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DXの進展を背景にITエンジニアの採用難易度は年々高まり、企業間の獲得競争はかつてないほど激化しています。その解決策のひとつとして多くの企業様がダイレクトリクルーティングサービスを導入していますが、その現場からは「ツールを導入したものの、思ったようにスカウトの返信が来ない」「日々の通常業務に追われて運用が形骸化してしまった」というリアルなお悩みが数多く聞こえてきます。
エンジニアの市場価値を可視化する転職ドラフトでは、こうした企業の課題に深く寄り添い、確実な採用の第一歩を踏み出していただくための伴走型オンボーディング体制を整えています。
今回は、転職ドラフトのオンボーディング担当である前林にインタビューをおこないました。企業様とエンジニアの絶好の出会いをつくるサポートの裏側と、データ活用のノウハウをお届けします。

――転職ドラフトスカウトは他のスカウトサービスと比べて、運用に独自の特色があると言われます。他社との決定的な違いはどこにあるのでしょうか。
前林:一番の差別化ポイントは、企業様が候補者一人ひとりと深く向き合える設計になっている点です。転職ドラフトスカウトには、スカウトを送付する時点での具体的な年収提示や、テンプレート指名文の送信が禁止されているという独自のルールがあります。内定のときには、スカウト送付時の提示年収の90%以上でオファーを出さなければならないという90%ルールも存在します。
――人事担当者が効率を重視して使いがちな、テンプレートによる一括送信機能は使えないのですね。
前林:そうなんです。いつでも好きなタイミングでスカウトを送れるのではなく、毎回2週間という限られた開催期間のなかでしか候補者にアプローチできません。他社様の採用サービスの中には、カスタマーサクセスが主体となって候補者へのアプローチを代行してくれるプランがあるものもあります。しかし、転職ドラフトにはそうした代行プランは一切存在しません。企業様自らが時間をかけて候補者のレジュメを深く読み込み、個別の提示年収額を決めてアプローチするという、一つ一つ丁寧に進める工程をお願いしています。
――一見すると、企業にとって負担が大きすぎる仕組みに思えます。なぜあえてそこまで手間のかかる設計にしているのでしょうか。
前林:確かに最初はそう感じられるかもしれません。しかし時間をかけて候補者と向き合うからこそ、双方の期待値が合致して、他の媒体と比較しても高い面談承諾率を実現できています。他のダイレクトリクルーティングサービスと比べて、転職ドラフトでは企業規模や知名度にだけに頼らない採用を可能にする、これが質の高いマッチングを生み出すための最大の武器だと考えています。私たちはそのためのハードルを一緒に乗り越え、企業様に伴走して確かな成果をあげていただける状態を作るために存在しています。
――ルールや制約の背景にある思想は理解できます。ただ、実際の現場で運用を回すとなると別の大変さがありそうです。契約直後のキックオフやオンボーディング初期では、企業担当者様とどのようなコミュニケーションから始めるのでしょうか。
前林:ご利用の初期の段階に期待値をすり合わせることを最も重視しています。採用活動を急いでいる企業様ほど、「月に1人は即戦力となるエンジニアを採用したい」という高い目標を掲げられる傾向にあります。市場のリアルな対象母数を無視した目標設定のまま運用をスタートしてしまうと、現場が疲弊してしまい、結果として運用が空回りしてしまいます。

――そこでオンボーディングチームは、どのように期待値を調整していくのでしょうか。
前林:独自のKPIシートを用いて、必要な行動量とそれによる期待成果のシミュレーションを具体的に提示します。顧客の希望目標をそのまま逆算して必要行動量を算出するのではなく、転職ドラフトの対象母数を把握したうえで、半年間の継続運用で現実的に到達可能な行動量と採用見込み数を一緒に設計していく形をとっています。
――KPIシートを提示されたときの、企業様の反応はいかがですか。
前林:「1人のエンジニアを採用するために、こんなに多くの時間と行動量を投資しなければいけないの?」と、想定以上の工数に驚かれる企業様が多くいらっしゃいます。
KPIシートを通して、目安としての数値をご覧いただく中で、運用のリアルなプロセスをご理解いただき、実現に向けて社内体制の構築を検討されるケースもあります。
――その高い壁を前にして、どうすれば行動に移すことができるのでしょうか。
前林:どれほど素敵な指名文を書いても、スカウトの送信数が少なければ統計的なデータが集まりません。データが集まらなければ、どこを改善すべきかという本質の議論に進むことができないのです。まずは毎月一定の行動量を安定して確保できる運用体制をつくること。それが最初の3ヶ月における最大の目標となります。
もちろん、募集するエンジニアの職種や求める経験層によっては、あえてターゲットを絞り込んでスカウトを送るケースもあります。ただ、一般的にはやはり一定の行動量を確保しなければ、改善のサイクルを回すことはできません。
とはいえ、ただ高い目標をお願いして丸投げするようなことはしていません。 この壁を乗り越えて採用に成功した他社様のリアルな事例やデータを共有し、競合企業が毎月どれくらいのスカウトを送っているのかという具体的な状況を提示します。忙しい現場のエンジニアを巻き込んだ体制づくりの相談にも乗りながら、企業様が納得感を持ってエンジニア採用の一歩目を踏み出せるように伴走しています。
――スカウトの量を確保しつつ、質も高めるのですね。そのために、具体的にはどのようなフォローを行っていますか。
前林:初めてご利用いただく企業様の多くは、どのような指名文がITエンジニアの心に響くのか、その感覚を掴みきれていません。手探りでスカウト送信をすることによって起こるミスマッチを防ぐため、送信前に指名文を丸ごと確認させていただく体制をとっています。企業様には、転職ドラフト独自の指名文作成マニュアルを参考に文章を作成していただき、送信前に下書き保存の状態で私たちにフィードバックを依頼していただきます。
――フィードバックでは、具体的にどのようなアドバイスをしているのでしょうか。
前林:指名文を目視で確認し、企業様の魅力が届く内容になっているか、候補者のキャリアと任せたいミッションが紐づいているかなどを細かく見ていきます。よくある事例として、求人情報の要件をそのまま貼り付けたような定型文になっていて、面談承諾の判断に必要な情報が不足しているケースがあります。
――求人情報のコピーペーストでは、エンジニアの心に響かないということですね。
前林:そうなんです。単に熱意を伝えるだけでなく、「候補者のこれまでの経験のどこに惹かれたのか」「入社後にどのようなミッションをお任せしたいのか」という背景を、自社の言葉で言語化するようアドバイスします。なぜあなたでなければならないのか、エンジニアが客観的に判断するための材料をもれなく書くことが重要です。

――創業間もないスタートアップ企業の場合は、知名度の低さがネックになりそうです。そもそも知られていない企業にはどのようなアドバイスをしますか。
前林:その際は、指名文の冒頭に自社が何をしている会社なのか、今どのような将来の方向性に向かって挑戦しているのかを明確に書き、まずは会社自体に興味を持ってもらうためのフックを作るよう提案します。こうした地道なプロセスを繰り返すことで、採用担当者様だけでなく現場のエンジニアの方々も、候補者の心を動かせる指名理由を表現するコツを掴んでいくことができるのです。

――スカウトを送った後も、データの分析などをおこなっているのでしょうか。
前林:定量データと定性データの両面からアプローチしています。閲覧数や指名数、承諾数の推移はもちろん、候補者が他社からどの程度指名を受けているかという競合状況や、エンジニア属性ごとの指名承諾率も確認します。たとえば、スカウトの承諾が1件もない場合、それがユーザーのログイン頻度などのアクティブ要因なのか、企業様が提示した条件やスカウト文の問題なのかを切り離して正確に分析し、正しいネクストアクションを導き出します。
――毎月多くの新規契約企業が参加されるなかで、これほど手厚いハイタッチなサポートを維持するのは大変ではありませんか。
前林:実は、企業様ごとの採用担当者様、現場のエンジニア様それぞれの課題やご要望にあわせて、最適なコミュニケーションをスピーディーにおこなえるように、社内の情報基盤の整備を徹底的に進めました。それまでは営業担当者とオンボーディング担当者の間で情報が分断しているという課題がありました。
――どのように改善されたのでしょうか。
前林:現在は社内の情報基盤を刷新したことで、営業担当者が商談で伺った課題やご提案内容を、オンボーディング担当者がシームレスに引き継げる体制が整いました。今まで情報がどこにあるかわからない状態でしたが、一目で必要な情報がパッとわかるようになったのは大きな変化です。転職ドラフトチーム一丸で企業様の採用活動をご支援できる体制になり、生成AIなども活用して必要な情報を効率的に抽出することで、サポートの質を落とすことなく一人の担当者がより多くの企業様を深くサポートできるようになっています。
――オンボーディングチームの地道な伴走支援が、着実に成果として表れ始めているのですね。
前林:目の前の数字の上下に一喜一憂するのではなく、長期的な目標に向かって企業様と一緒に課題を乗りこえていけることができ、やりがいを感じています。転職ドラフトがご縁でご入社されたエンジニアの方が企業様でご活躍されていることを伺う機会がありますが、企業様をご支援させていただいて本当によかったと思います。

――最後に、オンボーディングチームとして今後どのような価値を企業様に届けていきたいか、展望を教えてください。
前林:短期的には、オンボーディングのときにご提供している情報やデータのブラッシュアップを続け、導入企業様が最短経路で成果を出し、転職ドラフトの価値を実感してもらえる状態を作っていきます。しかし、ユーザーとの出会いは企業様にとっての本質的な価値提供となるスタートラインだと捉えています。 カジュアル面談、面接、そして最終的なアトラクトに至るまで、採用決定の瞬間までを一気通貫で伴走できる、企業の真の採用パートナーになることを見据えています。
――単なるツールの使い方サポートにとどまらないということですね。
前林:将来的には、転職ドラフトに蓄積された、他社にはない実力と妥当な年収、ミッションがセットになった膨大なキャリアデータの強みを活かし、エンジニア採用や組織構築における課題をトータルで解決できるプラットフォームに進化することを目指しています。企業の採用要件の定義からエンジニア向けの広報支援、選考プロセスの最適化にいたるまで、転職ドラフトを利用すること、それ自体が企業様の事業成長につながるような世界観です。
――転職ドラフトの伴走支援は、自社の魅力の伝え方に悩み、ダイレクトリクルーティングで成果を出せる体制づくりに苦戦している人事担当者にとって、現状を打破する強力な武器となりそうです。本日は貴重なお話をありがとうございました。