ID:70130さん

# プロジェクト概要 人工知能（AI）を用いて一般病院や診療所の産婦人科医でも先天性心疾患の精度の高いスクリーニングを可能にし、先天性心疾患の早期発見に貢献する胎児心臓超音波スクリーニング支援システムの開発を実施した。 # 担当業務 - AIモデルの開発 - 医療機器承認審査の評価試験に向けた予備試験の実施 - 医療機器承認審査の評価試験の設計 # 発揮したバリュー - 正常部位検出性能 感度・特異度共に90%以上達成、異常検知性能(AUC)0.9以上達成 - 最新の機械学習モデルを都度調査してEfficientDet, YOLOv4, YOLOv7を実装した。 - 事前学習済みモデルはCOCOデータセットで良い結果が出るように学習されているため、事前学習段階では使用されていなかったfocal loss等適宜実験に必要な関数を定義した。 - ハイパーパラメータチューニングを実施した。その際、アノテーション数が少なく小さい部位はカットミックス等のデータ拡張を実施すると教師データ数がさらに減ってしまうので、そのようなデータ拡張は実施しない等、考察しながら適切なパラメータを探索した。 - 心臓の構造を理解し共同研究先の先生（医師）と協議する中で、一断面に複数映る部位を明らかにしたり、アノテーションの修正案を提示し、合意を得ることでアノテーション修正を実施した。 - 大手超音波診断装置メーカー3社(7装置)で本システムで使用可能にするためのベンダーフリー対応完了 - 当初1社(2装置)で学習を行っていたが、他社製品の超音波診断画像では所望の精度が得られなかった。また、製品化の時期が決まっており、新たにデータを収集している余裕はなかった。 そこで、当初の学習データをCycleGANを使用して手持ちの他メーカーの少量データにスタイル変換して他社3メーカー(5装置)に似た画像を生成し学習データに組み込んだ。追加データの収集及び、それらに対するアノテーション工程を省略することで、開発期間のスケジュールも順守しつつベンダーフリー対応を実現した。 - 医療機器承認審査の評価試験の設計(現在実施中) - 医療機器承認審査の評価試験の設計をPMDA、共同研究先の先生方と策定中である。 - 確実に審査を通すために、先天性心疾患の医師単独での診断結果、AI単独での診断結果、医師がAIを併用した場合の診断結果を事前に予備試験で確認した。この結果を踏まえて、AI単独＞医師単独、医師がAIを併用＞医師単独となるようなUI改良も実施した。