面接に不慣れなエンジニアの苦手解消4ステップ

2022-01-31 15:00

ITエンジニアの転職の面接の苦手解消方法と面接ノウハウ記事のキャッチ画像

「面談で印象よかったから次のステップに進みたいけど、面接は苦手だなぁ」
「面接がうまくいくコツってあるのかなぁ」

転職ドラフトに参加したエンジニアから、こんな声が数多くみられます。
レジュメをまとめたり、企業の採用担当とメールでやりとりをするのとは異なって、その場での会話のやりとりが求められる面接には、苦手意識を持つエンジニアは多いもの。

今回は、キャリアアドバイザーとして豊富な経験があり、転職ドラフトのエージェントサービスでも数多くのエンジニアのサポートを行っているYさんへのヒアリングをもとに、エンジニアの面接で役に立つナレッジをまとめました。

1.面接の苦手な要因別に対処しよう

面接は嫌だなぁ、苦手だなぁと感じるのはなぜでしょうか?
よくある苦手意識の要因で分類をしたので、あなたが思いあたるところから対処してみましょう。

会話することが苦手

じっくりコードに向き合う時間が好き、一人で作業することが多いエンジニアから、会話そのものに苦手意識を持っているという声を聞くことがあります。

「スラスラと話せる自信がないから」「愛想よく場を和ませられないから」といった理由から自分は面接で会話することが苦手だ、と思っている方もいるのではないでしょうか。

しかし、面接での会話において、話し上手であることや社交性は求められていません。必要なのは、企業の採用担当の話に耳を傾けられているか、相手が知りたいことを伝えられるかどうかです。

相手の知りたいことさえ理解できれば、論理的思考が得意なエンジニアのなかには、結論を述べて、根拠や理由を添えることには慣れている方も多いもの。

「スラスラと話せなくても大丈夫」と意識を変えてみること、ふだんから話すペースやテンポにあわせて相づちを打ちながら相手を観察することから試してみましょう。

面接経験が浅い

転職回数が少ない場合に、面接そのものの経験が浅いことから面接への苦手意識が見られることがあります。

あてはまる方は、想定質問を考えておくことと、模擬面接をすることがおすすめです。

想定質問は、企業からのメッセージや求人票と自分のレジュメを照らし合わせながら、企業の採用担当になったつもりで組み立ててみましょう。過去の面接で質問されたことを思い出してみることも役に立ちます。

模擬面接は、家族や友人にお願いするか、もしくは模擬面接サービスを実施している転職エージェントも検討してみましょう。ひとりでスマホで動画を撮る方法もあります。「面接」の形式でのやりとりに慣れておきましょう。

間違ったことをいわないか不安

「自分の発言が間違ってなかったか気になる」「敬語などの言葉づかいが完璧にできる自信がない」など、失敗を恐れるあまりに苦手意識を持つ場合もあります。

そもそも、面接に「正解」はありません。

通過する方は「100%完璧な発言や言葉づかいをした方」ではなく「求めるポジションにマッチしていると判断された方」です。

通過した方が面接をふりかえって「あのとき失敗したな」「こうすればよかった」ということはよくあります。それでも、なんとかして伝えたい、わかってもらおうという姿勢で、やりたいことや実力を伝えることのほうが重要です。

「完璧じゃなくてもいい」「言葉に詰まることがあっても大丈夫」と発想を切り替えて、もし失敗したことがあれば、次の面接で改善するための学びとして活かしていきましょう。

不通過連絡が怖い

「面接後に不通過が続いて自信をなくしてしまった」「不通過の連絡で自分の能力や価値を否定された気持ちになってしまう」という声もよくあります。

面接で不通過連絡を受けたとしても、それは限られた面接の時間内で求めるポジションとマッチしているとは判断できなかったというだけのことです。

あなたとマッチングできる企業とまだ面接をしていないだけと捉えて、前に進んでいきましょう。

2.選ぶ立場であることも意識しよう

面接が苦手な方が忘れがちなのが、企業に「選ばれる立場」であるとともにあなたが入社したい企業を「選ぶ立場」でもあるということ。

対等の立場として堂々とふるまう

内定がほしいあまりに低姿勢になりすぎたり、企業の採用担当の期待値にあわせて自分を大きく見せるような行動は、イメージが悪くなったり、入社後のミスマッチにつながる恐れがあります。

転職する前に確認しておきたい軸を定めておき、企業からの質問の流れで確認できなかった場合は逆質問のタイミングで積極的に質問をしてみましょう。

企業の採用担当も必死の思いで面接に参加している

年々ニーズが高騰しているITエンジニア採用の難易度はとても高く、必死の思いで面接に参加している企業の採用担当も多いもの。

限られた時間で、候補者に少しでも魅力を感じて欲しい、要件とマッチするかどうか確かめたいと、面接に参加しています。

落ち着いて見えても、実は緊張していたり、焦っていたりするのを隠すのが上手なだけということもあります。

「面接が難しいのも、緊張するのも、お互いさま」と企業の採用担当の心境を想像すると余裕を持って臨めるのではないでしょうか。

3.面接における判断基準を知っておこう

面接に通過するのは「限られた面接の時間内で求める要件とマッチしていると判断できた」場合です。

具体的にはどのような判断材料があるのか、ポイントをまとめてみました。

ポジションの適性があるか

「いま採用したいポジションで求める要件を満たしているかどうか」「候補者が求める要件を自社で満たせるか」は重要な判断材料です。

実務経験やスキルセットから、いま求めているポジションで充分に活躍が期待できるかを判断します。

「レジュメからは、バックエンドとフロントエンドを束ねる開発責任者の適性が感じられたが、面接ではそのポジションの要件を満たしていると判断できるほどの具体的なエピソードが不充分だった」のような理由でミスマッチと判断されることがあります。

実力があるのに、それがうまく伝わっていないだけのことも多いのです。
実務経験について質問を受けた場合には、エピソードでスキルの再現性を伝えられるよう意識しましょう。

転職ドラフトの審査に通過した方なら、レジュメからすでに実力はある程度伝わっているはず。面接では、レジュメより具体的に「あなたの行動」と「組織にもたらした成果」の2点を伝えるように意識しましょう。

「プロジェクトを成功に導くために、自身がどのような役割で、どんなことを考えたり工夫をしていたか」、「実際に開発を通して組織にどんな価値や成果をもたらしたのか」といったエピソードを交えることで再現性が伝わり、あなたの実力がぐっと評価されやすくなります。

今後のキャリアがかなえられるか

入社直後のポジションのマッチングだけでなく、中長期でのキャリアも判断材料となります。

「レジュメの経歴からゆくゆくは少数精鋭の新規事業の技術責任者を期待したが、面接でエンジニアリングマネージャーとして大規模な開発組織におけるマネジメント力を磨いていきたいという希望がわかった。当社ではそのキャリアをかなえることが難しい」のように、企業における中長期の展望とあなたの希望するキャリアとのミスマッチが判明することがあります。

ただし、企業の特性や求めるポジションによってはキャリアプランの明確なマッチングを面接の場で重視していない、ということもあります。面接を受ける時点でそこまで細かなキャリアプランがなくても不安に思わなくて大丈夫です。

難しい場合は「今のところは○○の方向性で考えているが、もし入社できた場合には組織の状況を知ったうえで1on1を通して具体的に相談したい」などと正直に伝えてみてもよいでしょう。

年収や働き方の希望がかなえられるか

せっかく転職という大きな決断をするなら、仕事内容だけでなく、よりよい環境や待遇を望むことはよくあることです。

ただし、少しでも年収をアップさせたいあまりに必要以上に希望年収を高く伝えた場合や、こだわりがないのに「週に1日も出社したくない」などと伝えた場合、面接通過の可能性を下げてしまうことがあります。

年収相場を知るには、希望年収を書かずに転職ドラフトに参加して提示年収額を確かめてみたり、レジュメを公開しているユーザー一覧から、どんなスキルや実務経験を持っている人がどのような指名を受けているかを自身のレジュメと比較してみるのがおすすめです。相場を知り、市場価値にあった希望を伝えられるようにしてみましょう。

また、環境面や働き方に関しては、理想を求めすぎて選択肢を狭めるよりも、何が実現できれば入社したいかの軸と、その優先順位を定めておくとよいでしょう。

4.しっかり準備をして差をつけよう

この記事を読んだ方に実践してほしいことは「企業と自分の期待値の解像度を上げて、面接に進むかどうかの軸を明確にしましょう!」です。

転職ドラフトに参加するエンジニアの多くは、現職の業務の合間をぬって転職活動を行います。10社も20社も選考を受ける余裕がある方は少ないもの。やみくもに面接を受けるのではなく、目的を明確にして面接を迎えられるようにしましょう。

企業が求める期待値の差分を知ろう

いくつかの企業で同じように「バックエンドエンジニアのリーダー」を求めている場合でも、まったく期待値の同じポジションは存在しません。

企業ごとに組織の規模や、使用技術、事業ドメインが異なるため、求められる期待値にも差はあります。

  • どんな規模のチームで何をどのようにリードすることを期待するのか
  • プロダクト企画や設計や技術選定に関わる機会はどの程度あるのか
  • 周辺のフロントエンドやインフラなどの領域をどの程度求められるのか
  • どんな技術課題が顕在化していて、自身に求められる課題解決はどの部分なのか

これらを企業の採用サイトや採用ピッチ資料で確認することはもちろん、様々な企業のカジュアル面談を受けてみることで、期待値の差分を知ることができます。

面接を受ける目的を明確にしよう

リファラルやダイレクトリクルーティング経由の場合「企業から選考をすすめられたから」という理由で面接を受けるエンジニアも多くみられます。

面接をするきっかけは企業からでも、あなたの大切な時間や労力をかけるなら、面接を受ける目的を明確にしておいたほうが、有意義な時間を過ごせるはず。

  • 大切にしたい企業選びの判断軸は何か
  • もし転職をする場合、その判断軸のうち何をどの程度期待するのか
  • 今回の面接では、何を確認できれば次の選考に進みたいと思えるのか

もし、面接前に企業選びの判断軸の解像度が低くても、選考を進める過程で明確になることもあるので、焦って考える必要はありません。

あなたも、企業の採用担当と同様に「次の選考に進むかどうか」の意思決定のオーナーであるということだけは、忘れないようにしましょう。

おわりに

今回ご紹介した対処法は、今すぐパッと取り掛かれるものばかりではありません。
自分が面接を苦手だと思う要因を把握して、いま必要な対策を考えて継続的に実践することが大切です。

「面接が苦手だから」と面接を避けてしまうのではなく、少しずつでも苦手を解消できるようアクションを起こしてみましょう。

あなたが、面接のその先で、新しいキャリアと出会う可能性を広げるために、この記事がお役にたてますように。

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