JAバンクを支える為替中継システム更改プロジェクト(総額140億円)の主担当PM。
社内・協力会社・大手SIer・対外センターを含む100名超の開発体制と、
全銀コアRC更改・全銀モアRC移行を含む合計142億円規模の複数案件を同時並行でマネジメント。
金融インフラの根幹を担うシステムである以上、障害を出さずにリリース予定日に確実にリリースすることが最大の責務。
具体的には以下の状態を維持・実現する責任を負っていた。
- 開発スケジュール・品質・コストの三軸を管理し、遅延・クリティカルな障害ゼロでのリリースを実現すること
- 親会社(農林中央金庫)・ユーザー部門・対外センター・ベンダーとの合意を常に維持し、スムーズな案件推進をすること
- 複数案件を同時推進しながら、各プロジェクトのリスクを早期に検知し、影響を最小化すること
以内)
### 基本方針:「課題の早期発見・即時エスカレーション・代替案の常備」
大規模更改プロジェクトにおいて最大のリスクは、問題が顕在化してから対処するまでのタイムラグである。
そのため私は「課題を早期に発見し、即座にエスカレーションし、常に代替案を用意した状態で交渉に臨む」ことを行動原則としてプロジェクトを推進した。
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### 直面した問題と対処
**① ユーザー部門との折衝:曖昧な要件変更要求への対応**
工程完了後、ユーザー部門より設計書の記載改善を求められた。
しかし要求内容が極めて曖昧であり、修正案を提示しても「全くなってない」と一蹴され、
具体的な要望を聞いても「見ればわかるだろう」と返答される状況が続いた。
**【考え方】**
ユーザーニーズを正確に把握しない限り、修正作業を進めることはできない。
まず「何を求めているのか」を解読することを最優先とした。
**【工夫】**
複数回の対面ヒアリングを実施。自ら修正した設計書をユーザー部門に当てながら反応を確認するという試行錯誤を繰り返し、段階的にニーズを解読していった。
ニーズを把握した後、本案件内での対応が工数・納期上困難と判断。
「修正内容・修正方針を本案件内で詳細に合意した上で、別案件として立ち上げる」代替案を提示した。
ユーザー部門は本案件内での対応を強く望んでおり、調整は難航した。
そこで以下の対応を組み合わせることで合意を形成した。
- 修正内容・方針を本案件内で詳細に固め、認識齟齬が生じないことを明確に約束する
- 親会社IT統括部門を調整役として打ち合わせに同席させる
- IT統括部門の同席理由を「別案件立ち上げにあたり所管部門にも情報共有しておく」と位置づけ、ユーザー部門への牽制という印象を排除する
結果として、ユーザー部門の合意を形成し、本案件への影響を最小化することに成功した。
**② 複数案件の同時並行マネジメント**
140億円の為替更改案件を主担当としながら、全銀コアRC更改・全銀モアRC移行も同時に主担当として推進するという状況に置かれた。
**【考え方】**
各案件の工程フェーズ・リスク・優先度を常に俯瞰し、自身のリソース配分とチームへのタスク分配を動的に最適化することが必要と判断した。
**【工夫】**
各案件の課題・リスク・マイルストーンをExcelベースで一元管理し、週次で優先度を見直す運用を構築。
緊急度の高い課題が発生した際は、副担当や協力会社への権限委譲を積極的に行い、自身は判断が必要な上位課題に集中する体制を維持した。
結果として、3案件合計142億円規模のポートフォリオを大きな遅延・障害なく並行推進できている。