# プロジェクト概要
国内の保険業界向けに展開済みの事故検知AIを用いたテレマティクス損害保険サービスのタイ展開を提案。
※事故検知AI:車から取得した加速度データをAIを用いて事故か非事故か判定。国内の保険業界向けに提供済み。
※テレマティクス損害保険サービス:車両デバイスから得られるデータを活用した保険サービス。
# 規模・役割
- 全5名
- 開発メンバー、サブリーダー
# 担当業務
- 事故検知AI精度検証
- プロジェクト運営支援
# その他取り組み
- AWSサーバーレス版アーキテクチャの提案
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# 事故検知AI精度検証
国内展開済みのシステムから取得した本番データ(車の加速度データ)を用いた波形分類モデルの精度検証を実施。
国内の事故検知AI開発時に行ったデータ加工手法と同様の手法を用いることで、目標精度である85%を達成できるかどうかの検証を行った。
## 課題
- 学習に用いる国内の本番データとタイで使用予定のデバイスのデータのサンプリングレートが異なっていた。(タイで使用するデバイスの方がサンプリングレートが低かった。)
## 取り組み・工夫
- 複数のダウンサンプリング法によって加工したデータを用いてAIモデルを構築し精度比較を行った。
- 従来の方法をベースにしつつも他のデータ加工手法を用いた検証も実施。
## 成果
- サンプリングレートの違いをデータ加工によって吸収し目標精度を達成することができた。
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# プロジェクト運営支援
サブリーダーとして以下のプロジェクト運営支援業務を遂行。
- 顧客とのQA・課題管理
- 開発チーム全体の進捗管理支援
- 全体開発スケジュール作成
## 取り組み・工夫
- 顧客側リソース不足により大幅な遅延が発生しており、今後もさらなる遅延が発生することが見込まれたため、複数パターンの開発スケジュールを作成し、状況が変わっても対応できるように備えた。
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# AWSサーバーレス版アーキテクチャの提案
国内展開済みの事故検知システムのアーキテクチャに課題があったため、その課題を解決するようサーバーレス版のアーキテクチャを提案。
## 課題
国内展開済みの事故検知システムには以下のような課題があった。
- 採用していたライブラリ(Chainer)の開発が既に終了しており、今後運用面で課題が生じる可能性があった。
- ChainerがサポートしているOSのバージョンも古く、同様に今後セキュリティ面で課題が生じる可能性があった。
- 過剰なスペックのEC2を使用しており、サーバー管理費だけで毎月数百万円のコストがかかってしまっていた。
## 取り組み・工夫
上記のような課題があったが、タイには従来方式で提案する予定であった。その点に不満を感じたため、[EC2を使用しないサーバーレス版アーキテクチャ](https://github.com/abetaaaa/FordA-wave-classification-for-aws-lambda)を提案し課会で発表を行った。
具体的には、従来のアーキテクチャから以下のような変更を行った。
- EC2を使用せずLambdaで推論を行うアーキテクチャへ変更
- 24時間EC2を稼働させるのではなく推論を行うときのみLambdaが稼働する方式にしたことで、コスト削減につながった。具体的には運用コストの見積もりが従来のアーキテクチャと比較して1/100以下になった。
- 副次的にAIモデルの格納場所とアプリケーションの格納場所が分離したことで運用効率が高まった。
- ライブラリを開発が終了しているChainerからTensorFlowへ変更
- より新しい環境で動作させることが可能となり、セキュリティ面の課題が解消された。
## 成果
- プロジェクトが一時中断となったため導入には至らなかったが、プロジェクト再開時にはアーキテクチャ変更を検討していただけることとなった。