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「ブロックチェーン×フルサーバーレス」でALISが牽引する次世代型ソーシャルメディアの理想形

2019-03-07 08:00

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ブロックチェーンを使ったソーシャルメディアであり、次世代型のコミュニティ形成を図っていることで注目される「ALIS(アリス)」
同社は2017年9月にICOを実施し、約4.3億円相当の資金を調達。

Meetupやオンラインチャットなどでコミュニティからのフィードバックを浴び続ける環境でプロダクトの開発を続け、2018年4月にはソーシャルメディアのクローズドβ版をリリース。そして、2019年1月10日はついにオープンβ版をリリースした。

日本における数少ないICO経験企業として、ALISが見つめるサービスの今後とは?
前例のないフルサーバーレス開発についても、お話を聞いてきました。

(左から)
LEAD ENGINEER:冨樫圭樹
ENGINEER:成定怜士
CTO:石井壮太

「自分のデータは誰のもの?」を突き詰めて考えた

―ALISはブロックチェーンを採用している点で初期から注目されてきましたが、そもそもなぜ、ブロックチェーンを活用したサービスをつくられたのでしょう?

石井: もともと、2013年ごろからブロックチェーンの元になったビットコインが話題になっていましたよね。で、「何でこれが価値を持っているんだろう?」とすごく興味を持ったんです。調べてみると、技術として有用だし必ずグロースするだろうと。
その頃はフリーランスのエンジニアとして働いていたのですが、ずっと「何か新しいことをしたいな」と思っていたところで、代表の安と意気投合してALISを立ち上げることにしました。

―なるほど、ブロックチェーンという技術で何かできないか、というところがスタートなのですね。では、ALISのソーシャルメディアがどんどん普及していった先に描いている世界像というか、日常がどう変わるかを伺いたいです。

石井: 中長期的な話としては、ALISはWEB3.0のスタックを目指していて、なるべくユーザーにデータや利益を還元できるサービスにしたいと思っています。

―「WEB3.0」って、最近よく聞きますよね。詳しく教えてください。

石井: はい。「自分のデータは誰のもの?」っていう議論があるじゃないですか。個人のデータはサービスに管理されて利用されるべきなのか、っていう。

今の社会の仕組みって、データが中央集権型になっていて、例えばWebサービスごとにプロフィールや住所、クレジットカード情報などを何度も入力させられる。転用するときは、ユーザーの僕らがサービスに許可を得て他のところにデータを移すみたいな感じなんですけど、これっておかしいよね、という考え方が世界的に広がっているんです。中央集権型のデータが政治に関与する危険性も問題視されています。

これを打開するために、ブロックチェーンがメインストリーム寄りの技術として使えるんじゃないかと騒がれているのが、Web3.0のひとつの側面でもあります。
ディセンタライゼーション(Decentralization/非中央集権)とも呼ばれるのですが、ALISもそういうところを目指していきたいと思っています。

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―これまでの中央集権型なデータ管理の問題を解決しうる技術が、ブロックチェーンということですよね。

石井: その通りです。加えて、「クリプトエコノミクス」の文脈でよく話されるのですが、ブロックチェーンによって、エコノミクスの在り方が変わるんじゃないかという議論がされていて。

FacebookとかGoogleのような、顧客データから収益を得ている会社が今は莫大な資産を持っているけど、「それって本来は自分たちが収益をもらってもいいんじゃない?」と。
ALISのようなメディアのプラットフォームも「自分のデータは誰のもの?」問題のどストライクなところでして。

―と、いいますと…?

石井: 本来、ユーザーが作ったコンテンツはユーザーのものであるべきですよね。でも、現状はプラットフォームのものになっていて、属人的とは言えない。ユーザーが有益なコンテンツを作って発信していても、収益を得るのはプラットフォームだけだったりもします。

―確かに、現状ではプラットフォーム自体が力を持っていて、その中だけで価値が生まれている印象はあります。

石井: ブロックチェーンがあれば、そういう状況が変わる未来が予想できるわけですよね。少なくとも海外のIT先進国ではそのような議論は盛んになってきていますし。日本でも、誰もが平等に発信力を持つ時代が来るんじゃないかと僕らは読んでいます。

冨樫: つまり、「ここで書いたらプラットフォームに利益がある」というものと「こっちだったら直接自分の収益になる」っていうものを比べたときに、提供されるUXに差がなかったらどっちを使いますか?っていうのは、簡単に答えが出ますよね。 そこに大きなチャンスはあるんじゃないかなと。

尖った経済学者とかは 「データが新しいベーシックインカムになり得る」 くらいのことを言っていて、面白いなって思います。

―たしかに。ALISがメディアとしてどんどん成長していけば、「良いものを出したら儲けられる」っていう世界も考えられそうですね。

石井: 最終的にはそこまでできたら良いなとは思っています。まだまだβ版ですし、その実現に対しては1パーセントくらいしかできてないですけど(笑)

前人未到のフルサーバーレス開発

―ALISの開発はフルサーバーレスで行っているそうですが、ここは世のエンジニアの気になる点だと思うので、詳しく教えてください。

冨樫: フルサーバーレスでのプロダクト開発をやろうと思った理由はシンプルに「面白いから」ってところがトリガーではあるんですが、プロダクトに落とし込めるか、実装するメリットがあるか、という点に関しても、機能要件をすごく考慮して話し合いましたね。結果的に運用コストを格段に下げることができました。

―スタートアップがサービスをグロースしていくには、「運用コストを下げる」ことはかなり重要度が高いですよね。

冨樫: はい。 一台でもサーバーに繋がっているものを用意してしまうと、その先の運用コストにすごく差が出るんですよね。フルサーバーレスなら、「これパッチ当てる?当てない?当てるならテスト全部やり直しだよ…?」みたいな「開発あるある」の悩みから解放されるので、全体のコスト面を考慮すると、最初の開発が大変だとしてもサーバーレスには踏み切ってみたかったんです。
前例のない中をトライアンドエラーで進めていくのがしんどいところでもあったのですが、実際できたときは達成感がありました。

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―地に足をつけた上での有用性と、エンジニアとしての「誰もやっていないから面白そう」という好奇心が重なっての判断だったのですね。

冨樫: はい。リリース前に時間なかったこともあって、意思決定には瞬発力も必要だったのですが…やっぱり今思うと挑戦してみてよかったなと思いますね。

石井: サーバーの不具合を何も気にしなくていいっていうのは、こんなに楽なことはないよね。

冨樫: 「アクセスが増えた?ふーん。」っていう感じですもんね。僕は前職でインフラネットワークのサーバー管理をしていたのですが、当時は2人体制で数百台の管理をしていて…そのしんどさから解放されたのは大きいです。

石井: OSの脆弱性とかも気にせずやれるし、夜寝れるしね(笑)運用させていただいてからそろそろ1年経つんですけど、セキュリティーの侵害もなく、ありがたいことにセキュアに運用させていただけています。

冨樫: まぁでも、リリース直後はドキドキでしたけどね(笑)

サーバーレスとブロックチェーンは好相性

―ブロックチェーンにフルサーバーレスと、業界的にも最先端を行く技術を採用してみて、発見はありましたか?

石井: まずはブロックチェーンから言うと、全部が発展途上なので情報が本当に少ないんです。わずかにある情報も間違っていたり、公式のコードをコピペしても動かなかったり…。
公式にプルリクを出しても動かないし、何もあてにならないってところが割とあって、エラーを読んでも何も分からない。理由を突き止めようとしても「エラーですってことしか言ってないじゃんこれ」っていう状況が基本な感じ(笑)

でも分かったことは、 サーバーレスとブロックチェーンが非常に好相性 ということ。お互いの弱点や欠点みたいなところを補完し合う関係にあったっていうのが発見でしたね。

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―なるほど、その部分気になります!

石井: というのも、ブロックチェーンにはどうしてもお金の運用が絡むので、セキュリティー管理が重要なんです。その点サーバーレスなら、よくある「サーバーに侵入されて云々」っていうことが起こらないため、非常にセキュアです。

ただ、サーバーレスのプラットフォームであるLambdaと、お金周りの整合性を管理するために一般的に使われるRDSの相性がすごく悪いので、普通に考えるとサーバーレスはお金周りの扱いに適さない開発なんです。しかしALISの場合、整合性はブロックチェーンで担保することができる。お互いの長所を発揮しながらも弱点を補完し合う、すごく良い関係だったんですね。

冨樫: 整合性が必要なデータはブロックチェーンで処理して、そうじゃないものに関しては、サーバーレスで頑張るっていう設計ですね。

冷静に考えたら情報を開く方がメリットはデカい

―ALISは当初からGitHubやTrelloを外部に公開するなど、オープンな開発をされていますが、そのメリットについても気になります。

石井: まず、閉じるメリットはすごく分かりやすいと思っていて、要は囲い込みですよね。でも、すごく冷静に考えたら 情報を外部に公開するメリットの方が大きい ですよ。怖いのは怖いんですけどね。

冨樫: オープンにしていると、自分たちの想定できなかったメリットが次々に見つかるんです。ALISでは定期的にMeetupも開催しているのですが、コミュニティでフルサーバーレス開発のことをオープンに発信していたら、日本におけるサーバーレスの第一人者ともいえる著名なエンジニアさんから直接声をかけて頂き、結果参画頂くことができたり。

石井: 数字には出ないメリットがすごく大きいのが、オープンにする価値だよね。そもそも、開発に関しては全部公開しようっていう話は最初からしていました。その方が楽しい。

冨樫: 楽しいですね。公開しているGitHubにも毎日草が生えるし、外から見ても「ちゃんと開発してるじゃん」っていう信頼性が保てるので。
いくら自分たちが「ちゃんとやってるよ!」と言っても、実物がなければ僕らみたい小さな企業を誰も信用してくれないじゃないですか。

―競合に情報を渡してしまうリスクもあると思うのですが、そのあたりはどうなのでしょう?

冨樫: ALISは技術的なところだけじゃなくて、文化とかコミュニティが強いと思っています。だから、むしろパクってもらって ブロックチェーン業界を盛り上げていきたい気持ち の方が大きいです。
同じように、サーバーレスもまだまだ発展途上なので、技術面でプレイヤーが増えるのは大きなメリットがあるし、ALISと同じようなサービスが出てきても負けないくらいの感じでいたいですね。

コミュニティと会社との垣根をなくすのがゴール

―新しいものをやっていきたいっていうエンジニアさんにとって、ALISはモチベーション高く働ける場所だと思うのですが、どうでしょう?

石井: まずはやっぱり尖った技術を意識的に採用してるってところが楽しさにつながるんじゃないかと思っています。そこはやっぱりエンジニアとして多くの人がすごく気になるところなんじゃないかな。

冨樫: そうですね。日々開発をしていて、自分でも「これ、みんなも作ってみたいんじゃないかな」って思うような環境ではあります。

―成定さんは転職ドラフトを使ってALISにジョインされたんですよね?ALISとの出会いについて教えてください。

成定: ブロックチェーンを扱った仕事がしたくって転職ドラフトに登録しました。どんな企業があるのかをまずは知りたかったんです。開催から1日目か2日目くらいに指名がきたと思うんですけど、石井さんからすごく熱い指名が届いて(笑)今でもあれは覚えてます。論文のような書式で ドン!ドン!ドン! って推しポイントが並べられていました。

石井: 良い構成だったでしょ?

成定: はい。良い構成でした(笑)しかも一番最後に、「弊社のエンジニアが、成定さんのTwitterを見ました。ポプテピ好きな人に悪い人はいない」って書いてあって。僕、Twitterのアイコンがポプテピピックだったんですけど、 それがジョインの決定的な要因 でした。

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石井: 「ポプテピピックめっちゃ面白いってエンジニアが言ってます」っていうことを書いて。僕としては1話だけ見て「これ俺には早かったな」っていうものだったんですけど。

冨樫: いやいやいや、何を言って…!これ言っていいかな?って気にしてたでしょ(笑)ただ、あれを書いて来てもらえない人はマッチしないんだろうなっていうところはあったんで。

石井: 性格的にどんなにいい人でも、感覚的にちょっと合わないんだろうなって方は、多分合わないと思うんですよ。

冨樫: 技術力がすごく高くてイベントで発表してるとか、オープンソースに精通しているとしても、やっぱり意見交換のしやすさは必要です。なんかちょっとウチと合わないんじゃないかっていう風になると、やっぱり意見の交換とかもしづらくなったりするんで、カルチャーマッチはすごく重要ですね。

―最後に、今後ALISがやっていきたいことを教えてください。

冨樫: もっとコミュニティを巻き込んでいきたいです。ALISがやりたいことを全部やっていこうとすると、 社内の力だけでは絶対に足りない んです。今後はOAuthを利用することでコミュニティの皆さまもじゃんじゃんALISで遊んで欲しいです。ALISの強みであるコミュニティとの密な連携を活かして、これまで以上にコミュニティと会社の垣根をなくしてプロダクトを進化させていきたいと思っています。

あと、これは個人的な思いですが、いずれはコミュニティと会社の区別なく、それぞれが興味のあるプロジェクトに参画していく社会になったら面白いし、ALISもそのひとつであったらいいなと。とはいえALISの理想形にはまだまだ程遠いので、今後も情報をオープンにしつつ、ブロックチェーンとフルサーバーレスの先駆け例として楽しんでやっていきたいです。

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