2017/07/29

IVS優勝スタートアップの挑戦。「建設機械×IT」の未来はSORABITOが切り開く!

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SORABITO株式会社が手がける『ALLSTOCKER』は、中古の建設機械、重機、農業機械、運搬車両などを売買できる、アジア最大級のオンラインマーケットプレイスだ。建設機械×ITというユニークな領域で世界に向けた開発を行うのには、エンジニアとしてどのような醍醐味や苦労があるのだろうか。CTOの吉田翔氏、ソフトウエアエンジニアのカンタン・プレシ氏に話を聞いた。

働く機械の一生を幸せに-国際オンライン取引システム『ALLSTOCKER』とは

-いわゆる「建機」の国際オンライン取引システムということで、数あるITスタートアップのなかでも、かなりユニークな領域に挑戦していらっしゃいますよね。

吉田: そうですね。2014年に名古屋で創業したのですが、「働く機械の一生を幸せに」というコンセプトを掲げて、一貫して建設機械関係のサービスをやっています。

なかなかマニアックなので産業系の専門紙でしか取り上げられていなかったのですが、昨年秋のIVS(Infinity Ventures Summit)などのスタートアップピッチコンテストで優勝したことにより、世間一般にも注目してもらえるようになりました。

-「機械の一生を幸せに」というのは面白いですね。どういうことでしょうか?

吉田: 生産されてから2次流通して、最終的にはスクラップされるまでを働く機械の一生とすると、ちゃんといるべき場所にいて、ちゃんと仕事をしている時間が継続していることが、機械にとっての幸せではないかと考えています。

働く機械は本来、建物を建てたり、道路を作ったりと、さまざまな形で必要とされているはずです。しかし実際には山奥に放置され、欲しい人に届いていない状態が続いています。

反対に、東南アジアなどでは機械不足の状況が続いているので、我々はALLSTOCKERというプラットフォームを提供することで、必要としている人のところに必要な機械を届けています。

-具体的にはどんな方法でそれを実現しているのですか?

吉田: 『ALLSTOCKER』というサービスには大きく3つの構想があります。現時点でできているのはこのうちの2つの機能で、最初に作ったのがオープンに誰でも売り買いができるマーケット機能、次に作ったのがインターネットオークション機能です。

最終的にはこれらを通じて収集した機械およびニーズの情報をデータベースとして活用できるようにし、効率の良いデリバリーの仕組みを作りたいと考えています。

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エコシステムの不在とリテラシー-業界ならではの難しさ

吉田: こうして説明すると、よくあるインターネットを使った販売やオークションのスタートアップと変わりないように聞こえるかもしれませんが、この業界ならではの難しさが多々ありまして……。

-どんな難しさがありますか?

吉田: まず、扱っている商品の平均価格は数百万円と非常に高額なので、皆さんがインターネットにおける売買と聞いて通常思い浮かべる、クレジットカードによる決済は使えないです。

ならば銀行振込となるわけですが、数百万円を振り込むとなるとリスクも大きいですよね。仮に私が買い主だとすると、できることなら商品がちゃんと届いてから振り込みたい。けれども売り手側からすれば、入金が確認できてから商品を送りたいという心理が働きます。

-プラットフォーマーとしてもそこにはジレンマがありますね。

吉田: こうしたジレンマを解消して安全にお金を移すために、金融機関と組んで海外送金を使った決済の仕組みをゼロから作る必要がありました。

他にも、何十トンもある大きなものをネットで売り買いするというのはそれだけでも心配ですから、中古鑑定書の仕組みも独自で作って品質を担保しています。

このようにして、他の業界であればすでにエコシステムとして整っているものを自分たちで整えて、それでようやくメインのシステムを作れるようになるという苦労があります。

-聞いているだけでも果てしないですね。

吉田: 運送についても同様です。小物であればメジャーな運送会社があるけれど、この業界にはそういったものもありません。アフリカまで1か月かけて届けるのに、こちらが運送会社と一緒になって手配してあげないといけない。

そう考えるとやることが本当に多くて、果てしないですね。わかりやすくいうと、Amazonがない時代に来たみたいな感じです。

もちろんエンジニアからすると、そういう時代に最新テクノロジーを使ってどう作るか、みたいなことができるのは非常にやりがいを感じるチャレンジなんですけどね(笑) 

-やれることが多いというのはそれだけ楽しみも大きい、と。

吉田: はい。ただここでもう一つ、ITに不慣れな方が多いということです。開発で今時な最新の画面のデザインや機能ができたとしても、それを使う側の人が理解できないのでは意味がないんです。

なので我々がチーム内レビューで何をするかというと、まずこのUIや機能などを業界の人が理解できるかどうかという話から始めて、最適化していきます。自分たちなりに理想と思えるものをいろいろと作るのですが、それを理解してもらえるところまで落として、段階的に学習してもらってから、小出しにリリースしていく。そういうやり方をしています。

-なるほど。いずれ出すのであれば作ったものは無駄にならないわけだから、あとはどの機能をどういうタイミングで出していくかに集中すればいいということでしょうか。

吉田: もちろんそうなんですけど、なかなか理想通りにはいかなくて難しいですね。

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ないものは作る、知らないことは学ぶ。それを楽しめるかどうか

-そういった業界独特のニーズはどのようにして汲み取っているんでしょう? エンジニアの方が直接お客様と会う機会もあるんですか?

吉田: はい。

あとは、うちのエンジニアはみんなすごく仲がいいので、全員でお昼に一緒に行ったりします。仕事の話をする場として特別に設けているわけではないですが、そこで自然と「次はこういうことをやった方がいいんじゃない?」みたいな話になるので、そこで共有できているところもあります。

カンタン: 確かに、業界の理解はやっていて一番難しいと感じるところです。ただ、社内にエンジニア以外には業界を経験している人も結構いて、その人たちに開発の途中で試してみることもやっています。

吉田: オークションの画面は、実際に社内のレビューを受けて作り直すことになりました。元々は一つの画面に現在価格と入札価格の2つが並んで表示されるUIだったのですが、社内で試してもらった結果、自分の入札価格かわからず、間違えて押してしまう人が多いということがわかりました。

現在は最初の画面で現在価格だけを表示し、ボタンを押すとポップアップして、入札金額が入力できるようになっています。開発者からすると、入札するのにひと手間増えてしまうのはどうかと思いましたが、反対にこれだけの高額商品を簡単に買えてしまうのは不安だ、というのが使う人の感想のようで。

他にも、笑い話のようですが、この業界の人は比較的指の大きな人が多いので、誤操作がないよう、ボタンのサイズやボタン間の余白などにも細かくこだわっています。

-ここまで伺っていて、本当にご苦労されていることがとても伝わってくるのですが、素朴な疑問として、皆さんはなぜこれほど大変なことに取り組んでいらっしゃるんですか?

吉田: 自分でもそう思う時がありますね。オンラインで売ると言っているのに、オンラインじゃないところまでやっている。なんでここまでやってるんだろうって(笑)

私は元々SIの会社にいたのですが、そこを辞めたタイミングで、代表に誘われて、SORABITOの前身の会社にジョインしました。最初は私自身も2トンロング車を運転して建設機械を運んでいました。

-それまでと比べたら全く違うお仕事なわけですよね。

吉田: 今まではずっとオフィスにいたのに、なんでこんなことをやっているんだろう、みたいな感じです。ただ、そこでしばらくやる中で、自分の体験として、この業界のおかしな部分に触れていったんですね。

例えば、先ほども言ったように機械を売買するには数百万円の現金を手で持っていかなければならなかったり、実際に機械を受け取ると触れ込みと全然違ったりということがありました。

この業界には元々、リアルな中古マーケットもあるのですが、海外からそこに買い付けにくるのには渡航費として何十万円も必要ですし、売る側としても多額の輸送費がかかる。非常に非効率な世界なわけです。

こうした経験を得て、「だったらネットでやってみたらどうか」と思い、SORABITOを立ち上げ、いまの事業をはじめました。ただ、実際にやってみたら、やればやるほどやることが増えてしまって……。

-そのままネットに持ってくればいいという話ではなかった、と。

吉田: それだけのことをこの業界の人たちはやってきていたんだということですよね。だから、時々なんでここまでやってるんだろうと自分で思うこともあるんですけど、一方ではそれだけの意味があるかな、とも思っています。最初に思い描いたものを実現するためにずっとやり続けている感じです。

-なるほど。カンタンさんはどんな動機でジョインしたんですか?

カンタン: 前職の某大手通信会社の研究所では、様々ななシステムを作って通信の分析をやっていたんですが、大企業だったので、実際にそのシステムを事業に活用が難しくて。私の仕事は本当に役に立っているのかな?という悩みを抱えていました。もちろんそこで学んだことも多かったですが、もう少し実用的なこと、かつなるべくチャレンジングなことがやりたかったんです。

この業界のことは全然知らなくて、不思議に思うこともありましたが、面接でいろいろと話を聞くうちに、すごく面白そうと思えました。エンジニアリングとしてもいろいろな技術を使っているので、自分の成長のためにもいいと思い、昨年の10月に入社しました。

吉田: 彼はデータの分析をやってきた人なんですけど、先ほども言ったように、うちはまだ十分にデータがなく、これからデータを貯める段階です。

でも彼にはどうしてもきてほしかったので、「データはないけど来てくれませんか?」と聞いたら、「これから自分の手でデータを作るのが楽しみだ」と言ってくれて。いまは本当に彼が一手に引き受けてデータ分析をやってくれています。

カンタン: 前職では1日大量のデータを扱っていたのが、SORABITOでは多分、1年間でもそれに満たないくらい。でもその反面、データは自分で作っている感触があります。

前職は大きなシステムだったので、データに何か不満があっても自分で手を入れてコントロールすることができなかったのですが、いまは自分でプログラムを書いて変更することができる。それはとても楽しいです。

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技術選定の基準は、課題解決に最短距離で近づけるかどうか

カンタン: そして、私は新しい技術に挑戦するのが好きなので、いまの技術で満足するのではなく、学びながら新しい技術を使って改善していきたいと思っています。それを自分から提案して取り入れることができるSORABITOの環境が面白いです。

-新しい技術を使うことに積極的な会社だということでしょうか?

吉田: 課題を最短で解決するのであれば、どんな技術を使ってもいいというのがうちの技術選定におけるポリシーです。

いま使っている技術をそのまま使うのか、それとも新しい技術を入れるのかって、多くの会社さんが悩むポイントではあると思うんですけど、それが課題を解決する最短の選択肢なのであれば、結果としてあまりメジャーではない技術であっても問題ないと思っています。

-新しい、あるいはメジャーではないということは、それだけ参考になる実例やドキュメントが少ないということですよね? どうしてそれが一番いい解決法だとわかるんですか?

カンタン: 新しい技術を検討する時は、エンジニアが必ず自分で触っていいか悪いかを判断してから提案し、その上で吉田の判断を仰いでいます。

吉田: そう。多くの企業が最新のテクノロジーを入れたくない理由って、それがその人にしか触れない「秘伝のタレ」になっちゃうからだと思うんです。そうではなく、みんなで知識共有ができる形になっていれば、別にいいはずなんですよ。

だから提案する人がちゃんと自分で触ってテストしてみて、それを他の人に発表できる状態であれば問題はない。幸運なことに、いまのメンバーはそれができる人が揃っています。自分で調べた上で持ってきてくれるので、こちらとしても「じゃあ使ってみましょうか」と言えるんです。

-どんなバックボーンの方がいらっしゃるんですか?

吉田: バラバラですね。私は元々SIですし、彼は研究所。他にゲーム会社出身の人とか、組み込み系のことをやってきた人、ITコンサルの人とか、いろいろです。

そもそもあるべき姿が見えない世界なので、過去に何をやってきたかはあまり関係がないと思っています。それよりも、そういう正解のわからない世界を楽しめる、失敗をしてもいいやくらいの強いハートを持っている方が大切かな、と思います。

-では最後に、今後どのようなエンジニアに仲間に加わって欲しいと考えていますか?

吉田: 先ほど自主的にテクノロジーに関する提案をしてくれるメンバーが多いと話しましたが、それでもまだまだ足りないと思っています。みんながもっと技術に対してわがままというか、こうしたい!と言いやすい文化を作れそうな人が欲しいですね。

カンタン: そうですね。だからまずは、技術的に挑戦したいと思える人と一緒に働きたいです。「今までこういう技術を使っていたのでそれを使いたい」という人は、それはそれでいいんですけど、あまり面白くない。今がベストなはずはなく、もっとチャレンジしたら、もっといいものがあるかもしれない。そういうふうに考えられる人がいいと思います。

吉田: エンジニアの中にはやっぱりリスクを嫌がる人も少なくないけれど、リスクは私が取るので、チャレンジして欲しいなって思いますね。

あとは、サービスがもっとビジネスチームと連携しないといけないと思っていて、もう少し業界知識を理解してくれる人が入ってくれたら。

といっても現時点でビジネスのことを熟知している必要はなく、この人がビジネスの知識を取り入れたらすごく良さそうだと感じられるような人とか、そうなれそうな人が仲間になってくれると嬉しいですね。

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