ケント

# プロジェクトの概要 海外向け車載器のテスト設計 車載器に搭載される機能が全部で29個ある中、担当分が13個ありそれぞれの観点書の作成を任されましたが、車載経験がないこともあり用語理解が追い付かず要件定義書から細かい粒度の観点を抽出することが大変でした。 それでも有識者の方々からアドバイスをいただいたり空いた時間に自分で調べたりすることで、足りない部分を補い担当分の観点書を全て作成することができました。 作成した観点書を元にしたテストケースの作成も行いました。 また、リスクについての備え方や観点を抽出する際に注意することなどを教わり、気になった点があれば都度質問して解決するよう努めました。 その際に他のメンバーが同じ疑問に時間を取られることがないよう、教わったことをチーム内のチャットにて共有しておりました。 後続の案件となった第二者評価では、新規機能となる海外向けのTuner機能の終夜ランニング試験の試験書と探索的テストの試験書の作成を担当いたしました。 探索的テストにつきましては英文の取り扱い説明書から観点を洗い出してから差分が発生している観点のみを抽出して観点マトリクスに反映させ、必要に応じてそれぞれのモデルで確認することがわかるように設計いたしました。 終夜ランニング試験においては、海外向けのTuner機能のテストケースを作成いたしましたが、車載モデルが5つあり、全てで確認すると納品に間に合わなくなる為、2因子間網羅を使用することで必要な観点を最低限確認できるように設計いたしました。 テストの実施時も海外向けのTuner機能を担当しており、多機能なため質問をする機会が多くなりましたが、1回のやり取りで回答を引き出せるように要点をわかりやすくまとめることを意識して取り組みました。 また、不具合の報告時にはその症状の影響度から優先度付けをして起票するようにすることで、開発担当者に修正を依頼しておりました。 周りのメンバーが既存機能のテスト実施を行う中で、1人新規機能のテスト実施を任されましたが、意気に感じて取り組むことができており、最多不具合報告数の22と最高修正率の75%を記録して数質ともに貢献いたしました。 担当した新規機能はこれまで社内にノウハウがありませんでしたので、学んだことを展開して今後に繋がるようにいたしました。 納品を終えた後には振り返りを行い、今後に向けてKPTを発表しました。 案件を通じて常に知らないことに取り組む状態でしたので、業務外でも積極的に学ぶことで適応を早められるよう心掛けておりました。 #### 担当 ・【テスト設計 / 実施】：Tuner、System、Display、Sensor、Android Auto、CarPlay #### 環境 ・【0S】： Windows ・【使用端末】： iPhone、Android ・【その他】： iPod、高額な特殊機材(専用のTuner) ## 抱えていた課題 ・仕様が凍結されておらず、頻繁に変更が発生 ・仕様変更による手戻りで残業が多発 ・次案件のテスト設計時に、車載器の有識者の方々が別チームに移動になり経験の浅いメンバーだけで対応 ・チーム内で初めて実施する海外向けTuner機能の担当になったが、社内に資料がほとんどなく仕様が不明な部分が多い ・チームメンバーが続々とコロナウイルスにかかり、進捗に遅れが生じる ・テストケースの結果をマージする際に保存タイミングが重なりファイルの破損が多々発生した。 #### 工夫した点 ・車載器のテスト設計は初めてでしたが、通勤時間を利用したり朝早く出社して社内資料を読み込んだり、親しくなった同僚に訊いたりすることで早く適応できるように努力 ・実際に手を動かしてみて気付いたことなどを社内の共有Wikiに記載して、後続に繋げるように意識 ・iOSやAndroidを仕様するテストでもバージョンによっては動かないことも想定される為、どこまでの範囲を見るのかを全体で共有 ・質問や1回のやり取りで済むように要点をわかりやすくまとめること ・全ての車載モデルで確認すると項目数が膨大になる機能につきましては、2因子間網羅を使用して実施いたしました。 ・不具合の報告時に症状の度合いがわかるように優先度を付けて起票することで、開発担当者に先に直して欲しい不具合が伝わるようにしました。 ・振り返り時に、結果をマージする際にファイルの破損が複数回発生して不便が生じていた為、過去の現場で使用していたツールの導入を提言をいたしました。 ## 結果 納品までに13個の観点書とテストケースを作成して無事に納品できました。 第二者評価のテスト設計では英文の取り扱い説明書から差分を洗い出し、観点マトリクスに反映させたものをテストケースを作成して納品いたしました。 第二者評価のテスト実施につきましては、チーム内最多となる不具合の報告数22と最高修正率の75%を記録して品質の改善に貢献できました。 担当となった新規機能についてのノウハウをWikiに蓄積したことで後続にも繋がりました。