ID:53246さん

Customer Reliability Engineering（CRE）チームのマネージャーとして、プロダクトマネジメントとピープルマネジメントに従事しました。 正社員のPdM1名、SWE4名、協力会社のSWE3名の体制で、toB/toCプロダクトのデータ分析基盤構築と問い合わせ削減、解約率低減プロジェクトを推進しました。

私のミッションは、データドリブンな意思決定を可能にする環境の構築でした。具体的には、社内の異なる事業プロダクトを一元管理できるAdmin画面の開発と、CX/CSチームが簡単に利用できるデータマートの構築が責務でした。 新設チームとして、経営陣・各事業部責任者と連携しながらロードマップを策定し、「データを元に優先度や問題に論じれる状態を作る」という明確な目標を設定しました。 また、問い合わせ対応の効率化と品質向上を実現するため、「解約につながるユーザ」や「問い合わせ対応が延長しやすい傾向」の分析基盤を構築。Salesforceと連携し、商談から契約、解約リスクのある顧客の早期発見と対応を可能にするシステムの実現を目指しました。 会社のスケールフェーズに合わせ、新製品発表時の問い合わせスパイク抑制など、先手を打った顧客満足度向上の仕組み作りが求められていました。

まず、社内に前例のないチームだったため、価値提供の優先順位付けを慎重に行いました。「スモールウィン」を積み重ねる戦略を採用し、小さな成功を可視化することで経営陣からの信頼獲得と投資継続の正当化を図りました。 社内管理システム開発では、ユーザが限定的（社内のみ）という特性を活かし、メンバーの成長意欲も考慮して、社内で使用事例の少ない新しいライブラリの採用にチャレンジ。これによりメンバーの技術的成長を促進しながら、そのノウハウを他プロダクトチームにも伝播させることができました。 データ分析基盤構築においては、技術的な複雑さと非技術者の利便性のバランスが課題でした。SQLの知識がないCXメンバーでも利用できるシンプルなダッシュボードと、データアナリストが深堀りできる柔軟なクエリ環境の両立を工夫しました。 最大の障壁は、メンバーの志向と会社の要求のアラインメントでした。エンジニアの技術的挑戦欲求と、ビジネス価値の早期実現という要求の間で葛藤がありました。定期的な1on1でメンバーの意見を丁寧に聞きながら、会社のミッションとの接点を見出す対話を繰り返し行いましたが、完全な解決には至らず、個人的な反省点となっています。 結果として、平均問い合わせ数の削減と返答スピードの向上を実現し、新機能リリース時の問い合わせスパイクも抑制できました。一方で、技術的負債の管理やメンバーのキャリア発達支援など、長期的なチーム運営においては課題も残りました。

国内最大規模のパートナー向け、数十店舗を対象としたフルリプレイスプロジェクトのテクニカルマネジメントとプロジェクトマネジメントを担当しました。

私の責務は、パートナーの全店舗システムを期限内に新システムへ完全移行させることでした。具体的には、数十店舗すべてのシステムを切り替え、関連するすべてのIDを正確に移管し、サービスの継続性を確保する必要がありました。 技術的な移行だけでなく、パートナー企業とのコミュニケーションを最適化し、移行プロセス全体を通してミスを最小限に抑えるワークフローの構築も求められていました。これには、移行スケジュールの管理、リスク評価、問題発生時の迅速な対応体制の確立が含まれていました。 最終的な目標は、スケジュール通りに全店舗の移行を完了させるだけでなく、移行後の展開店舗数、ユニークユーザー数、注文数といったビジネスKPIの向上も実現することでした。システム移行というテクニカルな成功に加え、ビジネス成果の拡大という責務も担っていました。

このプロジェクトでは、技術的な効率性とヒューマンコミュニケーションの最適化の両立を重視しました。エンジニアとして最小工数での実装を追求する一方で、「コミュニケーションコストの最小化とミス防止」という観点からプロジェクト設計を行いました。 まず、システム移行の技術的なリスクを特定するため、既存システムの詳細な分析と新システムとの互換性評価を実施しました。特に大規模なID移管では、データの整合性確保が課題でした。このリスクに対応するため、段階的な移行テスト環境を構築し、本番移行前に複数回の検証を行いました。 コミュニケーション面では、担当BizDevと協力し、パートナー企業との情報共有プロセスを標準化しました。具体的には、移行手順をマニュアル化し、各ステップでの確認ポイントを明確にしたチェックリストを作成。また、頻繁に発生する質問や懸念事項に対する回答集を事前に準備し、情報の一貫性を確保しました。 実装過程では、店舗ごとに異なる運用パターンへの対応が課題となりました。この問題に対しては、少数の店舗でパイロット移行を実施し、発見された問題点をテンプレート化して残りの店舗の移行プロセスに反映させるアプローチを採用しました。 また、移行作業の多くを自動化するツールを開発し、人的ミスの可能性を低減。同時に、重要なポイントでは必ず人間による確認ステップを設け、技術的な効率性と安全性のバランスを取りました。 結果として、スケジュール通りに全店舗の移行を完了。移行後のモニタリングでは、展開店舗数・UU数・注文数が大幅に増加し、技術的な成功だけでなくビジネス成果の向上も実現できました。このプロジェクトを通じて、技術実装と対人コミュニケーションの両面を最適化することの重要性を実感しました。