TVでおなじみの「エレメンタルストーリー」、「SHOPLIST.com by CROOZ」のCM−−。全て、クルーズ株式会社が手掛けているサービスだ。六本木ヒルズにオフィスを構え、年商200億円を突破。日本有数のITベンチャーに成長したCROOZだが、CTO鈴木氏は「今後さらなるホームランを狙う」と熱く語る。CTO鈴木氏の考える、ビッグタイトルを生み続ける開発体制と、今回ドラフト指名したいエンジニアとは。
大規模タイトルに携わりたい、自分のプロダクトを持ちたいエンジニアが集結
Q.CROOZの社員は、前職どのような会社にいた方が多いのですか?
約7割は同じソーシャルゲーム業界の同業他社、残り3割はSIerから転職されていますね。同業他社出身者は、大規模タイトルの開発に携わってみたい、もう少し負荷があるサイトをやってみたいという理由から入社される方が多く、一方でSIer出身者は、これまでクライアントサービス開発や運用に関わった経験から、今度は自分のプロダクトを持ちたいと考え入社される方がほとんどです。特にSHOPLIST.comではそういうビジョンを持って入社されたエンジニアが多いと感じています。
Q.なるほど。SIer出身の方もいらっしゃるのですね。
はい。特に中小の独立系のSIerから来た方がとても活躍しています。その理由は、SIerで働くと人間性を鍛えられるからだと思います。自分自身を営業として売り込まないと次の案件を取れないので、自分からプロダクトを良くしていこうとするマインドを持っているんですよね。将来的に自分のプロダクトを持ちたいという強い思いがあって入社している方も多いので、長くご活躍していただいています。
Q.今回のドラフトに参加する他の同業他社と比べたCROOZの魅力は、どのようなところですか?
特にビッグタイトルに携わりたい、生み出したい、という方に絶好の会社だと思います。IRの決算説明資料でも明言している通り、今後、新規タイトルも年間1本または多くても2本に絞って戦略的に「ホームラン」を狙っていきます。業界を代表するモンスタータイトルをこの手で作りたいという方は大歓迎です。
エンジニアの提案から、プロダクトの鍵を握る意思決定がされることが日常茶飯事
Q.エンジニアが、ビジネスや企画にどんどん関与するのが貴社の特徴だとか。
そうですね。CROOZは職種関係なく、事業に対して発言できる点が、同業他社と違うところだと思います。むしろぜひ、エンジニアにユーザー視点で積極的に提案してほしい。エンジニアは全社横断の開発本部ではなく、各事業部に配属されるんですよ。一つのチームに、エンジニア、デザイナー、プランナー、ディレクターがいる形です。だから、エンジニアも「俺だったらこの企画もっと良くできる。だからこうしよう。」という話ができます。これは他社に比べた会社の強みにもなっていると思います。
Q.階層も少なく、役員の距離も非常に近いそうですね。
プロデューサー・ディレクター・メンバーの大まかな3階層しかありません。かなりフラットですね。基本的に、事業部のプロデューサーは役員が務めているので、意思決定者がいつも隣にいます。ですから、筋の通った話が出来ていれば「分かった!じゃあ、そうしよう!」となることも「珍しい」ではなく、当たり前にある情景です。プロダクトの鍵を握る意思決定を、自分の提案で動かせてしまうこともあるので、責任は重いですけどやりがいのある環境だと思いますよ。
Q.組織構造や人事評価も、エンジニアの納得度の高い仕組みがあるとか。
組織表はマトリックス構造になっていて、事業部の上司に加え、エンジニアの上司も二重にいるイメージです。だから人事評価もエンジニア視点で行えますし、技術課題でつまずいてもすぐに先輩に相談できるので、計画的にスキルアップできます。私もいちエンジニアとして、事業部に部下を持っています。
プランナーはプログラミング必修。フルスタックへの学習もしやすい「越境型組織」
Q.今、エンジニアは何名いらっしゃるんですか?
全社員は368名(2015年12月末)で、そのうちエンジニアは150名弱です。デザイナーを合わせると、全社員の半分以上がエンジニアリングスタッフですね。またプランナーにエンジニア経験者が多いことも、特徴の一つだと思います。
Q.新卒社員は職種関わらず、全員プログラミングを学ぶそうですね。
はい。私が研修の責任者をやっています。今年の新卒社員には全員、入社前にLPICの試験を受けてもらい、月一でDB設計研修を行っています。会社の方針として、将来プランナーになるメンバーは全員、必ずエンジニアを経験するようにしています。エンジニア経験があるとプランナーになった時、企画や開発内容の落としどころを探すのが早いし、現場のエンジニアもプランナーと連携する際にストレスがありません。今スピードが早い事業体制がどんどんできています。
Q.会社として、エンジニアのフルスタック化を後押ししているということですか?
エンジニアの職能毎に役割を分担した開発はしたくなくて、少数精鋭でかつフルスタックな人材で開発していく方向に舵を切り始めています。そのため、異なる職能向けの勉強会を社内で積極的に行っています。例えば、サーバーサイドエンジニアを対象にしたネイティブの勉強会、フロントエンドエンジニアを対象にしたサーバーサイドの勉強会などです。すぐに仕事でアサインすることは難しいので、まずは勉強や趣味レベルで出来るようになってもらえれば良いとしています。段階を経て、ちょうど良いプロジェクトがあればアサインしているので、フルスタックに興味がある方がいれば取り組みやすい環境ですよ。
Q.それは良い環境ですね。会社としてフルスタックな開発体制を進める狙いはなんですか?
職能間の無駄なコミュニケーションが減少します。さらに言うと、フルスタックでマネジメントもできる人材が増えれば、より少数で組織を回せるはずだからです。事業を加速させることになるし、結果的にコスト縮小させ営業利益を増やすことにもつながります。皆、学習し始めるきっかけさえあれば、興味があるので学習し始めるんですよね。こうして、各自の専門性を、どんどん横に伸ばしていきたいと考えています。
Q.CROOZにはどんなタイプのエンジニアが多いのですか?
結構いろいろなタイプがいますね。スペシャリスト志向の方、広く浅く横の方向に能力を伸ばして技術部門のマネージャーを目指している方とか。ちなみに、D2C社様が運営する『スマ検』(スマートデバイスアプリ開発技術検定試験)でUnityの監修をしているのは、CROOZのエンジニアです。私も含め、約5人で監修しています。Unityにご興味がある方なら、かなり面白いお話できると思いますよ。
「オモシロカッコイイ」を創るため、会社全体がクオリティにストイック
Q.CROOZは次々に大きなビッグタイトルを出していますが、その秘訣はなんですか?
「オモシロカッコイイ」プロダクトを創るため、ストイックに高い品質を求めているからです。クオリティやビジネスマインドは相当高いモノが求められる環境ですよ。
Q.どのような点を、徹底的に追求されているのですか?
例えば競合タイトルの起動時間、初回ロード時間など、すべて調べています。それと比較して、自社タイトルのデータが基準を超えないと、リリースさせません。また、アプリの継続率や新規ユーザー獲得に大きな影響を与えるレイティングを下げ兼ねない通信の遅延などを防ぐため、あえて通信を遮断できる環境を作り、遅延が起きないか実験しています。
加えて、品質管理として、アプリの実装バグを潰す、というレベルではなく、ユーザーが体感的にバグと感じるものを全部洗い出して潰すまでリリースしないようにしています。
Q、リリース直後の品質管理も徹底されてそうですね。
そうですね。リリース直後は、発生したバグはその日のうちに全部ディレクターに報告し、対応してもらっています。またCROOZの品質管理部門(QCM)は、「お客様からこういうお問い合わせがきています」というレベルを超えて、「ユーザーが本当に言いたいことは、こういうことだと思います。だから、ここはこういう風に直してください。」という提案までしていますね。
Q.そのレベルまで会社全体として徹底されているのは、すごいですね。
それだけではありません。成功事例や時には失敗事例を全社共有するため、ナイアガラテレビという社内放送のシステムがあります。「過去にこのタイトルでこういう事例が起こりましたので、ここは絶対に気をつけてください」と放送しているんです。
また過去の失敗は全部チェックリスト化して、次のプロダクトリリース時はそのチェックリストを全部埋めてからリリース申請しています。点の話で終わらせずに、文化として恒久的に続けていく仕組みを全社的に作っています。
事業にコミットでき、一つの専門分野を確立している方をドラフト指名したい
Q.今回、転職ドラフトでどんなエンジニアに会いたいですか?
今回のドラフトでは、CROOZのエンジニアチームのリーダークラスを採用したいと思っています。見ているポイントは、二つ。一つは自分が持っている専門技術を基に、事業にコミットできるかどうかです。例えば次のイベントの売上にコミットしてください、という意味ではありません。持つ技術を使って事業サイドに選択肢を提示して、期限内に定められたものを作れる人材が今回求めているエンジニアですね。
もう一つは、何か一つの専門分野を確立しているかどうかです。一つ確立しているところがないと横に広がっていく速度が遅いと思っています。私自身の例を挙げると、PHPはCROOZに入るまで本格的には触ったことなかったんです(笑)ただC#での経験があり、.Net Frameworkを使ってフレームワーク開発はしていたのでその感覚は分かるわけです。
Q.どのような職種のエンジニアを募集されていますか?
強いて言うとサーバーサイドエンジニア、フロントエンドエンジニアでしょうか。ただあまり職種で分けたくないです。理想を言うと、2つ以上の専門分野を持っていて、職種間の結節点になれる人がいいですね。周辺領域が分かっていないと他の職種とコミュニケーションギャップが生まれ、リリースの遅延要因になるんです。それは避けたいなと思っています。
Q.サーバーサイドはPHPを採用しているとのことですが、PHPの経験は必須でしょうか?
特にPHPができなくてもいいですよ。Webアプリケーションフレームワークを使っての開発経験があり、プレイヤーとして上から下まで一人で回していける人物であれば、基本的に弊社はウェルカムですね。RailsでもJavaでもなんでも大丈夫です。ただ第一線のプレイヤーとして居続けられる人でないと、本質的なマネジメントは難しいと思っています。自分がPDCAを回せない状態で、人のPDCAを管理するのは難しいですから。
Q.鈴木さんが「採用をしたい」と思う方に共通するのは、どういう点ですか?
一言で言うなら職人として“芯”のある人でしょうか。特に私が面接で見ているのは、表面上の言語や実装の話ではなく、設計思想や運用思想です。
Q.最後に一言、お願いいたします。
ある程度のバックグラウンドを持ちつつ、自分の専門分野を一つ確立しており、これから「ホームラン」を当てに行きたいと考えているエンジニアがいればぜひ来ていただきたいです。業界を代表するモンスタータイトルを自分たちの手で生み出していきましょう!
CROOZ株式会社
執行役員 最高技術責任者 / CTO
鈴木 優一(すずきゆういち)
コンテンツプロバイダーに新卒入社後、出向先のマーケティング子会社にて分析システムや共通Webサービスの企画開発に従事。その後、本社で共通Webサービス開発やオフショア案件にて経験を積む。2012年にCROOZ入社後、自社で導入する技術選定やフレームワークや開発ツール整備のほか、開発・インフラQC、CS、人材育成の部門の管理運営等を担当。2015年12月よりCTOに就任。
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