2019/01/10

初代バチェラー久保裕丈が語る組織論。目指すのは「みんながどこまで自由になれるか」

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初代バチェラーとして世間にその名を知らしめた久保裕丈氏。
現在は家具レンタルサービスを行う「CLAS」を起業し、経営者としての日々を送っている。

東京大学大学院を卒業して、大手コンサルティング企業に就職した後に、ファッションECの会社を設立。そしてバチェラー・ジャパン出演後はCLASの創業と、輝かしい経歴を持つ久保氏。

転職ドラフトが2018年11月から 業務委託としての指名も可能になった ことを踏まえ、正社員雇用に固執することなく成果を出すマネジメントや組織論について伺った。

株式会社CLAS
代表取締役社長
久保裕丈
東京大学、大学院を卒業。大手外資系コンサル企業で経験を積んだ後、ファッションECを運営するミューズコー株式会社を創業し、後に売却。2017年には『バチェラー・ジャパン』に出演し、初代バチェラーを務める。
現在はインテリアのレンタルサービスを行うCLASを立ち上げ、2度目となる起業と経営に力を注いでいる。

バチェラー経験から言える、恋愛とマネジメントの共通点

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― 俗っぽくてすみません。やっぱり気になるので、まずはバチェラーのお話を伺いたいなと…。

久保: 大丈夫ですよ(笑)

― 番組を通して学んだことや、経営に役立っていることってありますか?

久保: バチェラーは学びの場というより、経営者として学んできた行動様式や人に対する態度をアウトプットする場だったように思います。

実は出演前に会社を経営していた頃、僕の未熟さもあって最後の方は組織づくりがあまりうまくいかず…。
そのときに、ベタではあるのですが経営やマーケティング、思想などに関する本を読み漁っていたんです。それらの本で学んだこと・気づいたことを、バチェラーの中でも自然と活用していました。

― 経営で学んだことを恋愛でも活かす。どのようなことを意識していたのでしょうか?

久保: たとえば、「何かを与えてあげる」という気持ちが強いと、自分が大変になってしまうんです。だから、一緒に物語を紡ぐ彼女たちに対して常に感謝の気持ちを忘れず、まずは彼女たちを理解することに努める。このあたりは常に意識していました。

でもこれって実は、組織づくりや経営でも一緒なんですよね。

― 恋愛と組織マネジメントがですか??

久保: 僕はもともと経営コンサルをやっていたのですが、コンサルの仕事って「課題の本質を見極めて、それに対して正しい手を打つこと」なんですよね。
ただ、悩みの原因を履き違えてしまったり、打ち手を間違えてしまってうまくいかないことって、誰もがやってしまいがちなんです。

企業の場合は、そういった失敗を最小限に抑えるために、正しい打ち手を打つためのTipsが少し多かったり、失敗したときのリスクが大きかったりするだけ。

「課題の本質を見極めて正しい手を打つ」ということ自体はいろいろなことに共通しているので、決して特殊なことではありません。

これは恋愛にも言えることで、自分の現状や相手のことをしっかり見極めて、最善の策を考える。そのためには相手を理解する努力や感謝を忘れないことが大切だと思うんです。

― なるほど。確かに共通点もありそうですね…。そうなるとなおさら、久保さんがどんな組織マネジメントをしているのか気になります。

久保: どうぞなんでも聞いてください。

ミスマッチを防ぐためにも業務委託からのジョインを歓迎

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― CLASでは正社員採用だけにこだわらず、柔軟な組織づくりを進めていると伺っています。現在はどのようなスタッフ体制なのでしょうか?

久保: 現段階では、正社員と業務委託は半々くらいですね。業務委託のスタッフに関しては、業務内容と雇用契約によって出社義務はそれぞれ。何日かは絶対出社するという人もいれば、完全リモート作業で打ち合わせのときだけ来てもらう人もいます。

― 業務委託と正社員では仕事内容や職種は分けていますか?

久保: 職種などでは分けていません。ただ、フルコミットしてもらいたい業務は、今後正社員として採用を進めていきたいと思っています。

例えばデザイナーやエンジニアなど、常日ごろ改善を積み重ねていくことがサービスの品質向上につながる職種がそれに当たります。

ただ、こういった技術職はマッチングを判断しにくい場合もあるので、まずは業務委託でお願いすることもあります。
そこからビジョンの共有ができていると思った人に正社員のオファーを出す方が、双方にとってリスクが少ないですよね。だから今後も、CLASでは業務委託から正社員へのオファーをするケースが増えていくと思います。

反対に、大きい契約をとってくる営業や大きなメディア露出を狙っていくような広報など、単発で大きなバリューを発揮できたり、個人のネットワークが活用される仕事は、業務委託で短期的に携わってもらうのもアリだと思っています。

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CLASのサイト画面

― 久保さんは以前にも会社を経営されていましたが、今回のCLASと比べて組織マネジメントの部分で違いはあるのでしょうか?

久保: それこそ、前の会社ではほとんどのスタッフが正社員雇用でした。
前回は起業家のよくやる失敗を一通り経験していて(笑)事業計画も成長ごとの採用プランも長期的な設計がしきれていないまま、「このポジションが足りない」と思ったらその都度慌てて正社員として採用してしまっていたんです。

CLASでも正社員採用を積極的に行いたい気持ちは一緒なのですが、前回の経験から、3ヶ月〜半年先にどういう体制が理想なのかを常に考えているので、そのシミュレーションに合わせて余裕を持った採用を進めています。

― 先を見越して、採用も計画的に行なっているんですね。

久保: はい。以前のように必要に応じての採用だと、チームの一体感や意思統一が図りにくくて。だから今はバリューやビジョンが合致するメンバーで固めて、自律的に動けるチームを作るのをすごく心がけています。

そういう意味でも、業務委託から正社員へとオファーするっていう流れは、そこをきちんと見ることができるのでありがたいです。

業務委託でオファーをする人には、経験値に対する期待が高い

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CLASオリジナルの家具をレイアウトした参考例

― では、正社員雇用と同時並行で進めていくなかで、業務委託や副業の方を採用をするメリットはどんなところですか?

久保: タイミングごとに必要なスキルセットの人をアサインできる点ですね。
ベンチャーって成長スピードがすごく早いので、段階ごとに求められるスキルも変わってくるじゃないですか。

正社員の場合は会社の成長に合わせて一緒に成長できるようにサポートしますし、もちろん今後も会社を引っ張っていってもらうことを期待します。
とはいえ、会社の成長を加速させるために、スキル補完も重要。タイミングに合わせて必要なスキルセット・マインドセットを持つ業務委託の方をアサインするのも必要だと思っています。

― 実際にCLASで業務委託のスタッフを多く採用してみて、どんなことを感じますか?

久保: パフォーマンスが圧倒的に高いですね。いろいろな現場を見た上で学んできている人が多いので、経験値がすごく高いんです。

中には副業でジョインしてくれているスタッフもいるのですが、会社から副業を許可されている人って、本業でもしっかりパフォーマンスをあげていないといけないわけで。
フリーランスも同様ですよね。評価される成果を出さないと仕事がもらえないですから。
そういう人たちって「粒ぞろい」というか、面談したときのレベルが高いように感じます。

― 「粒ぞろい」って、なんかかっこいい。

久保: 実は僕自身も2年ほどフリーランスで経営顧問などをしていた時期があって、その時に他の会社で学んだことが今も役立っているんです。
他の会社に顧問などで入ると、その企業の経営者と近い距離でコミュニケーションが取れるので、いろいろな気付きがあって。

たとえば失敗の類型化ができたり、世の中のベンチマークがつけやすくなったり。
だからCLASでも、目標に向かってしっかり活動できているのであれば、副業OKにしています。副業をすることで、実は本業にとってもプラスになるケースって多いんですよね。

― なるほど。では、業務委託として採用するスタッフには、具体的になにを期待されているんでしょうか。

久保: やっぱり即戦力であること、そして即アウトプットができることですね。
たとえば業務委託契約でお話を進める際に、「1年契約がマスト」とか、「最初の3か月はスタディー期間にしてほしい」みたいに言われてしまうと、ちょっとオファーしづらいです。

ベンチャーのスピード感としては、じっくりやって100点よりも、50点のアウトプットをスピーディーに出せるほうが重要だと思っています。

縛りすぎても、野放しでもダメ。マネジメントのバランス感で、パフォーマンスの高い組織をつくる

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― 久保さんが目指している理想の組織像についても知りたいです。

久保: CLASのビジョンが「『暮らす』を自由に、軽やかに」なのですが、スタッフの働き方に関してもこれは同じです。自由に軽やかに働ける組織にできると、それだけ新しいことへのチャレンジも生まれやすいかなって。

だから経営者として一番気をつけているのは、「みんながどこまで自由になれるか」ですね。でも、組織としての仕組みづくりについては、まだ模索段階なんです。

― たしかに、制約の多い組織ではクリエイティブな発想は生まれにくいかもしれないですね。とはいえ自由すぎてもマネジメントしにくいと思うのですが…そのあたりはどのようなバランスを目指しているのでしょうか?

久保: そうですね。理想は、働く場所や時間にとらわれず、お互いの信頼関係やアウトプットによって繋がっている状態です。

そのためにもCLASでは「和を重んじ、環を創ろう」という意識を大事にしているので、チームワークだったり助け合いは文化として根付いてくれていると感じますね。

あとは、まだまだ僕らはベンチャーなので制度面の変化が多いんです。それこそ目標設定のあり方などは月ごとに変わったりもしているのですが、みんなバリューの一つである「変化にしなやかに、したたかであろう」を受け入れてくれるなと思っていて。

やっぱりバリューへの共感を大前提として採用しているので、スタッフがそれに沿った行動をしてくれているからこそ、信頼して任せられるなと感じています。

― 理想の組織を作り上げるために行っていることはありますか?

久保: ベタですけど、OKR(Objective and Key Result)* の正しい運用です。週次のプライオリティを決めて、週の最後にフリーセッションで目標に対する進捗確認をする。さらにみんなでレビューをして…と愚直にOKRの王道に則り、それぞれ日々の業務を進めてもらっています。

OKR(Objective and Key Result)とは?
Objective(目標)とそれを達成するために必要なKey Results(主要な成果)をリンクさせて生産性を高めるための目標管理手法。Googleやメルカリでも導入されている。

その分、任せると決めた仕事は任せきることを大事にしています。もちろんその人のスキルを加味した上で最低限のレビューなどは行いますが、基本的には実務について僕が手を出すことはほとんどありません。

― 自由な組織を維持するためには、個々人の目標に対するコミットが重要ということですね。ところで、久保さんが経営者として面白いと思う会社や組織はありますか?

久保: 面白いという視点よりも、正直「パクりたい」って思っているのはメルカリさんです(笑)
立ち上げのタイミングから外しのないビジョンやバリューの設定・体制の仕組みなど、相当な規模にスケールするところまで見越しているのが分かるので。シリアルアントレプレナーたちが立ち上げたのもあって、さすがですよね。
僕も2回目の起業なので、そのあたりはすごく見習いたいなと思います。

1度目の起業だと失敗の累計化ができていないので、だれもがだいたい同じ失敗をすると言われているんです。そうなると、ある一定程度までは業績が伸びるのですが、そこから先の成長が鈍化しやすい。
CLASではその失敗を踏まないように、先を見据えていかに手前手前で仕込めるかを大切にしています。

― その他に組織づくりの部分で気になっている企業はありますか?

久保: 組織でいうと、海外のメガベンチャーは注目しています。UberしかりAirbnbしかり、これだけのスピードでグローバル展開をして、ローカライズしていて、きちんとシェアも取っていけるのはすごいと思う。

CLASもいつか必ずグローバル展開したいと思っているものの、具体的な策やそのときに必要な組織の要件は、まだはっきりとは見えていません。そこは今後考えていかなくてはと思っています。

メンバーの打率を上げることが、経営者としての新たなチャレンジ

― これからさらに会社を成長させていくにあたり、久保さんがメンバーに求めるものは何でしょうか?

久保: 一番は、バリューに賛同してくれる人です。あとは「自ら打席に立てる人」。
会社の勝ち負けや競争を決めるのは、一個の打ち手の大きさよりも、どれだけ打席に立てたか、トライできたかだと思うんです。
ビジネスが上手くいったからといって、同じことだけを一年続けていたらきっと衰退するんですよ。

だからこそ、仲間たちがそれぞれ自律的に打席に立ち、どれだけ打率を上げられるかがポイントになってきます。
主体性がないとアウトプットがなかったり、どうしても周りのせいにしてしまいがちですが、そこに学びはないと思っているので。
そんな組織としてスケールさせるためには、各個人の努力も大切ですが、それを促進するための仕組みが肝心なんですよね。

その仕組みをインストールするのは僕の役目。
つまり、一人ひとりが自律的に打席に立ち、打率をあげられる組織を作り上げられるかが、今後の僕の重要なチャレンジだと思っています。

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