なかったのかなぁと思います(笑)やっぱり時間をロスしているんですよね。もちろん丸切り無駄になるわけではないですが、もったいないとは思います。これは就職活動の問題なんですかね?

えふしん: 新卒一括採用ってかなり青田買いをするじゃないですか。卒論を書いていない学生に先に内定出す。その上、新卒採用に人的リソースをかけられる企業は限られるなと思っていて。
うちにも今年の4月に一人、某有名大学の学生が入ってくるんですね。その方は事前にコミュニティでの関わり合いがあり、僕らも入ってきてほしいと思っていたから、うちに来てくれることになったんです。でも、そういう活動をしておらず、普通の就職活動のみ学生は、あまりにも早く内定を出されすぎて大手に決まっちゃう。そんな環境で、就職活動に傷つき、しかもブラックな会社に行っちゃって、人生何年か無駄にするという、そういう流れがなんとも言えないですね…。

桂: 確かにありますね…。

えふしん: まあ冷たく言うと、情報の非対称性の問題で知らないものは知らないからしょうがないんですけどね。一方で、僕らも自分たちのリソースの問題もあって、そのような状況であることを学生に知ってもらう努力ができていなくて。

桂: そういう意味では、Web業界の強みってすごくオープンなところだと思うので、有名なエンジニアがたくさん出て、自然と彼らがそういったエンジニアを目にするところまで持っていければいいなと思っています。転職ドラフトもその仕組みの一つだと思うんです。まず情報をオープンにするところから就職のミスマッチの構造を変えていけるのかなって思いますね。今日はありがとうございました。

えふしん: ありがとうございました。

BASE株式会社 取締役 CTO
藤川真一(えふしん)氏
FA装置メーカー、Web制作のベンチャーを経て、2006年にGMOペパボへ。ショッピングモールサービスにプロデューサーとして携わるかたわら、2007年から携帯向けTwitterクライアント『モバツイ』の開発・運営を個人で開始。モバツイ譲渡後、2012年11月6日に想創社設立。モイ株式会社にてツイキャスのチーフアーキテクトを勤めた後にBASE株式会社のCTOとしてジョイン。

株式会社リブセンス 取締役
桂 大介
1985年6月生まれ。2008年早稲田大学理工学部卒業。高校時代から個人事業主としてシステム受託開発を行う。早稲田大学入学後、2006年2月に村上、桂を含む4名でリブセンスを共同設立。創業後は、システム開発部門を主管し、エンジニアの教育・採用・環境整備などに従事。デジタルマーケティング部門、人事関連部門、事業部門でのメディア開発リーダーなど、リブセンスの規模や都度の課題に応じ、様々な役割を担当している。

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