## 要件
アダルトグッズという特殊な市場で、 SEO業界的に・及び同業他社と比較して年々不利だったため、**SEO施策と売上の改善**、外注のサーバ運用会社からの、旧来のpgsqlが使えない新サーバへの移転による、**MySQLへのDBマイグレーション**、またスマートフォンからの流入を向上させる為の**レスポンシブ対応**が要件として挙げられた。
## 進行
2019年2月、Web運用担当との2名チーム体制で開始。受発注担当や実店舗責任者らとヒアリングを重ね、現状システムの問題点を整理しながら仕様を詰める。またGitの導入と、過去の個別カスタマイズ部分の調査(倉庫側システムに送るcsv出力用SQL・店舗側スタッフレビュー用テーブル設計など)。
導社内関係者の学習負担が少なく、PHPなどサポート期間が長い、EC-CUBE2.13.5を選択。ただしEC-CUBEはバージョン毎にテーブル設計が異なる点、PostgreSQL→MySQLへのマイグレーションもあり、フルリビルドに近いDB再設計を実施。
Google Cloud Platformでのテスト環境にて、取扱商品の見直し、旧会員データの一部機能の削除などを関係各位と調整し、データ正規化と運用負担の軽減を達成。
フロントエンドにbootstrap3を導入、携帯・タブレット端末幅に合わせの視認性を向上。またcss/jsの最適化・UI部の画像点数削減とサーバ運用会社と協業でapache/php/MySQLの設定調整を重ね、転送量を1/5に削減。
SEOの弱いEC-CUBEを補佐する為WordPressを採用。別システム間で共用するヘッダーナビをjsにて実装、違和感のない遷移を実現。
## 結果
2019年8月にお客様に告知の上で新システム稼働開始。目標のSEO効果は**特定キーワード・主力商品を中心に大きく改善**、**2020年度は前年度比較3倍の収益を達成**。また**モバイル流入比率も75%に上昇。**
## その後の改善・運用フェーズ
- **軽減税率対応。**EC-CUBE2.13 はデフォルトで対応しておらず、システム改定を実施。今後の税率変更にも対応できるよう柔軟な設計を心がけた。
- **Google Analyticsに、商品・売上データが反映されるように改定。**この結果、有料バナーや他社メディア紹介による流入と金額・数量が直結し、広告選定やPDCAの精度が大きく改善。
- **クリック率や注文中離脱率の改善を目的としたUIの修正**(ヒートマップツールなどを用いてカート追加後から注文確定までのボタン配置及び色彩の調整、404エラー時に商品検索のコツなどを追加し検索への誘導、商品紹介文章を各デバイス差異を吸収して読みやすくするデザイン調整など)
- (主に運用フェーズ)SNS強化。店舗スタッフを巻き込み**Twitter・Instagram・YouTube運用の改善。**特に**社内広報をYouTuberにするプロジェクト**を企画・撮影(SONY α7Ⅱ)・編集(Davinci Resolve)・公開のフェーズまで手掛け、3作目にして再生回数10,000を突破、通販流入の向上と取引先店舗での動画紹介など大きな反響を呼んだ。