「自分が何になったか」ではなく、「自分が関わったことで何が良くなったか」を残せる仕事がしたい。人の努力・熟練・我慢で成立している業務を、誰もが無理なく続けられる仕組みに変えていきたい。
約19年間、私はシステムを作る側ではなく、実際に業務を担う側として製造現場で働いてきました。 その中で、数字や仕様には表れにくい問題を、現場の人の注意力、経験、熟練、努力によって吸収しながら仕事を成立させている場面を多く経験してきました。 私は、問題が起きたときに「誰がミスをしたのか」「教育が足りなかったのか」だけで終わらせるのではなく、設備・材料・作業方法まで原因を分解し、その仕事が誰でも安全かつ安定して再現できるものなのかまで考えることを大切にしています。 これは製造業だけの話ではないと考えています。 約19年間、非エンジニアとして実際に業務を担ってきたからこそ、 **「仕様上は成立していても実際には使いにくい」 「効率化した結果、別の人へ負担が移っている」 「特定の人の経験がなければ仕事が回らない」** といった、システムやKPIだけでは見えにくい問題に気づけることが私の強みです。 私が目指しているDXは、人手不足だから単純に人をIT・AI・ロボットへ置き換えることではありません。 人が減ったとしても、その不足分を残った人の負担で埋めるのではなく、仕事そのものを見直し、必要な品質や成果を維持しながら持続できる形へ再設計することです。 そのため、ITやAIを使うこと自体を目的にはしていません。ITが最適ならITを使い、設備、治具、標準化、業務変更の方が適切ならそちらを選びます。 私が考えたいのは、 **「何の技術を使うか」ではなく、 「本当に解くべき問題は何か、どうすれば現実的に解決できるか」** という部分です。 その考えから、現場課題を自分でも技術的に検証できるよう、Python、React、TypeScript、FastAPI、AI技術などを学び、個人開発を続けてきました。 例えば、QC活動でPowerPoint資料の作成に多くの時間が使われていることに疑問を持ち、「QC Slide Generator」を自主開発しました。テーマによって約12時間から数日を要していた資料作成について、入力からPowerPoint初稿生成まで実測約15〜16分で完了できることを確認しています。 目的は、単に資料を速く作ることではありません。 資料作成に使っていた時間を、原因分析、改善、安全、品質、教育など、**人にしかできない仕事へ戻すこと**。さらに、作業工数や残業を削減することで生まれるコスト余力を、次の設備改善やIT導入など、新たな課題解決の原資へ回すことです。 **一つの課題を解決する → 時間やコストの余力を生み出す → その余力を次の課題解決へ使う。** この循環をつくることで、「予算がない」「時間がない」と諦められてきた課題にも継続的に取り組めると考えています。 また、製造現場の騒音や外国籍作業者とのコミュニケーション負担をきっかけに、ローカル環境で動作するリアルタイム音声認識・多言語翻訳アプリも自主開発しました。 いずれも、誰かから「これを作ってほしい」と依頼されたものではありません。 **実際に業務を担う中で感じた違和感から、自分で問題を見つけ、解決方法を考え、必要な技術を学び、プロトタイプまで形にしたものです。** 私は、この部分をこれから仕事にしたいと考えています。 ITエンジニアとしての商用開発実務経験はありません。すでに定義された要件を、高い技術力で素早く実装するエンジニアを求めているのであれば、私より適した人材は数多くいると思います。 一方で、 **「そもそも何を解決すべきなのか」 「その要件は本当に現場で成立するのか」 「どうすれば人の努力に依存せず、使われ続ける仕組みになるのか」** というところから考え、現場と技術の間をつなぐ人材を必要としているのであれば、約19年間、実際に業務を担ってきた経験を活かせると考えています。 今回のキャリアチェンジで目指しているのは、単に「エンジニアになること」ではありません。 現場で問題を抱える側から、現場の声や違和感を課題として言語化し、技術や業務改善へ変換し、実際に解決できる側へ移ることです。 私は、役職に就くことや、新しい技術を使うこと自体をキャリアの目的にはしていません。 **誰かの負担が減ったのか。 困っていたことが解決したのか。 仕事が以前より安全で続けやすくなったのか。 企業にとっても品質、生産性、競争力の向上につながったのか。** **「自分が何になったか」ではなく、「自分が関わったことで何が良くなったか」。** その結果を一つずつ残し、働く人と企業の双方に価値を生み出すことが、これからの仕事で実現したいことです。
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