①【プロジェクト概要】
大手メーカーの新規事業開発として、デジタルカメラの市場規模縮小に手当する為の有望な新規ビジネス開拓の一つとして医療・ヘルスケア分野での映像活用ソリューションを開発
②【チーム情報】
構成人数:約50名
構成要員;3つの異なる部署に所属しているソフトウェアエンジニアからなる
③開発・実装内容
・【概要】
新たなデジタルカメラ写真の活用を医療の現場に広げるために、既存のカメラの改造を伴う院内システムの開発をおこなった
既存製品開発がメインの組織の中で新規事業を立ち上げる特別プロジェクトとして立ち上げ、市場性や付加価値検証のためのプロトタイプ開発から始め、最終的に製品として顧客の病院へ収めるまでを一貫しておこなった
ここで私は全体の開発責任者として約3年間に渡り現場の取りまとめと会社内・顧客との調整を担当した。
システムアーキテクチャや機能などの決定の責任を責務として持ち、新規事業立ち上げの社内改革の一端を担うプロジェクトであった
・【どのような機能の開発・実装か】
システム構成として、オンプレミス環境で動作するサーバー機能部分と、現場の医師・スタッフが利用するための端末PC上のアプリケーションから構成されるものを開発
サーバー側利用技術:Node.js, JaveScript, CSS, HTML, JQuery, MySQL,
端末PC側利用技術:C, C++, C#, WPF,
利用ツール:VisualStudio2017, GitLab, Jira, VisualStudioCode,Confluence
・【課題・問題点】
1. 組織に新規事業を立ち上げる仕組みや文化が確立されておらず、組織内での協力が十分にえられなかった
2. ターゲットシステムを構築するためには複数の部署にまたがる技術が必要なため、異なる考え方や価値観を持ったメンバーを同じ成果に向けてまとめていく必要があった
3. 医療分野に関わるシステムで、従来例が存在しないシステムであるため、国の医療認証機関等との調整が必要で、全体の日程や工数管理が困難であった
4. 複数のグループ会社との共同プロジェクトとなった事もあり、会社間の調整が難しかった
・【打ち手・使用した技術】
1.の課題を解決するためにプロトタイプを小さく初め、既存製品開発に影響を与えないプロセスで本プロダクトの意義や市場での反応を現場に通いながら積み上げ、経営層にインプットした
また、既存製品の本部として判断が困難な局面には社内の医療関連部署の役員にアクセスし、全社的な活動へとステージを上げ、本部外から本部長に話を持ちかけてもらうようにした
2.の課題を解決するために、各メンバーの資質を日常のコミュニケーションを通じて理解し、仕様や日程が決めにくい探索フェーズの業務と製品化の際に必須となるベース技術の開発とに分けてアサインし、徐々に相互の連携が取れるように運用した
またConfluenceやJiraなどのツールを用い、各メンバーのコミュニケーションを活性化し、リーダーやマネジメントも適宜Watchできるようにした
3.の課題を解決するために、業界の調査や影響力のあるステークホルダーとのコミュニケーションを持つように行動し、特に学会理事や主要大学病院の教授などと一緒に国の認証機関であるPMDA等との検討のためのデータを用意した
それにより見えてなかった計画を具体的なものに落とし込んだ
4.の課題を解決するために、学会や医師の現場での本プロダクトに対する反応と、世界の関連技術動向や業界の標準化技術に関する可能性をまとめ実際に各企業の事業部門と現場の方達と議論する場を適宜設け、グループ全体の利益を各企業の事業担当部門自分自身で理解してもらうように努めた