●Azureエンタープライズ共通基盤(ALZ)におけるハイブリッドネットワーク設計構築、IaC運用および高度トラブルシューティング
環境・技術スタック: Azure Landing Zone (ALZ), Azure Virtual WAN (vWAN), DNS Private Resolver, Azure Firewall, Bicep, Windows Server (AD), PowerShell, TCP/IP, 明示的プロキシ, Chromiumサンドボックス仕様
●チーム情報
役割:インフラ・ネットワーク領域のリードアーキテクト(詳細設計・高度トラブルシューティング・IaC実装を単独で主導)
●開発・実装内容A:大規模ハイブリッド環境における名前解決タイムアウト不具合の完全解決
【概要】
オンプレミスとAzureを跨ぐ大規模なハイブリッドネットワークにおいて発生していた、深刻な名前解決のボトルネックを徹底的なルーティング検証により解消。
【どのような機能の開発・実装か】
Azure Landing Zone (ALZ) および Azure Virtual WAN (vWAN)、DNS Private Resolver、Azure Firewallを組み合わせた共通インフラ基盤の最適化。
【課題・問題点】
環境移行に伴い、大規模ハイブリッド環境の一部で名前解決のタイムアウトが多発し、システム間連携に影響が出ていた。原因がネットワーク、DNS、OSのどのレイヤーにあるか判別が難しく、既存チームでは長期間クローズできない難易度の高い課題となっていた。
【打ち手・使用した技術】
マイクロソフトのサポートケースを自ら完全主導。パケットキャプチャや各種ルーティングテーブルを自ら精査し、仮想ネットワーク接続内における「既定のルートを伝達する(Propagate Default Route)」の設定が無効化されていることが、名前解決のパケットが迷子になる真因(ルーティングの不整合)であることを突き止めた。
【成果】
真因の特定に基づき適切なルーティング修正を行い、名前解決のタイムアウト不具合を完全解決。移行プロジェクトの遅延リスクを未然に防いだ。
●開発・実装内容B:プロキシ自動構成(PAC)における3重デッドロック構造の解明
【概要】
明示的プロキシ環境下で発生した、特定のブラウザ仕様とネットワーク制限が絡み合う極めて複雑な不具合のロジックを解明。
【どのような機能の開発・実装か】
Azure Firewall環境における、セキュアなインターネットアクセス(明示的プロキシおよびPACファイルによる制御)のトラブルシューティングとソリューション策定。
【課題・問題点】
特定のChromiumブラウザ環境下において、プロキシ自動構成(PAC)が正常に機能せず通信が遮断される事象が発生。ネットワーク、ブラウザ、プロキシの仕様が複雑に絡み合い、原因の切り分けが困難を極めていた。
【打ち手・使用した技術】
TCP/IPレイヤーの通信挙動と、Chromiumのサンドボックス仕様を深く分析。結果として、「Azure Firewall配下でのネットワークのデッドロック」「Chromiumブラウザのローカルファイル遮断仕様」「MIMEタイプの不一致」という、3つの異なる原因が同時に絡み合う「3重デッドロック構造」であることを論理的に特定。これを回避するための暫定・恒久ソリューションを独力で策定した。
【成果】
他メンバーでは解決できなかったブラウザ起因の複雑な通信不具合をロジカルに解明。後続のシステム運用やセキュリティ設計に多大な貢献を果たした。
●開発・実装内容C:Bicep(IaC)によるインフラ自動化コードの解析とバグ修正
【概要】
他者が作成したインフラコード(IaC)のバグや考慮漏れを詳細設計書ベースでコード解析し、プラットフォーム全体のパッチ適用自動化ロジックへ安全に修正を適用。
【どのような機能の開発・実装か】
Bicepを用いた、Azure Update Managerによるサーバ(Windows Server / Active Directory等)へのパッチ適用自動化パイプラインの修正とリファクタリング。
【課題・問題点】
他のメンバーが先行して作成していた `AzureUpdateManager.bicep` のコードにおいて、自動化の分類定義に不備があった。このままでは詳細設計書に記載された厳密な適用スケジュールや対象サーバの分類が正しくインフラに反映されず、本番環境のパッチ適用が失敗するリスクを抱えていた。
【打ち手・使用した技術】
他者が書いた既存のBicepソースコードを自ら1行ずつ詳細に読み解き、詳細設計書との厳密なインプット・アウトプットの突合を実施。問題となっている分類定義のロジックの誤りを自ら特定し、正しい挙動になるようコードの書き換えと検証を行った。
【成果】
既存コードのバグを安全に修正し、プラットフォーム全体へのパッチ適用自動化ロジックへ反映。手動運用を完全に排除し、インフラ全体のセキュリティガバナンスと信頼性をコードレベルで担保した。