料理大好き

一般的なITとは毛色が違いますが、法人向けキッティングを請け負っている部署の運営をしていました。 規模10名、担当業務は単価交渉、人員提案、人員調達、人員教育、進捗管理、売上管理など 月あたりの生産台数は1500～2000台程度、売り上げは400～500万円、利益率は10～20%

この部署の売り上げは赤字が常態化しており、作業者も良くない扱いを受けていた。 ただ、キッティング可能なPC自体は大量にあり為、人員と手法さえ確立すれば安定した売上を見込めるため、半期で利益率を20%まで延ばすというミッションのもと参画。

##### 状況把握 まずは現場の業務や問題点を把握する為、 1か月間現場に入りほぼ全てのキッティング発注元(約30社)のPCをキッティングを自身で対応。 ##### 手順の精査、修正 次に手順を精査し、なるべくマウスを使わない操作にするよう、 ショートカットやコマンドを使っていない箇所があればそれらを反映し、手順書を修正した。 また、手順書の注釈でマスタディスクの設定ミスの修正という本末転倒な追加操作が多々あった事から、 それらはマスタディスク(sysprep)を修正するよう依頼をだし、まずは手順書通りに実施すれば何も考えずともとも成果物が完成するようにした。 なぜ今まで放置されていたのかというと、マスタディスク担当者が対応を渋っていたため。 ##### 労働環境の改善 生産台数を稼ぐために残業が常態化しており、それにより疲れからくるケアレスミスによるキッティング端末の差し戻しや、作業の鈍化という本末転倒な状態になっていたため、納期が迫っている案件をのぞき、残業を原則禁止した。 1. 残業禁止前、禁止後の生産台数(=売り上げ)比較 まずケアレアスミスについては残業禁止後の1か月間は生産台数と差し戻しの台数を細かく記録し、残業時の差し戻し台数/生産台数と比較した。 結果差し戻し減少による工数削減により、残業禁止後の方が利益率が上昇していた。 1. 作業ラインの確保 作業場がせまく並列作業に限界があったため、発注元と交渉し作業場を拡張。 ※作業場は発注元企業の部屋を間借りしている。 最初は難色を示されたが、増産の見込みの数字をお客様や自社の役員へ提示し、実際ほぼ見込み通りに生産台数があがったため何とかなった。 1. 作業担当者の心理的安息 以前はミスは絶対に許さない、すれば上長がかなりキツくあたるという悲惨な状況であり、 現場の人員がかなりの頻度で交代していた。 また、それらを回避するためミスの報告を隠し、納品後にミスが発覚したケースがあった。 (そもそも発注元のチェック漏れでもあるが..) まずは前提として当然ミスは発生するし、人のチェックでは限界があることをチームメンバへ切実に伝えた。 当たり前のことではあるが、疲弊している現場では当たり前の事でさえ疲労からくる認知の歪みによっておかしくなるため、まずはそれらをとにかく徹底。 ミスや懸念事項を相談できるチーム作りを目指した。 1. チェックツールの導入 人のチェックでは限界があるためOSレベルの簡易的なチェックツールを導入した。 キッティング端末のOSはいずれもWindowsであったため言語はPowerShellを利用。 別チームからPowershellを書ける方をチームに招き、チェックツールのメンテナンスや改修を担当いただいた。 以前はキッティング作業者:チェッカーで作業時間の負担が1:1.5くらいであったが、導入後は1:1程度に落ち着き安定して現場が回るようになった。