# プロジェクト概要
## 目的、背景
- 金融機関向けサービスを提供するためのネットワーク機器設定変更
- 故障対応やネットワークトラフィック分析
- 新規サービス追加時の運用引継ぎ
- 金融機関からの問い合わせ対応(メールによる対応)
## 期間・チーム構成
2015/04〜2019/09
- 10人程度のチーム
所属するグループは30人程度で構成
## 担当した役割
- 機器設定変更、リリース作業
- 作業の改善や故障対応
- 自社のメンバーの管理(常時約5人ほどが、入れ替わり立ち替わり)
- 自社のエンジニア採用業務
## プロジェクトに関連する資格・認定
- [Cisco Certified Network Professional Routing and Switching (CCNP Routing and Switching)](https://www.credly.com/badges/b26fee92-444d-4945-812c-0d5e27e101de)(2023年現在はEXPIRED)
- [Cisco Certified Network Associate Routing and Switching (CCNA Routing and Switching)](https://www.credly.com/badges/a25336c0-24e6-476a-abe5-5c27c92887fc)(2023年現在はEXPIRED)
- EXCEL-VBAエキスパート(ベーシック)
# タスク内容
---
## 1. 金融機関向けネットワーク機器の設置及び設定変更
### 概要
- 金融機関からサービスの新規追加や変更、及び削除のオーダーを受領した場合における、ネットワーク機器への設定変更
- Configを作成する元ネタとなるパラメーターシートの作成
- ネットワーク機器へ反映するConfig作成と、Configレビューの実施
- 金融機関向けのサービスということもあり、成果物やリリース作業は、高い品質が求められる。ちょっとしたミスも原因究明と再発防止の施策を求められ、その後の作業ボリュームが増すという状況に陥っていた。
故障が発生しサービス影響が出れば、金融機関は金融庁への報告が発生するケースもあるため、常に緊張感をもって持って対応をしていた。
### 使用した環境・技術
- cisco (L2sw, L3sw, Router)
- 帯域制御装置(bluecoat社PacketShaper)
- Redmine
- Excel VBA
- RHEL
### 課題・問題点
- 各種ネットワーク機器のパラメータシート、Configの作成。
しかしパラメータ数が多く、作成に時間を要した。また、ミスも散見された。
- 作成されたConfigのチーム内レビューの実施。
複数人で対面のレビューをするものの、いくら丁寧にレビューをしても、メンバーのスキルや繁忙期の物量次第では、ミスがゼロにする事が難しい。
また、人員不足から、スキルの低い新人がアサインされるケースが増えたことも重なり、品質が劣化しているという側面もあった。
- 試験環境へConfigを反映し、試験を実施
### 取り組み
- 金融機関からのオーダーや現行のConfigをインプットとし、パラメーターシートを作成するツールをVBA(Excel)で作成。可能な限り手作業を減らすことを試みた。
### 工夫した点
- 私が着任した時点で、一部はツール化されていたものの、複数のツールがあることと、手動で値を入れる箇所が多くミスを誘発していた。そのため、既存のツールを流用しながらも、手動入力の部分は可能な限り減らし、ツールの数も1つ、オーダによっては2つ程度まで抑えた。
これにより、1つのオーダーで4時間程度掛かっていたパラメーターシートの作成が、30分程度まで削減できた。
- ツールで自動化を進めたことで、成果物の品質も向上した。しかし功罪の「罪」の部分として、新規で着任してくるメンバーのスキルが向上しないという側面が現れた。これについては、対面のレビューの際にフォローアップをするなどして対応した。
---
## 2. 運用引継ぎ業務
### 概要
- 金融機関向けのネットワーク機器の設定変更や、新しいサービスが追加される場合において、運用担当へ引継ぎを行う。
引継ぎ内容は、サービスを維持するための定常作業や、故障時のトラブルシューティング方法。エスカレーション先など。
### 使用した環境・技術
- Word
- Excel
### 課題・問題点
- 運用引継ぎに向けて、手順書や故障時の振る舞いをまとめたドキュメントを作成する必要あり。
運用担当の作業量が増えたり、故障時のトラブルシューティングが複雑だと、運用担当が受け入れを拒否する。そのため、定常作業は可能な限りの自動化であったり、手順の手数を減らすことを目指し、故障時の振る舞いはシンプルな内容にする必要があった。
- 運用引継ぎに当たっては、運用担当の部課長へ説明する必要があり、そのための説明資料を作成。
### 取り組み
- サービス(サーバー)を提供する部署と連携し、サービスの特性、ネットワークの構成を確認し、仕様を把握する。
- 運用担当への正式な引き継ぎの前に、何度か運用担当と打合せを行い、意識合わせを行う。要望があれば吸い上げ、ドキュメントへ反映させる。
- 運用担当とは様々なサービスの故障対応時などでも会話をしているので、日頃からコミュニケーションを行うことで、いざ運用引継ぎを行うときにスムーズに話すが進むこともある。あと、仲良くなっておくと、いざ障害が発生したときなどに、運用担当に対する作業依頼に融通が利きやすくなる。
---
## 3. 金融機関向け回線のトラフィック分析ツール作成(Excel VBA)
### 概要
- ネットワーク機器からテキストで出力されたトラフィックデータを集計するツールをExcel VBAで作成。
- ツールの使い道としては、ネットワーク回線に以上が見られた際の分析であったり、センタ〜金融機関の間の回線を速したり減速させたりする際の判断材料となる。
### 使用した環境・技術
- Excel VBA
### 課題・問題点
- テキストで出力されたファイル数は、1分間に1ファイル、且つネットワーク機器ごとに生成される。そのため、処理をする対象のファイルの数が多い。
- 金融機関から提出を求められれば応じる必要があるため、体裁は整える必要があった。
### 取り組み
- Excel VBAを使い、データを集計し、グラフ化するツールを作成した。
### 工夫した点
- Excel VBAの特徴として、シートやセルを使用する作りをするとかなり動作が遅くなるので、必要な場合以外はシートやセルに出力しないような作りをした。
- 構造体や連想配列などを使い極力メモリで処理することで、処理速度の向上に努めた。
---
## 4. リリース作業
### 概要
- ネットワーク機器への設定変更作業
- リリース作業のドキュメント作成(手順書、タイムテーブルなど)
- リリース判定、品質判定会議
- 作業当日のタスクとスケジュール管理
### 使用した環境・技術
- Excel
- Word
- Linux
### 取り組み
- 設定変更を担当する作業者と連絡を取りつつ、タイムテーブルを管理する。
- トラブルが発生すれば、トラブルシューティングを行う。サービスに影響を及ぼす可能性が出てきた場合は、上長へエスカレーションをする。
### 工夫した点
- 作業中、あるいは作業後に故障が発生することがあったため、作業用のドキュメントだけでなく、故障切り分けに必要となり得るドキュメントを印刷し、作業区画に持ち込んでいた。
(作業区画はファイルサーバーに接続できないため、紙を印刷する必要があった)
---
## 5. 自社メンバー採用業務
### 概要
- エンジニア採用業務
- 現場業務のOJT
- 1 on 1
### 取り組み
- 役職に就いた頃から採用面接の対応をするようになったが、面接をされるよりも緊張してしまったりもしたので、採用に関する書籍などを買い漁って勉強した。
分かったことは、面接はする方もされる方も、評価され、値踏みされているということ。
自社の魅力を伝えることに、とても苦労をした。
- 当時所属していた会社は、お世辞にもよい会社ではなかったこともあり、エンジニア採用は難航していた。
とりわけ2010年代後半から如実に、面接希望者の品質が劣化し始めていた。
いわゆる「デジタルネイティブ世代」あたりが、スマホを当たり前のように使っている反面、キーボードのブラインドタッチができないというケースが散見されるようになったときは、さすがに危機感を覚えた。
入社される社員のスキルレベルがあまりにも低すぎると、着任した先でフォローアップをする社員の負荷が高まる。そして、既存社員の不満が募り退職していく、という悪循環。
1on1などの面談の場などでも、口癖のように「もう辞める」と口にするメンバーが増えてきた。
不満の原因は明らかで、現場のローテーションがなされないことと、新人のフォローに疲弊していた。
そのことを上長や部長クラスに提言するものの、改善されることはなかった。