iOSアプリの全面リニューアルプロジェクトにおいて、プロジェクト全体の進行・品質・スケジュールをマネジメントしていました。チーム構成は、デザイナー・PdM・エンジニア(業務委託含む)合わせて15名規模で、私はiOSエンジニア兼プロジェクトマネージャーとして全体の調整役を担いました。
目的は既存アプリのUX刷新と機能改善を行いながら、アジャイル開発を実現できる体制に移行することでした。短期間で品質を担保しつつ、関係者との意思疎通がスムーズな状態を作り、継続的に価値を届けられるチームへと育てることが求められていました。
プロジェクトの目的を「単なるUIの刷新」ではなく、中長期的に改善を回せるチーム体制を築くことと定義しました。そのために、以下3点に重点を置いて考えました。
1. 属人性の排除と情報の透明化
仕様や判断の背景を関係者全員が理解できるよう、Notionにて要件・議事・課題を一元管理。タスクの目的や完了の定義を明示しました。結果として、業務委託・正社員問わず、自律的に判断できる環境が整いました。
2. モバイル領域の意思決定プロセスの改善
これまでモバイル開発は業務委託メンバーに大きく依存しており、設計判断や仕様調整の意思決定も彼らに委ねられていました。そのため、徐々に正社員側でのコードレビュー体制や仕様レビューの場を設け、主導権を戻す形に移行。これにより、属人化の解消とナレッジの蓄積を並行して進めました。
3. コミュニケーションのリズム作り
当初は非同期中心のやり取りで意思疎通にズレが生じやすく、認識齟齬が発生していました。そこで、朝会と昼会をリズムとして固定化しつつ、隔週でのふりかえり会や、スプリントレビューを設けて状況共有と関係性構築の場を意識的に設計しました。
結果として、各メンバーの発言・提案の量が増え、要件変更や仕様修正への対応もスムーズに行える体制となりました。