高精度なVRコンテンツとVR空間のユーザー行動を解析するAIを独自開発し、人材育成ソリューション「Guru Job VR」や、発達障害支援に向けた「emou」など、幅広い分野にその技術を提供しているジョリーグッド。
エンジニア採用で重視したのは、「テクノロジーは、それを必要とする人に使われて、初めて価値がある。」という理念に共感する人とのマッチングでした。
今回は、転職ドラフトでの採用実績から、エンジニア採用についての考え方や、実際に求職者とどんな話をしているのかについてお話を伺います。
プロフィール (右から)
土門 広弥 氏:株式会社ジョリーグッド 最高技術責任者 CTO
浅川 和久 氏:株式会社ジョリーグッド サービス開発部 プリンシパルエンジニア
若林 絵美 氏:株式会社ジョリーグッド 管理部 人事
専門知識よりも幅広い経験を重視
ー今回の採用は業界経験者でしたが、やはりVRの専門的な知識や経験はあったほうがいいですか?
土門: そんなことはありません。VR系の会社はどうしても「特殊技能や専門知識がないと難しいんじゃないか」と思われがちですが、実は私たちはあんまりそうは思っていなくて。どちらかといえば、幅広い知識を重視していますね。
たとえば、弊社で使っているiPad・iPhone・OculusGoが連携する仕組みはネットワークの知識が必要ですし、プラットフォームもAndroidベース・iOSベースでそれぞれ違うので、基本的にUnityで作っていますが、場合によってはOSごとのプログラミング知識が必要なこともあります。
強いて専門的な知識や経験でなら、ゲームの作法とは違うけれど、使っているのはゲームのプラットフォームなので、それに近しい経験知識を持っている人は魅力的ではあります。ただし、そうじゃないとなるとやっぱり幅広い知識・経験のほうが大事です。
ー実際に「こういう人が良いな」とまとめるなら、幅広くエンジニアとしての経験をしてきた方ということでしょうか?
土門: そうですね。オールラウンダーといいますか、VRに限らず広めの経験があるのは魅力的ですね。
問題が起きたときに、専門的な1つの視点だけでなく、自分の知識・経験を反芻して多角的に物事を考えられる人。その原因を的確に見つめながら開発を進められる人と一緒に働きたいと思っています。
VRと言っても高精度な実写VRが弊社の強みであり魅力でもあるので、このプロダクトに共感してくれる人というのも重要ですね。
やっぱり同じVRといっても、CGベースのゲームを作っていた方や、PC接続するタイプのVRゴーグルで開発されていた方からすると、まだ隔たりがあるかもしれません。
若林: あとは、VRで世の中の課題を解決したいという意識を持っている方とは、ぜひ一緒に仕事をしてみたいです。
※発達障害支援機関向けVRサービス『emou』
ーちなみに、ジョリーグッドのエンジニアさんはどのような環境で働いているのでしょうか?
土門: 弊社の場合、ディレクター職のようなサービス設計をする人がいるわけではないので、「こういうものを作りたい」とざっくりしたイメージが決まったら、開発チームがディテールを埋めながらサービスを構築していくケースが多いんです。
若林: なので開発チームのエンジニアも比較的よく喋りますし、基本的に雑談などもしながら楽しげに仕事をしています。弊社のエンジニアチームは、社内でも会話が多い方かも(笑)
浅川: たしかに。一般的なエンジニアのイメージとはちょっと違うかもしれません(笑)
ーなんだか楽しそうですね。会社全体でも結構コミュニケーションは多いのでしょうか?
土門: そうですね。代表がよく「一人ひとりの個性を大事にして、個の違いをみんなに楽しんでほしい」と言っていて。今活躍しているメンバーも個性豊かなのですが、お互いの個性を認め合い楽しみながらコミュニケーションをとることをとても大切にしています。
そして、そんなメンバー同士が影響し合うことで生まれる変化やアイディアが、個人やチーム、そして組織を育んでいく。
これが私たちのカルチャーの根底にあるので、サービスの企画や仕様を考えるところから関わりたい方は楽しめると思います。
若林: もちろん、採用に至るまでには実際に会って話してみないとわからない部分もあると思うのですが、転職ドラフトは最初にある程度求職者さんの志向が分かるのはいいですよね。
情報の多さを活かしたスカウトメッセージで、面接までの道筋を作る
ーなるほど。ちなみにドラフトの特徴でもある指名形式のアプローチ方法はいかがでしたか?
土門: こちらがいいなと思った人にジョリーグッドを知ってもらえるのはとてもよかったです。会社としてはまだまだ知名度が高いわけではないので。
転職ドラフトで採用が決まったエンジニアは、たまたまVR業界の経験があって、弊社の求めるニーズとマッチしていたので、採用はスムーズに進みましたが、他媒体であれば彼と出会えたとしてもすれ違っていたり、むしろすれ違うことすらできずに終わった可能性も十分にあったと思います。
ーここまでのお話だと、転職ドラフトに好印象を持っていただいてとても嬉しいのですが、正直スカウトメッセージとかは結構手間じゃないですか?
若林: 確かにスカウトメッセージは大変でしたね(笑)
ーですよね…(笑)
若林: でも、転職ドラフトって他の転職サービスに比べて求職者さんのプロフィールの情報量が圧倒的に多いので、こちらの希望に合った方とマッチングがしやすいし、スカウトを送る時に触れたいポイントも見つけやすかったです。
不特定多数に送るのではなく、こちらも「指名したい!」と思える相手に送るからこそ、その人のどこに惹かれたのか、どんなふうに活躍してほしいのかが明確になります。
手間ではありますが、比較的書きやすいとは思いました。
ー人気のユーザーには複数の企業から指名が入ったりもすると思うのですが、自社に興味を持ってもらうために工夫していたことはありますか?
土門: これはどのサービスにも言えますし、当たり前かもしれませんが、なるべく同じメッセージにならないようには気をつけていましたね。
さきほどの話にあったように、転職ドラフトは求職者の情報が多いので、相手の大切にしていることやキャリアビジョンをしっかり読み込んで、その人に向き合ったメッセージを出来るだけ丁寧に伝えるようにしています。
こちらからたくさんのアクションを起こしても、誠意が感じられなかったり、興味を持ってもらえないと意味がありません。
まずは弊社を知ってもらい、面接に来てもらうのが最初の難関なので、そういう意味でもメッセージの内容は結構工夫しましたね。
じっくり向き合う面接で、興味を持ってもらうチャンスに
ーエンジニア採用が売り手市場の現在、面接に来てもらうだけでもやっぱり大変ですよね…。
若林: そもそも知られていなければこちらから積極的にアプローチしていく必要があるとは思っていて。
だからこそ、面接に来てくださった方には、一人ひとり長めの時間をかけてしっかり向き合っています。現場エンジニアを複数人交えて、2時間位じっくり話すこともあります。
土門: 私たちとしては、面接の場を弊社に興味を持ってもらう機会にしたいという想いもあります。
相手の話を聞き、私たちのことも知ってもらうことで、双方でマッチング度を確かめていくのを大事にしているんです。
チャレンジ、スピード感、裁量、そしてアウトプットの多さ。余すところなく伝えたい魅力
ーなるほど。ちなみに面接では具体的にどんなことを話すのですか?
浅川: いろいろ話します。たとえば弊社でエンジニアとして働くメリットや他社との違いとか。
他社との違いであり魅力なのは、スピード感や裁量の大きさです。一般的な会社は上に話を通すために直属の上司・そのまた上司みたいに何層にも話を通さないといけないことがほとんどですが、僕たちはまだ30人程度のスタートアップなので、自分のアイディアがサービスに直結するような裁量をもって開発できるのが特徴です。
あとは、新しいことに挑戦的というのも個人的にすごく好きですね。
土門: たしかに、そこは弊社の魅力だと思いますね。技術的にもレガシーなものを使う気は無くて、常に新しいものを採用していく気持ちでやっていますね。正直、レガシーなものを使えば開発スピードは早まるかもしれませんが、後々のことを考えれば少し苦労をしてでも未来のスタンダートとなるであろう技術を使っていきたいと思っています。
ー最初のテレビ業界向けVRにとどまらず、サービス対象が広がっているアグレッシブさが、事業展開からもにじみ出ていますね。
浅川: 事業面でいうと「エンジニアとしてもっと違う業界にも関われそう!次はどの業界に挑戦できるかな?」というワクワク感がすごくあります。
私が入社した頃は、テレビ局向けプラットフォームサービスからのスタートだったのですが、今では、医療現場や発達障害の方に向けたサービス、VRを使ったフィットネストレーニングまで幅広く手がけていて、正直ここまで広がるとは想像していませんでした(笑)
※医療研修VRなど、人材育成のためのソリューション『Guru job VR』
浅川: あとは、展示会への参加が良い刺激になっています。エンジニアも展示会の手伝いや自社プロダクトの説明やデモを行う機会があるのですが、普通のアプリ開発だけだとエンジニアが直接ユーザーから話を聞けるチャンスはなかなかないので。
ー自分が作ったものをユーザーが楽しんでいるのを生で見られたら、やっぱり嬉しいですよね。
若林: そうなんですよね。他のエンジニアも言っていたのですが、アウトプットの機会に恵まれているのが嬉しいと。
土門: サービスによってはデモ展示という形で、7割くらいの出来のものを展示会などで出すこともあります。そこで得たフィードバックを自分たちのものにして、更に良くしていくっていうやり方をとることもあります。だからその分、アウトプットの機会は多いと思いますよ。
浅川: 自分たちが作っているものが、きちんと人に伝わって何かしらの反応が得られているというところが、エンジニアの私にとってはモチベーションに繋がりますね。