2019/12/23

「社外1on1くらいの気軽さでいい」これからのカジュアル面談について話そう

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みなさんは「カジュアル面談」にどんなイメージを持っていますか?

「会いたかったエンジニアの話が聞ける場所」という前向きな意見がある一方で、「実は裏側で選考されてそう」などの意見もあるはず。それぞれが持つイメージがバラバラなのは、カジュアル面談の定義自体があいまいだからかもしれません。

そんな状況だからこそ、エンジニア向け転職サイトを運営する転職ドラフトとして、カジュアル面談に対する一つの答えを導き出したいと考え、日頃リブセンスで数多くの面談・面接を行う2人のエンジニアにお話を伺いました。

竹馬 力(ちくばつとむ)
東京工業大学理学部を卒業後、ベンチャー企業を経てフリーランスエンジニアを7年経験。戦略PR会社ビルコム株式会社にて開発マネージャーとして新規事業に従事。2013年に株式会社リブセンスに入社。不動産価格査定サイト「IESHIL(イエシル)」立ち上げを経て、現在、データエンジニア/エンジニアリングマネージャー。本業の傍ら、技術顧問/技術関連の執筆も行っている。

海野拓(うんのたく)
大手Web企業数社にてサーバサイド開発に従事したのち、2014年に株式会社リブセンスに入社。正社員向け転職サイト『転職ナビ』のサーバサイド開発・技術基盤改善を行うと共に、チームのエンジニアの評価・育成・採用など組織マネジメントを担当。2019年から会社全体に活動の場を移し、全社エンジニア組織の改善施策やエンジニア採用を行っている。

カジュアル面談の実態と問題

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カジュアル面談では選考しているの?

ー早速カジュアル面談について正直なお話を聞きたいのですが。やっぱり合否判定的なことはしているんですか?

竹馬さん: いや、私はしていないです。

海野さん: できないですよね。正直。

竹馬さん: ただまあ、その人が選考に進んだらという仮説で見たときに、ちょっと厳しいかもなと思うこともありますけどね。それでも、カジュアル面談で落とすことはありません。

ーそれはなぜでしょう?「この人は選考で落ちてしまうだろうな」と思っていても本人が望めば面接に呼ぶのはどちらにとっても非効率な気がしますが…。

竹馬さん: 仮にカジュアル面談の時点で「不採用になってしまうかもしれないな」と思っても、もしかしたらそれはこちらがその人の魅力を見つけられていなかっただけかもしれないので、 そこで可能性を全てなくしてしまうのは時期尚早かなと。

というのもカジュアル面談で会った時点で技術力がないと判断しても、そこから半年後にめっちゃ伸びてるみたいなこともありえるので。だからカジュアル面談では長い目でお付き合いができるかどうかを大切にしています。

ーなるほど。一方で、カジュアル面談で不合格通知をする企業もいますよね。そういう企業に対してはどういうご意見をお持ちですか?

竹馬さん: いや、ダメでしょ!の一言に尽きますね。不合格通知を出すくらいだったら選考要素があるとあらかじめ伝えるべきなのではないかと思います。その一言もなく不合格通知を出すなんて、不誠実ですよね。それよりも、カジュアル面談の時に「多少なりとも今後の選考プロセスに影響があるよ」と伝えてあげる方が誠実で良い気がします。

カジュアル面談で起こっている悲劇

ーTwitterなどではカジュアル面談について、下記のような意見が寄せられていますが、やっぱりこの3つってよく起きているのでしょうか?

  1. 志望動機を聞かれる
  2. 履歴書・職務経歴書の提出を求められる
  3. 面接のつもりではないのに合否の連絡がくる

竹馬さん: 社内のエンジニアにもヒアリングしたんですけど、多かったのは「志望動機を聞かれた」ですね。あとは、バックエンドをやりたいって言ってるのにインフラ寄りで面談されたとか、そもそもカジュアル面談で話を聞きたかった人が現れなかったという話は聞いたことがありますね。

ーこのようなすれ違いや認識のずれは、どうして起こってしまうのでしょうか?候補者にとって良い体験とは言えませんよね。   

竹馬さん: 先方の社内で ミスコミュニケーション が起きているんでしょうね。私も実体験としてそういうことがありましたよ。ある会社からすごく熱いスカウトメールが来て「カジュアル面談に来てほしい」って書いてあるので、いざ行ってみたら「志望動機はなんですか?」と聞かれて…みたいな。

今思えばあの時もミスコミュニケーションが起こってたんですよ。エンジニアの他に人事が同席してたんですけど、人事の側から「志望動機は?」という質問が来たので。

ーそういう設定ミスって、リブセンスでは起きたりしないんでしょうか?

竹馬さん: まず、起きないと思いますよ。もし起きてしまったら、相手にとても失礼なことですし。それに、リブセンスのように社内組織にエンジニア企画室があったり、CTOやVP of Engineering、エンジニア出身の人事担当などがいて、 エンジニアの採用計画を独自で立案している場合はミスコミュニケーションが起きづらい ですよね。

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竹馬さん: Web系の企業全体としても状況が改善されつつあると感じています。企業も候補者とカジュアル面談を通じて、長い目でお付き合いしようという訴え方になったので、オフィス見学に来てよ!みたいな気軽な感覚で面談に誘うようになりました。

加えて、面談を受ける候補者の気持ちも変わってきています。例えばリブセンスでたまたま勉強会をすることがあって、オフィスに来て話をしている内にカジュアル面談みたいになったくらいの感覚ですね。 お互いがそういうフラットで緩やかにつながる感覚 というか。

海野さん: フラットにつながるという経験、実は私もあります。たまたまビジネスマッチングアプリで知り合った方なんですけど、「Meguro.rbでお世話になってるので、良かったら会社に遊びに行ってもいいですか?」という形で声をかけたら、「ぜひ来てください」と言ってもらえたんです。カジュアル面談ではエンジニア組織やエンジニア採用について1時間くらい議論しました。全く選考要素がなかったんですけど、終わったあと「楽しかった!」と思えたんですよね。

カジュアル面談をする側の本音

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面談はファンづくりの場

ーお二人はどういうスタンスでカジュアル面談をされていますか?

海野さん:「友達にはなりたいな」 と思って面談しています。仮にスキル的にはミスマッチで入社となる可能性がゼロに近かったとしても。面談でお互いが「これは全然合わないな」と思っても、候補者から「面談してくれた人は全然印象悪くなかったな」と思ってもらえたら、それで充分ですから。

というのも友達の友達は友達理論で、友達を広げていくことでできるだけ多くの接点を持ちたいんです。例えるなら リブセンスのファンを作る気持ち でカジュアル面談をしています。

竹馬さん: 私もファン作りの場としてカジュアル面談をしていますね。例えばRubyの勉強会に参加してすごく会話が弾む人がいたから「今度カジュアル面談に来てよ!」という風に来社してもらったり。

それ以外にも、転職媒体やエージェントを経由してカジュアル面談を組むこともあります。その場合、話が合うか合わないかは関係がなくて、どちらかというとリブセンスという会社を知ってもらうとか、そういう所に重きを置いて面談していますね。

ー面談で会うときは、自社をアピールする部分が大きいということですか?

竹馬さん: 実をいうと、ことさらアピールもしていないんですよね。等身大以上に「弊社はこんなに魅力的な会社ですよ」と言ってもしょうがないし、どう感じるかは相手の自由だから。

海野さん: 強いて言えばプロモーションみたいな気持ちでやっていますよね。

カジュアル面談を盛り上げる技術

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ーお二人のカジュアル面談の進め方を教えてください。

海野さん: 私の場合は冒頭で「 選考の要素がないカジュアル面談です。 始めの30~40分はこちらから色々お話していきます。この会議室を1時間抑えているので、 なるべくお互いにとって有意義な時間にしましょう 」という風には伝えていますね。その上で、「今日どんなことを聞きたいですか」と確認するようにしてます。

せっかく面談に来てもらえたので、1時間満足して帰ってもらいたい んですよね。エンジニアの課題について知りたいのか、それともプロダクトなのか、技術なのかについては、候補者によって全くグラデーションが違っているので、まずは「どのあたりを重点的にお話しましょうか?」と希望を聞くようにしています。

それで説明しながら「今までの話で何か分からなかったことはありますか?」と10分おきくらいに話を差し込んでいくんですよ。そうすると、30~40分くらいサラーっと流れていくので、その後に「何か聞きたいことがあればお話しますけど?」とフォローしますね。

竹馬さん: まずは認識を揃えるために、 冒頭で「今日はカジュアル面談ですよね?」と必ず聞くようにしています。 そうすれば候補者も「意図せず面接が始まってしまうかもしれない」と不安にならずに済みますし。

面談で話す内容は共通点を探る っていう感じですね。例えば、Railsのあるべき設定とは何かとか、この前のRubyのバージョンアップでこうなったよねとか、そういうギークな話で盛り上がるわけですよ。そこがどういうポイントなのか、それはプロダクト方向なのか、それともマネジメントや組織なのか、それとも技術なのか。

当たり前ですが、盛り上がった所に相手の興味があるわけで、それがどこなのかは正直聞くしかないですね。ある程度自分で分かるものもありますが、逆にレジュメから受けた印象で「これに興味あるんですか?」と聞くと「いや、そこまででも…」という反応が返ってくることもありますしね。これは本当に聞いていくしかない。

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ーなるほど、それぞれカジュアル面談の進め方は違うものの「候補者が興味のある話を提供する」というスタンスは同じなんですね。ちなみにお二人はカジュアル面談を進めるスキルをどのように学んだのでしょう?

海野さん: 慣れている人のカジュアル面談に同席して、良いと思うところをパクってましたね。プラスして、自分がカジュアル面談を受けていると「こういう進め方良いな」とかそういうノウハウが溜まるので、他社の良かったカジュアル面談の要素を取り入れていきました。

竹馬さん: 充実したカジュアル面談を生み出すためには、量をこなすことが大切ですよね。かく言う私も「今日の面談、盛り上げられなかったな」と反省することもありますよ。でも「今日の相手とは終始盛り上がらなかったな」と言ってしまったら他責になってしまいます。こっちが面談の場を設けている以上は、相手と共通する部分をどれだけ引き出せて上げられるかとか、質問ができるかだと思うんですよ。

ーこんなにカジュアル面談に慣れているお二人でも「うまくいかなったな…」と反省することがあるんですね。

海野さん: 滑りつづけた1時間ならありますよ(笑)。何を言っても「はあ」という生返事しか返ってこない時は正直こちらも「ど、どうしたらいいんだ…!」となりますね。

竹馬さん: 「一体何に興味があるんだ…!」みたいなことってありますよね。私の場合はネタに困ると、 自分の経験を語る「ストーリーテリング」 を始めますね。「うちはこんな風に困ってるんですよ!」とか「新規サービスの立ち上げはこんな感じで超苦労したんですよ!」とか話すと、意外と盛り上がるんですよ(笑)。向こうも「それ分かります!うちも同じでした!」みたいな感じで話してくれたりとか。

カジュアル面談を使い倒せ

面談に臨む心構え

ーお二人がどんな思いでカジュアル面談をしているか理解できました。逆に、面談を受けるなら、こうした方が良いとかありますか?

海野さん: エンジニア出身の人事としてアドバイスさせてもらうと、選考に進むかどうかを判断する場としてカジュアル面談を捉えてもらった上で 何を確認できたらこの会社の選考を受けようと思えるか というのはあらかじめ用意しておくといいですよ。

例えば何がモチベーションで転職しようと思っているかとか、何があったらこの会社で自分の実力を出せるのか、その辺を妄想した上で質問を考えてもらえると、こちらもより具体的な情報を提供できますし。

竹馬さん: 良い経験を積めば積むほど、課題感とかもめちゃくちゃ明確になってくるじゃないですか。明確な基準がある人はその基準に沿って企業を判断してもらえればいいと思います。そういう場合、カジュアル面談は「候補者側が会社を選考する場」なんですよね。

社外1on1のつもりで気軽に受けてほしい

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竹馬さん: 一方で3年目くらいのエンジニアだと、まだ自分で何がやりたいかふわっとしていて分からなかったりしますよね。これはエンジニア3年目あるあるなんですけど「技術はある程度できるようになったんだけど、次に自分が進みたい方向はプロダクト方向なのかマネジメントなのか、それとも特定の技術を伸ばすのか、自分でもよく分からん!」ってみんな悩むものなんですよ。そんな人にとって カジュアル面談はすごく重要なアプローチ なんですよね。

ーそうなんですか?先ほどのお話だと企業を選ぶ基準を明確にしてからカジュアル面談に臨まないといけないように感じてしまったのですが。

竹馬さん: カジュアル面談を受けながらメンタリングされて「自分では分からなかったけど、もしかしたらこういう方向が向いているかもしれない」と気づけることもあるんですよ。だから面談する側もちゃんと相手に考えさせるような高度なメンタリングスキルがいるんです。

例えばこちらから質問して候補者からエピソードを引き出すと「実はその時こういうことを思ってました」と、後から本人が気づくんですよね。それをきっかけに、「自分では普通だと思ってたけど、本当は強みだったんじゃね? 」って気づけた人は、比較的伸びるのが早かったりするんです。

たとえば、面談をした時に自分の進路にモヤモヤしていた人でも、3ヶ月後に会った時にフロントエンド界隈のコミュニティをめっちゃ盛り上げてるよとか、結構頑張っているねという評価になる人もいます。だから カジュアル面談で得た印象なんて分からない ですよね。

海野さん: 話している内に方向性が固まってくることもありますしね。悩みが何もないのも問題なのですが、何で悩んでいるのかという核の部分があると「私の場合はこうでした」という話ができるんですよ。

仮に転職意欲がなくても「自分の目指す方向性が見えてきたな」と思ってもらえたり、「今日聞けた話は面白かったな」という印象を抱いてもらえれば「転職するかどうかはさておき、楽しいカジュアル面談だったな」と感じてもらえますし。それこそ 社外1on1 というか、それはそれで楽しいんですよね。

ーカジュアル面談をそんな場として使ってしまってもいいんでしょうか。

竹馬さん: それくらい気軽に来てもらっても、私は良いと思ってます。というのも、 候補者の可能性を引き出すという面もカジュアル面談の要素であるべき だと思うので。「この人はモラトリアム的に悩んでるんだ」とか、「逆にがっつり方向性定まってるんだな」とか、そこら辺は面談をするこちら側が見極めてあげる必要があるんですけどね。

カジュアル面談では選考をするべきではない 

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ーここまで色々とカジュアル面談についてお話を聞いてきたんですけど、一方で、面接はどういった場だと思われますか。

竹馬さん: 面接は「うちの会社の採用基準に合っているか?」というのを判断する場 だと思いますよ。面接で私がチェックするポイントは、「本人が向かっている方向性と、会社が向かう方向性の一致度合いが大きくズレていないか」ですね。

目指す方向性が開きすぎていると、本人が一生懸命頑張っても全然進んでいないことになってしまうので。

海野さん: 反対に、カジュアル面談は母集団の形成なんですよね。

竹馬さん: そのとおり!だから「採用につながるか」とかそんな風に成果主義にならなくていいんじゃないかと。別にその人が直接採用につながるかどうかなんて正直分からないし、それに自分が転職した次の職場でその人と会うかもしれないですし…。だからカジュアル面談では「この人と長いお付き合いをしよう」という感覚が大事だと思っています。

ーなるほど、カジュアル面談は間口を広げる活動で、面接は選考の場だと。どちらも採用プロセスの一部ではあるものの、明確に目的が違うということですね。

竹馬さん: そうですね。目的を混同してしまうと「意図せず選考されてしまった」というような悲劇が起こってしまうと思うんです。

だからこそ、私たちが業界全体で 「カジュアル面談と選考は目的を分けるべきで、カジュアル面談では選考をするべきではない」 という方向性をリードしなくてはいけないと思っています。

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