テーマは技術チャレンジとコミュニケーション。WACULの開発合宿はアドベンチャー性満点だった!

2017-08-27 16:38

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WACULはGoogle Analyticsのデータを人工知能で分析し、改善提案を自動化できるサービス『AIアナリスト』を提供している。2010年の設立から提供してきたWebコンサルティングの知見と、サービスを作りたいという思いが生み出したプロダクトだ。2015年5月のリリースから現在までに登録数が13,000サイトを突破するなど順調に成長している。
そんなWACULの成長を支えるものの一つに開発合宿がある。神奈川県は真鶴町で行われた彼らの開発合宿に同行し、その秘訣に迫った。

インタビュイー
株式会社WACUL CTO
包 直也(つつみ・なおや)
株式会社WACUL デザイナー
三重野 俊平(みえの・しゅんぺい)

合宿では業務に関わることは禁止!新しいことにチャレンジせよ

ーWACULさんでは合宿文化が根付いているとお聞きしましたが、そんなにたくさん合宿やっているんですか?

包: そうですね。開発合宿は年間4回やる計画になってます。役員の合宿や、デザイナー合宿もありますし、ビジネスチームもたまに合宿してますね。

ー今回の開発合宿では具体的に、どんなことに取り組んでいるんですか?

包: それぞれ自由に、”普段やらない新しいことにチャレンジする”というテーマでやってます。たとえば、解析チームのエンジニアは「L’Arc~en~Cielの曲に『降り注いだもの』一覧」の他アーティストバージョンに取り組んでいます。

ー降り注いだもの…ですか?(笑)

包: L’Arc~en~Cielの曲には「降り注ぐ」というフレーズが多く使われているらしくて、「ラルクの曲で『降り注いだもの』をまとめた一覧に笑いが止まらない」というTwitterのまとめが以前かなり話題になったんです。そこで「他のアーティストの歌詞も分析してみると何か傾向があるのでは?」ということで、色々なアーティストの歌詞に多く含まれるフレーズを自動で抽出するシステムを組もうとしていますね。

ーなるほど!それはおもしろいですね。

三重野: 西野カナさんでいうところの「会いたいのか会いたくないのか」みたいな感じですね。(笑)

一同:爆笑

包: もちろん真面目なことをやってるメンバーもいますよ。例えばLLVMで言語を作るチュートリアルをやっているメンバーもいますし、ファミコンのエミュレーターを実装しているメンバーもいます。slack botを作っているメンバーもいますし、非エンジニアがプログラミングのオンライン講座に取り組んでいたりもします。あとは、人狼ゲームをスマホでやるための開発をしているメンバーもいます。

ー本当に自由ですね。

包: そうですね。取り組むことに制限を設けていない理由は、合宿の最大の目的が、「業務以外の新しいことにチャレンジする機会を作る」だからです。

エンジニアって業務のプログラミングだけしていてもダメで、それだけでは後退しているのと同じだと思うんです。どんどん新しいことに挑戦したり、興味の幅を広げていかないと成長していきません。WACULのエンジニアは好奇心旺盛なので、自分から新しいことにチャレンジしたがりますが、業務が忙しかったりするとなかなか新しいことにチャレンジする時間を作れません。だったら会社としてそういった時間を作ってあげると領域が広がっていくかなと。

ー合宿の目標設定はどうしているんですか?

包: 新しいことにチャレンジする、という以外に個別の目標設定とかはないです。最初にみんなの前でやることを宣言してもらって、最後に成果発表をして盛り上がります。今後はもう少しチーム単位でテーマを決めて取り組んでもいいのかな、ということも考えていますが、純粋に自分が興味あることを深掘りしたいというメンバーもいますし、他のメンバーが何に興味を持ってるかを知ることができることも合宿の良さなので、強制はしたくないんです。自発的にチームで何かを作り上げるような雰囲気づくりはしていきたいですね。

非エンジニアも合宿に参加しエンジニアのテンションを体感

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ー開発合宿に非エンジニアが参加するというのは珍しいと思うのですが、デザイナーである三重野さんはなぜ参加されたんですか?

三重野:僕はデザイナーとして、ビジネスサイド、デザインサイド、開発サイド全てに関わっているのですが、エンジニアと話す時間が一番多いんです。なので、単純にエンジニアと時間をもっと共有したいと思って参加しています。それと、純粋にサービスを前に進めるために、知識としてもエンジニアリングのことを知りたいと思っているからです。

ー今回の合宿では何をされているんですか?

三重野: 自分のサイトのSSL化をしています。エンジニアから見ると簡単なことかもしれませんが、自分で証明書を発行したことがないので、やってみようかなと。

包: 無理に興味を持てとは言いませんが、WACULはプロダクトを作る会社なので、エンジニアがクリエイティブなことを考えるとき、どういうテンションなのかを一緒に味わって欲しいんです。エンジニアってワイワイやりながら新しいものを生み出す傾向があるんですが、その空気感を味わって欲しいというか。合宿のもう一つの目的が相互理解の促進なので、非エンジニアが開発合宿に参加することはすごく意味があると思っているんです。

三重野: 参加は強制ではないので、全社のslackで呼びかけて行きたい人が手を挙げる形式になっています。あとは興味がありそうなメンバーに個別に声をかけるような感じですね。今日もデザイナーでもエンジニアでもない完全にビジネスサイドの人間も参加しています。

ーエンジニアと非エンジニアの相互理解を大切にされているんですね。

包: もちろんエンジニア同士の相互理解も深めていきたいです。WACULのエンジニアチームは分析のロジックを作るチームとフロントエンドのチームとバックエンドのチームで分かれているので、普段の業務で関わることのない人も出てきています。また開発系のエンジニアとデータ分析系のエンジニアではプログラミングを書くというところでは共通しているんですが、今までのバックグラウンドも違えば情熱を燃やす部分も違います。
でもいざ協力が必要になった時に他のチームの人が持っている知識や人となりを把握できていればお互いやりやすいので、そういった意味で心理的な障壁を取り除いておきたいという思いがあります。

でもいざ協力が必要になった時に他のチームの人が持っている知識や人となりを把握できていればお互いやりやすいので、そういった意味で心理的な障壁を取り除いておきたいという思いはあります。

ー実際に仲が深まったエピソードはありますか?

包: あるエンジニアが開発合宿がきっかけで、iPhoneのカメラに顔認識機能があることを初めて知ったんです。どういうことかというと、そのエンジニアはそれまでiPhoneで人を撮影したことがなくて、開発合宿で初めて人を撮影するタイミングがあって、そこでiPhoneのカメラに顔認識機能があるって気づいたんです。(笑) 仲が良くなったからこそ生まれたエピソードですね。

ーそれは間違い無く合宿の効果ですね!

WACULの合宿にはアドベンチャー性が不可欠

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ー合宿がうまくワークするためのコツは何ですか?

包: ずばりアドベンチャー性を重視することです。みんなでちょっと変わった体験を一緒にすることってすごく一体感を高めますよね。例えば前回の合宿ではプライベートシェフを呼んで料理を作ってもらいました。イタリアの野菜をメインに使った料理を作ってくれてすごく美味しかったです。

三重野: 夜ご飯は絶対みんなで食べることにしているのですが、すごい巨大な厨房がある宿に泊まった時はせっかくなので自分たちで作ることにしました。でも人数もそこそこいるので料理当番はずっと料理してましたね(笑)

ー宿選びにもアドベンチャー性を重視しているんですか?

三重野: もちろんです。Wi-Fiや電源などの設備が整っていて、開発合宿をやるのに適した施設は色々あるのですが、アドベンチャー性がゼロなので避けてますね。

包: 宿の確保には技が必要なんです。アドベンチャー性がありつつ開発合宿に適した場所は意外と少なくて、探すのが難しい。そこでたどり着いた技が、Airbnbで大きい家を借りることなんですけど、実際に行ってみるまで分からないというアドベンチャー性があるので、ここ最近はずっとAirbnbで宿を確保しています。

三重野: Airbnbで予約した宿だとギターが置いてあったり、ボードゲームが置いてあったりするのでそれで盛り上がってますね。

常に本質を問い続けるチームでありたいから、愛のある人が必要

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ーチームビルディングで大切にしていることはありますか?

包: 常に物事の本質を問いながら仕事ができるチームでありたいと思います。仕事って上から渡されたり、タスクとして割り振られると、それを終わらせるための作業と化してしまうことが多いと思うんです。でも、一つ一つの作業にどんな意味があるのか?本質は何かを常に考えることが大事。とても難しいことですし、答えが出ないこともありますが、諦めずに考えてほしいんです。その先にいいプロダクトやアイディアがあると思っています。

ー重要なことですよね。

包: でも一人で考えるのはすごく難しいので、周りのメンバーとコミュニケーションを取って、自分の考えを言ってフィードバックをもらうことがとても大事です。その中で各自が考えを育てていくことが、結果として会社の進む方向になっていくと思います。

ー本質を追求するためにも周りとのコミュニケーションが不可欠なんですね。

包: そうですね。ただそんな時に心理的な障壁があるとコミュニケーションが阻害されてしまうので、心理的障壁をなくすためにも合宿はすごく役立っていると思います。自分の考えを安心して発言できて、それをちゃんと受け入れられ一緒に考えられる環境が全社的にできてきていると思っています。

ー良い風土ができているんですね。

包: 議論する時は相手の意見を否定することもありますが、それは相手の人格を否定することでは決してないはず。物事の本質を議論し合うような健全な議論ができる環境を作りたいですね。

三重野: 非エンジニアの僕からみても、生まれ変わったらエンジニアになりたいと思うくらい、WACULのエンジニアチームはいい環境だと思います。

ーでは今後、どんな人と一緒に働きたいですか?

包: エンジニアとしてとびきり優秀なことは前提条件として、一言でいうと愛がある人に来てほしいですね。いくら仕事のことで意見が対立したとしても、人を思いやる気持ち、尊重する気持ちがあれば議論も間違った方向に進まないと思うんです。そんな愛のある人に来て欲しいです!

ー愛!今日の合宿を見ていても、とてもWACULさんらしいと思います!本日はありがとうございました!

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