自治体・企業向けWebアプリケーション開発プロジェクトにおける、自社メンバー(立ち上げ時4名から現在12名)のマネジメントを担当。プロジェクト全体は協力会社含め約60名規模で、その中で自社メンバーの統括役として、開発作業の推進、スキル・タスクのアサイン管理、若手メンバーの育成、顧客折衝までを一貫して担っている。
プロジェクトの拡大に伴い、自社メンバーが4名から12名へと増えていく中で、2つの状態を作り出すことが責務でした。
1つ目は、新しく加わるメンバーがスムーズにオンボーディングし、戦力として機能する状態を継続的に維持すること。チーム規模の拡大は短期間で発生するため、育成の時間を確保しながら開発スピードを落とさない仕組み作りが求められました。
2つ目は、顧客から寄せられる要望と、メンバーごとのスキル・稼働負荷のギャップを埋め、品質と納期の両方を成立させる状態を作ること。年次やスキル差にバラつきのある混成チームでも、アウトプットの質を安定させ、顧客の信頼を維持する責任を担いました。
## 考え方
チーム拡大期において、リーダー1人がすべてを抱え込む体制では限界があると早い段階で判断しました。自分が顧客折衝とプロジェクト全体の意思決定に集中するためには、内部のマネジメントを分担する仕組みと、メンバー一人ひとりが自走できる土台を並行して整える必要があると考えました。また、混成チームである以上、個々のスキルや稼働状況を「見える化」しなければ、適切なアサインも公平な負荷配分もできないと考えました。
## 直面した問題・障害
実際に進める中では、3つの障害が顕著になりました。
- 1つ目は、メンバー拡大時の技術キャッチアップと年次スキル差による生産性のバラつきです。新しく加わるメンバーが既存の技術スタックに慣れるまで時間がかかり、初期はチーム全体のアウトプットが落ち込む傾向がありました。
- 2つ目は、顧客からの要件調整や仕様変更への対応です。プロジェクトが拡大するほど顧客側の要望も増え、若手メンバーには対応が難しい変更も発生しました。
- 3つ目は、協力会社メンバーを含むチームでのコミュニケーションと品質管理です。所属が違うメンバー同士で前提知識や文化が異なるため、認識ズレや成果物の品質ばらつきが起こりやすい状況でした。
## 工夫したこと
これらに対して、4つの工夫を実施しました。
- 1つ目に、サブリーダーを育てて一部マネジメントを委譲しました。自分がすべての判断を行うのではなく、信頼できるメンバーに徐々に範囲を任せ、自分は顧客折衝や全体方針に集中できる体制を作りました。これによりチーム拡大時の意思決定のボトルネックを解消できました。
- 2つ目に、ペアプロ・コードレビュー・1on1を仕組み化してスキル伝承の場を継続的に設けました。一過性のオンボーディングで終わらせず、日常業務の中でスキルが伝わる流れを作ることで、新メンバーの立ち上がりを加速させました。
- 3つ目に、スキルセットとタスクレベルを可視化し、メンバーごとの強みと負荷を見える状態にした上でアサインを適正化しました。これによって、能力に対して過大なタスクで詰まることや、逆に成長機会を逃すことを防ぐことができました。
- 4つ目に、顧客との調整により、若手でも着手可能な作業から段階的に進められるよう要件・スケジュールを組み替えました。顧客側にもスキル成長期にあることを共有し、長期的な信頼関係を維持しながら、メンバーが成長できる作業の流れを作りました。
これらを継続することで、チーム規模が拡大する中でも品質と納期を維持し、顧客から継続的に新規案件を受注できる関係を保つことができています。