# 担当業務
* 特定のシナリオに基づいたファンド価値の推移をシミュレーションする機能を実装。
* 過去のシナリオからリターン系列の平均と共分散行列を推計。それらを1次VARモデルにインプットとして使用し、モンテカルロ法と組み合わせて複数のリターン系列のパスを生成。
* 運用チームのユーザーがRのプログラムから運用できるように、プログラムの開発とそのマニュアルを作成。
# 習得スキル
* Rを用いた設計、実装スキル
* 時系列解析の知見を活用するスキル
* 運用チーム内の要望を適切に反映させるスキル
* 主導して複数人と協力してプロジェクトを遂行するスキル
# 実績、コメント
* 運用しているファンドは複数の戦略へ投資配分している。そのため、シナリオに応じて配分を変更したいというニーズがあり、そのプロセスを定量的な枠組みで行う仕組みを作成することになった。
* プロジェクトの設計・開発を主導し、ユーザーとの議論を基にツールを改善した。
* ユーザーからの要望や開発時に気づいた改善点を参考にして、以下を反映した。
* ユーザーが過去のシナリオを自身で設定・参照可能にした。そのため、シナリオは DBに保存され、プログラムから参照可能となるようにした。
* 複数のシナリオが推移していく「結合シナリオ」を定義して、ユーザーの市場への
見通しをより精緻にモデルに組み込めるようにした。
* 最終的なアウトプットは、シミュレーションで生成されたリターン系列にした。これは、 既存のファンド価値を計算するプログラムのインプットとして使用されるため、この形を 採用した。既存プログラムとは疎結合な設計を採用し、運用の柔軟性を高めた。
* パスの数が多い場合は計算時間がかかるので、並列計算のロジックを実装
* シナリオのシミュレーションの概略は以下のとおり。
* 1, 今後数ヶ月で発生するシナリオに近い過去のシナリオを選択
* 2, 過去のシナリオ期間における保有商品のリターン系列から、平均、共分散行列というパラメータを推計
* 3,パラメータを1次のVARモデルのインプットとして使用して、モンテカルロ法と組み合わせて数カ月分のリターン系列のパスを複数生成する。
* 4, 生成された複数のパスのリターン系列を基に、定量モデルに従って各戦略のリバランスを実行。シミュレーション上でリバランスは数ヶ月にわたって複数回実行され、その期間でのリバランス時の保有割合を生成する。
* 5,すべてのパスについて、最終時点の各戦略の価値を計算し、それらの統計値を比較して戦略の取捨選択を行う。