## プロジェクト概要
クックパッドの「おすすめ」機能の仮説検証を通じて、ユーザーニーズに沿ったレシピ推奨の改善を図りました。
## 役割・体制
### 自身のポジションと役割
- プロジェクトマネージャ兼UX/企画担当として、ほとんどの期間一人でUX設計、データ分析、ユーザーインタビュー、要件定義、アプリ開発までを担当しました。
- 特にユーザーの行動やニーズを深く理解し、仮説の立案と検証を主導したことで、プロジェクトの方向性を決定しました。
- 初期段階では、モバイルアプリの開発者、データ分析者、機械学習エンジニアと連携し、最適な推薦アルゴリズムとUXの設計に貢献しました。また、公開範囲を拡大する段階では、SREも加わり、システムの実装と運用も担当しました。
- その後も、アプリの追加開発や改善を自ら継続的に行い、仮説の検証と調整を繰り返しました。
### チーム規模と構成
- プロジェクトは、最初は自身一人でPOと連携して進行し、その後段階的にモバイルエンジニア、データ分析担当、機械学習エンジニア、SREが参加して動作させていました。
## 背景・課題
- クックパッドには、「レシピが大量にありすぎて埋もれている」「人気レシピばかりが見つかる」「尖ったレシピが見つからない」などの課題があり、これらを解決するために「おすすめ」機能の検証に着手しました。
- 具体的な課題の深掘りや定義が曖昧であったため、実際にユーザーの声や行動データを収集し、課題の本質を見極める必要がありました。
- その最大の課題は、「なんとなくありそう」という仮説を具体的な課題として定義できていないことと、解決策に確信が持てない点でした。
- また、仮説の検証に必要なデータやユーザーフィードバックを得るための仕組みづくりに時間を要し、解決策の確度を高める段階で調整や試行錯誤が多く発生しました。
- さらに、「具体的な仮説検証に必要な情報が不足している」状態で進めていたため、何をどう改善すればよいかの見通しが立てにくかったと推測されます。
## 実際の取り組み
### 開発環境
- AWSをインフラ基盤とし、Ruby on Railsを用いたサーバーサイド、iOSはSwift、AndroidはKotlinでのアプリ開発を行いました。
- ユーザーデータの収集・分析にはPythonと機械学習技術を活用し、推薦アルゴリズムのモデル開発を並行して進めました。
- データ分析とユーザーニーズの把握に重点を置き、ユーザーインタビューや行動データから仮説を導き出すPDCAサイクルを回しました。
### 設計・改善内容
- 初期段階では、仮説の正確性に自信が持てなかったため、「仮説の検証に役立つシンプルな実験設計」を重視し、少人数の開発チームと密に連携しました。
- ユーザーフィードバックをもとにした仮説の検証を繰り返し、どの推薦方法が効果的かを柔軟に調整しました。
- 具体的には、ユーザーの行動履歴や嗜好を分析し、パーソナライズされたおすすめの表示ロジックを試行錯誤しながら構築しました。
### その他アピールポイント
- 仮説検証のためのユーザーインタビューやデータ分析を重ね、ユーザーニーズに沿った最適なUX設計を追求し続けました。
- 投入したUX改善案や仮説の検証結果をもとに、関係者と継続的に議論しながら、最終的な実装方針を決定しました。
## 成果・価値
- 仮説検証の結果、「おすすめ」機能を導入したことで、一部のユーザーに対しては満足度やエンゲージメントが向上し、「レシピ閲覧数の増加」に寄与しました。
- さらに、仮説検証の過程で得られた知見は、「今後の推薦機能やUX設計」に役立ち、継続的な改善サイクルの礎となりました。