Eコマースにまつわる業務効率化・販売促進をテーマに、新規事業を立ち上げています。
ビジネスアイデアの企画立案から顧客候補へのインタビュー・実際のサービス開発までを私を含めて2人のチームで1年間程行いました。
現在はこれらのアイデアの中から顧客の要望が非常に強かったアイデアをベースに新規事業を確立させ、損益分岐点の超過を目標にサービスを成長させているところです。
新規事業の企画立案から顧客のフィードバックを受けてアイデアを批判的に検証するところまでは、Lean Startupの手法を用いました。
その中で私が特に責務を負っていたのはビジネス企画の現実化と、それに伴うWebアプリケーション開発です。
ただし事業の検証段階であったため、ビジネス職との責務の分割ということは強いて意識していませんでした。
また、企画の妥当性を検証するために高速且つ確実に顧客候補からのフィードバックを受け取る必要があったため、敢えて「開発」の形を取らずに企画を具現化させていました。
これには「手作業型MVP」や「オズの魔法使い型MVP」と呼ばれる手法を用いています。簡単に言えば「顧客からは何らかのサービスとして認識されるが、裏側の仕組みは人力で解決されている」ような形式のサービス提供方式です。
直近1~2年では、上述の手法で発見した事業アイデアをベースにしたWebサービスを、新規事業として起動に乗せることに集中しています。
これには、サービスのアーキテクチャ・開発体制の確立や、個々の機能開発、インフラストラクチャの運用、採用およびオンボーディング、チームビルディングを含みます。
提供しているWebサービスの技術的な特徴としては、複数のSaaS同士を接続するグルー的な性質のものであることが挙げられます。
事業の性質として即応性よりも可用性を重視する性質を持っていますので、SQSを用いた再実行可能なジョブ実行系を中心に据えたアーキテクチャで構築しています。
また、複数のサービスを接続することが主機能であることから、接続先のサービスが常に「安定して」稼働していると想定することは出来ません。
そのため、信頼出来ないノードを含むある種の分散システム的な性質を持つサービスと捉えて、各ジョブに結果整合性を持たせました。
これによって「何らかの理由でいずれかの接続先がダウンしていても、最終的には同一の状態に収斂する」ようなシステムとなっており、顧客へ提供するサービス安定性の一助となっています。