「Web」x「解析数学」x「コンピュータサイエンス」x「企業経営の基礎」x「AI」で代替不可能なエンジニアになる
### これまでの経験と技術の総動員 #### 1. Web(フロントエンドの深淵と地力) AI の台頭によって、特に学習データの豊富な Web コーディング領域では「コードを書く能力」のみを武器にすることは難しくなると実感しています。私は Web フロントエンドエンジニアとして、10 年近くモダンな技術スタック(TypeScript, React, Next.js)でのシングルページアプリケーション開発を経験してきましたが、ボイラープレートのようなコード生成の多くは AI に任せられるフェーズに来ています。 しかし一方で、**非機能要件、Web アクセシビリティ、レンダリングパフォーマンス、セキュリティ**などに深く配慮されたコードには、依然として人間のエンジニアの地力が要求されます。 例えば `alt` 属性ひとつとっても、W3C の「An alt Decision Tree」という明確な決定フローがあるにもかかわらず、現場では間違った設定が多く見られます。5 年以上のキャリアを持つシニアエンジニアであっても、HTML の「コンテンツカテゴリー」といった基礎を知らない、Lighthouse での計測を常態化していないといった実態を、これまで 7 社以上の企業を経験する中で目の当たりにしてきました。 また、Web がドキュメントプラットフォームからアプリケーションプラットフォームへ転換を遂げる中、WebGPU などの新しい JavaScript API が日々 Working Draft として議論されています。これら黎明期の技術は学習データが少ないため、**「1 次情報(仕様書)を読み解き、実装へ落とし込む」**というエンジニア本来の地力が不可欠です。私は Web Audio API が Working Draft だった頃から仕様書ベースでの試行錯誤を重ねており、この「1 次情報をハンドリングするスキル」こそが AI に代替できない強みであると考えています。 #### 2. 解析数学 大学院での専攻は**音信号処理**であり、これまで業務外でもオーディオプロダクトの制作やドキュメント執筆を通して、**フーリエ解析やラプラス変換**などの数学を深く学んできました。これらは組み込みやローレイヤーにおいて必須となる信号処理数学です。 後述のコンピュータサイエンスの知識と合わせ、実務未経験ではありますが、組み込みに近いレイヤーのプログラミングが必要になった際にも即座にチャレンジできる強固な土台(インプットの高速さ)を持っています。また、この領域での AI コーディングの恩恵を最大化するには、Web 領域と比較してまだ少し時間がかかると考えています。 #### 3. コンピュータサイエンス 大学時代(建築学科)に構造計算のための Fortran プログラミングに触れたことをきっかけにコンピュータの仕組みそのものに魅了され、業務外の時間の多くをローレイヤーの探求に捧げてきました。 これまでに、現在の Unix 系 OS の始祖となる **Unix 6th edition のアーキテクチャ理解**、Verilog HDL による**論理ゲートおよび 5 段階パイプライン処理の実装**、Unix システムコールと curses ライブラリを利用した CLI ゲームの開発、Raspberry Pi と ALSA(Advanced Linux Sound Architecture)を利用したオーディオプレイヤーの実装、**DSL(Domain Specific Language)のインタプリタ実装**などを自主開発で行ってきました。 現在は unsafe Rust の学習を深めつつ、『コンピュータシステム 理論と実践(Nand to Tetris)』を通して NAND ゲートからテトリスを組み上げる実装を日々進めています。コンピュータシステムに近いレイヤーほど AI での代替は難しくなります。実務未経験という枠を超え、システムプログラミング以下のレイヤーに対処できる準備は常に整えています。 #### 4. 企業経営の基礎 大学時代に**簿記 2 級**(内容としては連結決算やキャッシュフロー会計など 1 級の領域まで)を取得しており、会社の「お金」の流れを正しく理解できます。これはエンジニアとしては稀有な視点であり、特にスタートアップにおいて「資金調達」や「キャッシュ燃焼率(バーンレート)」の重要性を誰よりもリアルに解釈できる自負があります。 今回、次なる環境を模索している動機も、在籍企業の公開された財務諸表を分析した結果、流動比率が 100% を大きく割り込み、事業継続性(ランウェイ)が事実上致命的な状態にあると判断したためです。実態として、開発 PC の支給見送りによる私物 PC の強制利用、AI ツールの個人契約依存など、組織のガバナンスやコンプライアンス意識の著しい低下が財務の困窮と連動して現れており、エンジニア個人として健全かつ安全にパフォーマンスを発揮できる環境ではないと論理的に結論付けました。 #### 5. AI AI ツールの単なる操作(プロンプトハックなど)は、数学やコンピュータサイエンスと比較すれば学習コストがほぼないに等しいと考えています。重要なのは「AI を使いこなせるか」ではなく、**「AI をいかにシームレスに組織・業務へ取り込んでいくか」を多角的に設計できる能力**です。上場企業から創業間もないスタートアップまで 7 社以上の多様な組織を見てきた経験が、ここで生きてきます。 AI は、これまでのコンピュータサイエンスにおける「純粋な技術的抽象化の歴史」とは一線を画します。なぜなら、AI はコンピュータの内部に閉じず、**法律や経済、人間の在り方にまで多次元的な変数を投げかけているから**です(モダンフロントエンドの台頭では法律や経済までは変わりませんでした)。 例えば、1 年後の法改正によって今日設計した業務フローや組織構造が破綻するリスクや、特定の AI モデルに依存することでその開発企業の撤退とともに事業が共倒れするリスクがあります。「AI を導入すれば作業時間が減る」といった単次元的な視点ではなく、法律・経済・技術の多変数を考慮したシームレスな組織導入設計において、私のバックグラウンド(CS × 経営基礎 × 多数の組織経験)は最も高い価値を発揮できると考えています。 --- ### 次の働く環境に求めること 自身の能力と経験を最大限に発揮し、持続可能かつ長期的に貢献するために、以下の環境を重視しています。 1. **強固な事業継続性とガバナンス** 直近で経験した環境が財務・経営不振に陥った経験から、何より「本業で利益が出ていること(あるいは極めて高い確度で利益が出る見込みがあること)」を重視します。また、その利益がエンジニアの適切な開発環境(ハードウェア・ソフトウェアへの投資)やセキュリティ担保に還元される健全な組織を希望します。 2. **AI 導入に対する多角的・本質的なスタンス** AI の導入を不可避としつつも、それが組織やコンプライアンスに与える影響を多角的に考慮していること。「全社にアカウントを配れば劇的に効率化する」といった単純化された思想ではなく、リスクと不確実性を見据えた本質的なアプローチを志向する組織に共感します。 3. **持続可能なワークライフバランス** 心身の健康を第一に保ちながら業務で高いパフォーマンスを発揮し、かつ業務外でのオーディオプログラミングやコンピュータサイエンスの探求時間を確保できる、精神的・時間的に健全な環境であること。
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